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Windows 10がアプリ制限や自動再起動の事前通知をサポートへ

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/03/06 15:00
Windows 10がアプリ制限や自動再起動の事前通知をサポートへ: Windows 10の次期大型アップデート「Creators Update」は2017年3月中に配信される見込みだ © ITmedia PC USER 提供 Windows 10の次期大型アップデート「Creators Update」は2017年3月中に配信される見込みだ

【連載】鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:

 2017年3月中の配信とみられるWindows 10の次期大型アップデート「Creators Update」。Microsoftはラストスパートに向け、開発プレビュー版であるWindows 10 Insider Previewの更新頻度を高めている。

 2月24日(米国時間、以下同)にWindows Insider ProgramのFast Ringユーザーに対してWindows 10 for PCの「Build 15042」とWindows 10 Mobileの「Build 15043」がそれぞれ配信されたのに続き、2月28日にはWindows 10 for PC向けに「Build 15046」が、3月3日にはWindows 10 for PCの「Build 15048」とWindows 10 Mobileの「Build 15047」がそれぞれ提供された。

 Creators Updateそのものは既に「Feature Complete」の状態にあり、Build 15031以降のビルドでは目立った新機能の追加はなく、バグの修正や微調整が中心だ。

 一方で、アプリの利用やアップデートに関しては、幾つかの重要な変更点がある。

●アプリのインストールをWindowsストア経由に制限

 Build 15046では、Cortanaのタスクバーでの配色変更や、「設定」アプリでのゲームアイコンの変更、そしてWindows Defenderの稼働状態を通知領域にアイコンで表示する機能の追加などが行われているが、最も大きいアップデートはアプリのインストール制御に関するものだ。

 設定アプリの「アプリ」→「アプリと機能」で表示される項目では、アプリのインストールに関して「どの種類のアプリでも可能」「ストア外からのアプリに警告」「ストア経由のみ」の3種類のオプションを設定できる。

 もし「ストア経由のみ」を選択した場合、実質的にこれまで自由に導入が可能だったWin32または.NETをベースとしたクラシックなデスクトップアプリケーションのインストールが不可能になる。そのため、「MicrosoftがUWP(Universal Windows Platform)を強引に推進するための施策なのでは?」という意見もある。

 Windows 10では2016年8月に提供が開始された大型アップデート「Anniversary Update」において、「Desktop App Converter(旧名はProject Centennial)」を用いてUWPに変換された従来のデスクトップアプリケーションの実行が可能になっており、「アプリの配信は基本的にWindowsストア経由で行うように」というMicrosoftの基本スタンスを反映したようにも思える。

 同様の施策はAppleが「OS X Mountain Lion」以降にMac App Storeで実施しているが、実際にはストアを経由しなくてもアプリケーションの導入が可能だ。

 恐らくMicrosoftが今回の仕組みを導入した最大の意図としては、「セキュリティを高めること」がある。

 UWP以外のデスクトップアプリケーションを導入する手段が引き続き提供される一方で、インストール可能なアプリをUWPのみに限定するオプションが用意されているのは、Windows 10 Homeなどを利用する多くの「セキュリティに関して熟知していないユーザー」に対し、誤ってセキュリティ上リスクのあるアプリケーションを導入しないよう未然に防ぐためではないだろうか。

 そのため、一部エディションなどではデフォルトの設定が「ストア経由のみ」となる可能性があるとみている(現在は「どの種類のアプリでも可能」がデフォルト)。

●予期せぬ自動アップデートと再起動を防ぐ設定も

 ソフトウェアの定期的なアップデートはセキュリティ対策として非常に重要だが、一方でパフォーマンスに負荷がかかったり、更新内容を有効化するために再起動が必要になったりと、作業の中断を余儀なくされることも多い。しかも、アップデート後に不具合が発生することもあり、これを嫌うユーザーがアップデートの適用を遅らせたり、あるいは自動アップデートそのものを無効化したりするケースもある。

 しかし、このような隙を突いてゼロデイ攻撃などによりマルウェアが拡散してしまうリスクも考えられるため、MicrosoftはWindows 10 Homeでアップデートとそれに伴う再起動を自動化するなど、可能な限りOSが常に最新の状態となるよう努めてきた。

 ただ、この仕様が時としてトラブルを引き起こしたいたことは否めない。「Windowsが勝手に再起動してやりかけの作業内容が消えた」という経験があるユーザーは、実は少なくないだろう。

 Microsoftもこうした問題は重々承知しており、間もなく提供されるCreators Updateでは改善される見込みだ。

 Microsoftは3月1日(米国時間)に公式ブログで、Creators UpdateではWindowsにアップデートが発見された場合、バックグランドでのダウンロード時のパフォーマンス低下を極力防ぐ仕組みが導入されていることを発表した。また再起動が必要な状況を減らし、もしそれでも再起動が必要な場合にはユーザーにその旨を通知し、再起動を行う際のオプションを幾つか提示するようになることも明らかにした。

 具体的には、設定のオプションで再起動する前の通知が可能だ。このオプションをオンにすると、インストールの準備が完了した段階で「すぐに再起動(Restart now)」「時間を指定(Pick a time)」「後で通知(Snooze)」のいずれかを選択可能なダイアログが出現する。ここで「Snooze」を選択した場合、インストール作業そのものが3日停止して再起動が延期されるので、もし意図しないタイミングでダイアログが表示されてしまった場合に、臨時でインストールを中断させるのに有効だ。

 また、Windows 10の自動アップデートを実行しない「Active Hours(活動時間)」も範囲が拡大され、全体としての使い勝手が向上している。

 セキュリティアップデートのような定期的な更新に加え、Windows 10に年1〜3回ほど配信されるCreators Updateのような大型アップデートについても改良が加えられている。

 注目は2016年末に配信された「Build 14959」で追加された「Unified Update Platform(UUP)」だ。この成果についてMicrosoftが報告している。

 UUPとは、ユーザーが動作させているWindows 10環境に応じて、通常は3〜4GB程度のダウンロード容量を持つ大型アップデートのサイズを最大30%程度まで圧縮する機能だ。これは一種の差分ダウンロード方式であり、ユーザーの環境次第で1GB程度まで大規模アップデートのサイズが縮小される。

 Build 15025とBuild 15031における各Insider Previewのダウンロードサイズと全体のユーザー比率を示した分布を見ると、Build 15025では半数近いユーザーが900MB以下程度までダウンロードサイズの縮小を達成しており、大きな効果が出ていることが分かる。

 これは主に、Insider Previewを頻繁にダウンロードしているFast Ringユーザー向けの施策とも言える。一般ユーザーは今秋に配信される見込みの大型アップデート「Redstone 3(RS3)」を適用するタイミングで、Fast Ringユーザーほどではないが一定の効果を受けられるだろう。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

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