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Windows 8世代のスタンダードPCが見えてきた―「VAIO Tシリーズ15」実力診断

2014/09/20 01:37

 ソニーから15.5型フルHD液晶を搭載したUltrabookが登場

15.5型フルHD液晶ディスプレイを搭載したソニーのUltrabook「VAIO Tシリーズ15」

 2013年春、「VAIO」のUltrabookは選べる4サイズに――。

 2012年夏モデルから投入された新しい「VAIO T」シリーズは、VAIO初のUltrabookとして注目を集めるスタンダードな薄型ノートPCだ。当初は11.6型と13.3型の2サイズを用意していたが、2012年秋冬モデルでは14型を追加、2013年1月29日に発表された2013年春モデルではさらに15.5型が登場し、ラインアップは4サイズ展開まで広がった。

 また、15.5型モデルはフルHD対応の液晶パネルを搭載すること、13.3型以上の3モデルはすべてタッチパネルを採用したことも大きなトピックだ。上位シリーズの「VAIO S」はいまだにタッチパネル非対応だが、VAIO TはWindows 8時代のUltrabookとして、着実に進化を続けている。

 今回は2月9日の発売に先駆け、新たに追加された15.5型の「VAIO Tシリーズ15」から、店頭販売向け標準仕様モデルの上位機「SVT15119CJS」を入手したので、じっくりと各部をチェックしていこう。

上質感のあるフルフラットボディは大画面でも健在

 先端から後端までフルフラットなボディのイメージは、従来のVAIO Tシリーズと共通だ。素材にアルミニウムを使用し、ヘアライン加工を施したシルバーの天板は重厚かつ高級感があり、ベースボディも丁寧な仕上げで、ソニーの製品らしい上質な存在感がある。これまでのVAIO Tシリーズと同様、剛性にも不安はない。

 しかし、画面サイズが15.5型ワイドで光学ドライブも内蔵するとあって、やはりボディは大きく、手で持つとずっしりとした重さを感じる。本体のサイズは379(幅)×255(奥行き)×22.8(高さ)ミリ、重量は約2.35キロだ。重量の実測値は2.271キロと公称値より軽かったが、当然ここまでくるとモバイルノートPCの範ちゅうには入らない。

 それでも、Ultrabookの要件(画面サイズ14型以上のタッチパネル搭載モデルは23ミリ以下)をギリギリでも満たすだけあって、15.5型ワイドの大画面を備えたノートPCとしては十分スリムで軽いほうだ。フラットなフォルムから可搬性は高く、社内や家庭内など、短い距離で場所を移動して使うのは苦にならないだろう。

天面はヘアライン加工のアルミニウムを用いており、なかなかの高級感だ(写真=左)。液晶ディスプレイ部のフレームとキーボードはブラックで、シルバーとのツートーンカラーになっている(写真=右)。大画面の15.5型ワイド液晶と光学ドライブを搭載したボディでも、VAIO Tシリーズの特徴となるフルフラットなデザインは保持している

Ultrabookにしては珍しくメンテナンス性も良好

 本体底面に装着しているリチウムイオンバッテリーの容量は43ワットアワー(11.4ボルト/3760ミリアンペアアワー)で、公称のバッテリー駆動時間は約5.5時間とされている。バッテリーはカートリッジ方式を採用しており、底面のコインネジを外すだけで、容易に交換可能だ(ただし、バッテリーの単体販売は行われていない)。

 また、底面からはSSD/HDD用の2.5インチベイ、2基のメモリスロットにも比較的容易にアクセスできる。薄型軽量に注力したUltrabookをはじめ、最近はこういったメンテナンスしやすい製品が少なくなってきているだけに、(メーカー保証対象外の行為であっても)自分でメンテナンスを行いたいユーザーにとっては貴重な存在に違いない。

 付属のACアダプタは、突起部を除くサイズが45(幅)×107(奥行き)×28(高さ)ミリ、重量が本体のみで215グラム、電源ケーブルを含めた総重量で260グラム(実測値)だった。15型クラスのノートPC用ACアダプタとしては小さく、旅行や出張などで持ち出しが必要な場合でも、特に邪魔になるようなサイズではない。

