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Windows 10の年2回アップデートで脱落していく旧世代PCたち

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/07/21
Windows 10の年2回アップデートで脱落していく旧世代PCたち: Windows 10次期大型アップデート「Fall Creators Update」はその名の通り、秋に提供される予定だ © ITmedia PC USER 提供 Windows 10次期大型アップデート「Fall Creators Update」はその名の通り、秋に提供される予定だ

 2017年はWindows 10大型アップデートの提供サイクルが3月と9月の年2回に固定された初めての年となる。この1年で2回目のアップデートに位置付けられる「Fall Creators Update(1709)」は、一般ユーザーに9月後半から10月初旬ごろに公開される見込みだ。

 このMicrosoftが「最適化モデル(Current Branch)」と位置付ける一般ユーザー向けリリースの前段階には、Windows 10の開発に協力する「Windows Insider Program」参加者(Fast RingやSlow Ringなど)向けのリリースがあり、9月中旬までにはFall Creators Update相当のビルドが提供されるだろう。

●WaaSのアップデートサイクルとサポートは続く

 こうしたFall Creators Updateに関する状況が見えつつある。

 5月開催の開発者向けイベント「Build 2017」で公開された新機能の多くが加わる一方で、以前のレポートでも触れた通り、「タイムライン」と「クラウドクリップボード」の2つの目玉機能がFall Creators Update配信のタイミングでは搭載されない。

 Fall Creators Updateは「Redstone 3」の開発コード名でも呼ばれるが、ここに盛り込まれる機能は8月に入って最終決定され、それ以降は最終的な機能調整やバグ修正が中心になる。搭載が見送られた新機能は次のアップデートサイクルに回されるため、9月中には「Redstone 4」の開発ブランチが登場し、次の2018年3月の大型アップデートに向けた作業が続いていく。

 MicrosoftはWindows 10において、最新アップデートを適用した状態を維持し続ける限り、新機能の入手やサポートを受け続けられる「WaaS(Windows as a Service)」の仕組みを導入しており、その前提で年2回の大型アップデートサイクルを設定している。

●WaaSサイクルから脱落するデバイスとは?

 しかし、これまで語られてこなかったが、WaaSサイクルから脱落するデバイスが少しずつ出てくることは問題だ。直近では、IntelのClover Trail世代のAtomプロセッサを搭載したPCに現大型アップデート「Creators Update(1703)」が適用できないことが話題となった。

 米The Vergeによれば、最終的にMicrosoftがCreators Update以降のアップデートで同世代のプロセッサのサポートを断念したことを認めたという。最新版Windows 10でのサポートに必要なドライバの提供をIntelが既に打ち切っており、動作パフォーマンスへの影響なしにサポートを継続するのが不可能だというのがその理由だ。

 従って、同プラットフォームへのCreators Update以降の大型アップデートの提供は取りやめ、前回の大型アップデート「Anniversary Update(1607)」を最終版としてパッチを継続的に提供するモデルへと切り替えるという。

 ただし、その場合のサポートはClover Trail搭載デバイスにプリインストールされていたWindows 8.1のサポートライフサイクルにのっとる形となり、同OSの延長サポートが切れる2023年1月にセキュリティアップデートなどの提供が終了する。

 MicrosoftはWindows 10のサポート終了期限を明示しておらず、あくまでWaaSをコンセプトとして将来的な継続サポートを約束している(ソフトウェアを最新版に保つことが前提)が、古いハードウェアを中心に今後もこれが維持されるかは難しいことがClover Trailの件で判明した。

 仮にClover Trailより後の世代のAtomプロセッサであっても、例えば「OneDriveフォルダのNTFS制限」にみられるように、スペック不足が理由で継続利用が難しいケースが出てくる。いずれにせよ、WaaSの恩恵をユーザーが最大限に享受するためには、可能な限り最新のハードウェアを導入することが求められるわけだ。

●一般ユーザーに大型アップデートの適用は進んでいるが……

 一方、Windows 10を利用するアクティブユーザーの多くは最適化モデル(Current Branch)を介して最新バージョンへと移行を済ませており、少なくともマジョリティーを対象としたWaaS戦略は一定の成功を収めていると言える。

 Windows用アプリ向けのクロスプロモーション広告ネットワークを運営するリトアニアのAdDuplexが7月18日に発表した最新の調査報告によれば、Creators Updateを利用するWindows 10ユーザーの比率が50%を突破した。

 ただしAdDuplexの説明では、Anniversary Updateは配信開始後の3カ月間でWindows 10全体に占めるシェアが4分の3に達していたのに対し、同時期のCreators Updateは2分の1と幾分かスローペースとなっている。

 Anniversary Updateは諸処の問題で配信が遅れていたことも考慮すれば、Creators Updateの普及ペースはさらに遅いことを意味している。Fall Creators Update提供開始後の普及ペースも比べたうえで、大型アップデートに伴うシェアの推移はあらためて検証していきたい。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

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