バッテリーはコインネジで固定されており、簡単に着脱できる(写真=左)。ACアダプタは、15型クラスのノートPC用としては小ぶりだ。底面にあるネジ止めされたカバーをドライバーで開けると、HDDベイや2基のメモリスロット(DDR3L SO-DIMM)にアクセスできる(写真=右)

最新のTDP 17ワット版Core i7を採用、記録型Blu-ray Discドライブも搭載

 基本システムは、Ultrabookでおなじみの低電圧版Ivy Bridge/Chief Riverプラットフォームを採用。CPUにはCore i7-3537U(2.0GHz/最大3.1GHz)を搭載する。2013年1月に発表されたばかりの新CPUで、従来のVAIO Tで選択できた低電圧版最上位構成のCore i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz)より基本/最高クロックともに100MHz上昇している。TDP(熱設計電力)はこれまでと同じ17ワットだ。グラフィックス機能はCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000を利用する。

 メモリは低消費電力のPC3L-12800(DDR3L-1600)を採用し、容量は8Gバイトを搭載する。底面に2基のSO-DIMMスロットが用意されており、4GバイトのPC3L-12800 SO-DIMMを2基装着済みだ。Ultrabookではメモリがシングルチャンネル動作の製品も多いが、これまでのVAIO Tと同様、2組のメモリに同時アクセスすることで転送速度を高速化するデュアルチャンネルアクセスに対応している。

 

CPU-Zの情報表示画面。CPUには超低電圧版のCore i7-3537Uを採用(画像=左/中央)。デュアルコアCPUでHyper-Threadingに対応しており、4スレッドの同時実行が可能だ。定格クロックは2.1GHz、Turbo Boost 2.0により、高負荷時は最大3.1GHzで動作する。TDPは17ワットと低い。メモリはPC3L-12800に対応し、標準で8Gバイトを搭載する(画像=右)。底面に2基のSO-DIMMスロットがあり、それぞれに4GバイトのPC3L-12800 SO-DIMMが装着済みだ。デュアルチャンネルアクセスに対応し、メモリ帯域は25.6Gバイト/秒と高速だ

 

 データストレージは、キャッシュ用SSD(mSATA)とHDD(Serial ATA/5400rpm)のハイブリッドストレージを採用。単体のSSDほど高性能ではないが、HDDより高速で、コストを抑えつつ、レスポンスのよさと大容量を両立できるのが特徴だ。キャッシュ用SSDは24Gバイト、HDD容量は1Tバイトと大容量を搭載する。デバイスマネージャでは、キャッシュ用SSDが「AXM13S2-24GM-B」、HDDが「WDC WD10JPVT-55A1Y0」と表示されていた。

 従来のVAIO Tシリーズでは、SSDのキャッシング方法としてIntel Smart Response Technology(ISRT)を利用していたが、今回はISRTではなく、新たにCondusiv Technologies(旧Diskeeper)のExpressCacheソフトウェアを用いている。これは2013年春モデルのVAIO Tすべてに当てはまる変更だ。

 また、SSDキャッシュの容量が従来の32Gバイトから24Gバイトに減っているが、ソニーによると24Gバイトでもキャッシュとしては十分な容量があり、VAIO Tの旧機種に比べてパフォーマンスが劣ることはないという(パフォーマンステストの結果は後述)。ちなみに、独自の高速起動/低消費電力ソリューション「Rapid Wake + Eco」は引き続き搭載している。

 ボディ右側面に光学ドライブとしてBD-REドライブ(BD-XL対応)も装備している。VAIO Tシリーズは、14型と15.5型に光学ドライブを内蔵しているが、店頭モデルにBlu-ray Discドライブを採用したのは15.5型のみだ。

 通信機能は1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11b/g/nの無線LAN(最大送受信150Mbps)、Bluetooth 4.0を備えている。

 端子類は、前面にメモリースティックPRO デュオスロットとSDXC対応SDメモリーカードスロットを備えるほか、左右の側面に1基のUSB 3.0と2基のUSB 2.0、HDMI出力、アナログRGB出力、ヘッドフォン出力/マイク入力共用端子を装備する。液晶ディスプレイのフレーム上部には、高感度撮影に強い"Exmor for PC" CMOSセンサーを採用した有効画素数131万画素のHD Webカメラを搭載している。

 キーボードの上部にはステレオスピーカーを内蔵。音量増強技術により内蔵スピーカーの音圧を強める「xLOUD」、音響特性の補正で自然な音声を再現する「Clear Phase」といった音響効果もサポートする。
 

前面にメモリースティックPRO デュオスロットとSDXC対応SDメモリーカードスロット、各種インジケータを備える(写真=左)。背面にはインタフェース類がなく、鏡面仕上げのディスプレイヒンジ部に「SONY」のロゴが刻まれている(写真=右)

 

左側面にUSB 3.0、HDMI出力、アナログRGB出力、有線LAN、ヘッドフォン出力、ACアダプタ接続用のDC入力、排気口を搭載する(写真=左)。右側面には2基のUSB 2.0、トレイ式の光学ドライブが並ぶ(写真=右)

USB 3.0ポートは、電源オフ/スリープ/休止状態での充電にも対応する。標準の設定では、この充電機能がオフになっているが、「VAIOの設定」から変更できる(画像=左)。液晶ディスプレイのフレーム上部には、"Exmor for PC" CMOSセンサーを採用した有効画素数131万画素のHD Webカメラが用意されている(写真=右)

Office Home and Business 2013を初採用、豊富なVAIO独自アプリも付属

 プリインストールOSは64ビット版のWindows 8だ。オフィススイートとして、今回から「Office Home and Business 2013」を導入している。Blu-ray Disc/DVD再生ソフトは「PowerDVD BD」、データ書き込みソフトは「Power2Go」と、いずれもCyberLink製だ。

 ソニー独自のアプリとしては、タッチ操作に配慮したWindowsストアアプリとして、写真や動画を管理する「アルバムアプリ」、音楽を管理する「ミュージックアプリ」、FacebookやTwitterの投稿、ニュースサイトの情報をまとめて表示できる「Socialife」、サポートツールの「VAIO Care」を用意する(VAIO Careはデスクトップ版も用意)。

 デスクトップUI(ユーザーインタフェース)用の独自アプリについては、写真や動画の管理・編集を行う「PlayMemories Home for VAIO」、シンプルなUIでショートムービーが手軽に作れる「VAIO Movie Creator」、ホームネットワーク上のテレビ録画ファイルなどを再生するDTCP-IP対応のDLNAプレーヤー「VAIO ホームネットワークビデオプレーヤー」などが付属する。「nasne」と組み合わせることで、ワイヤレスでのテレビ視聴・録画も可能だ。

 

写真や動画を管理する「アルバムアプリ」(画像=左)、FacebookやTwitterの投稿、ニュースサイトの情報をまとめて表示できる「Socialife」(画像=中央)などは、タッチ操作に配慮したWindowsストアアプリとして用意されている。ショートムービーを作成する「VAIO Movie Creator」はデスクトップアプリだが、こちらもタッチ操作に配慮したUIとなっている(画像=右)

直販モデルではSSDを搭載した構成にも対応

 なお、店頭販売向け標準仕様モデルの下位機「SVT15118CJS」では、CPU、メモリ、データストレージが異なる。CPUがCore i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)、メモリが4Gバイト(4GバイトSO-DIMM×1枚)、ハイブリッドストレージのHDD容量が750Gバイト(キャッシュ用SSDは24Gバイト)だ。

 また、直販サイトのソニーストアで販売されるVAIOオーナーメードモデルでは、基本スペックのカスタマイズに対応する。CPUは店頭モデル採用のCore i3-3537U(2.0GHz/最大3.1GHz)とCore i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)にCore i3-3227U(1.9GHz)を加えた3種類から、メモリは2G/4G/6G/8Gバイトと4通りの構成から選択可能で、データストレージも320G/500G/750G/1Tバイトのハイブリッドストレージだけでなく、128G/256G/512GバイトのSSDを搭載できる。

 Windows 8 Proや1366×768ドットの15.5型ワイド液晶、DVDスーパーマルチドライブ、ATOK 2012、アドビシステムズの写真・動画編集ソフトなども選択可能だ。

マルチタッチ対応の15.5型フルHD液晶ディスプレイを装備

 15.5型ワイドと大画面の液晶ディスプレイは、1920×1080ドットの高解像度表示に対応している点も特徴だ。

 15.5型ワイドでの1920×1080ドット表示は、画素密度でいえば約142ppiとなり、13.3型ワイドでの1600×900ドット(約138ppi)と同程度の細かさになる。標準的な13.3型ワイドでの1366×768ドット(約118ppi)などと比べて、ドットの粗さが目立たず、精細で品のある表示だ。

 また、画面の表示領域は1366×768ドットの約1.98倍、1600×900ドットの1.44倍あり、PDFやワープロ文書などは見開きで、Webページならば2画面を無理なく判読できる大きさで同時に表示可能だ。

 液晶パネルは広視野角のIPS方式ではないが、TNパネルとしては左右の視野角が広めで、輝度も十分にあり、見た目の印象は良好だ。上下の視野角は狭いものの、液晶ディスプレイのチルト角度は約127度まで開くので、角度を調整して使えば、実用上困らないだろう。表示の色味はやや青が強く見える。

15.5型フルHD液晶はタッチパネルを搭載し、画面とフレーム部がシームレスにつながったデザインだ(写真=左)。液晶ディスプレイのチルト角度は約127度まで開く(写真=右)

 

1920×1080ドットの表示領域は1366×768ドットの約1.98倍、1600×900ドットの1.44倍もあり、Windows 8のスタート画面に並ぶタイル(画像=左)やアプリ選択メニュー(画像=中央)の一覧性が高い。Webページならば2画面を無理なく判読できる大きさで同時に表示可能だ(画像=右)。大画面と高解像度を生かして、PDFやWebページを開きながら、ワープロや表計算ソフトへ入力するといった作業も快適に行える

Windows 8のスタート画面は、やはりタッチ操作が使いやすい

 液晶ディスプレイには、10点マルチタッチに対応した静電容量式のタッチセンサーを内蔵。指で画面に直接触れて操作でき、Windows 8の軽快なUIのエクスペリエンスをフルに楽しめる。タッチパネルの感度や指の滑り具合は標準的だ。液晶ディスプレイの表面は光沢仕上げで、映り込みはそれなりにある。

 Windows 8はキーボードショートカットやタッチパッドを活用すれば、タッチパネルなしでも十分に使いやすく軽快に扱えるが、Windows 8の基本操作はやはりタッチに最適化されている。初めてWindows 8を使う方ならば、こういったクラムシェル型のノートPCでもタッチ操作ができたほうがなじみやすいだろう。

 もちろん、すでにWindows 8搭載のハイブリッドPCやタブレットを持っていて、Windows 8でのタッチ操作が身についている方ならば、タッチ操作ができるアドバンテージは強く感じられるに違いない。

大きく入力しやすいテンキー付きキーボードとクリックパッド

テンキー付きのアイソレーションキーボードと、左右ボタンを統合したクリックパッドを備えている

 キーボードは、キートップのみを露出させたアイソレーションキーボードを搭載。テンキーを備えた6段配列を採用し、キーピッチは約19(横)×19(縦)ミリのフルピッチでゆとりがある。Enterキーと右のテンキーとの間隔は約5.5ミリと、そう広く空いているわけではないが、Enterキーが大きめで、カーソルキーもミスタイプしにくいよう一段下げて配列するなど、工夫が見られる。

 キーストロークは約1.2ミリと浅いが、軽い力でタイプでき、スイッチの反発も適度で打ちやすい。剛性もしっかり確保されており、意識して強く押せば、キーボードが軽く沈む程度だ。キーボードにはバックライトも内蔵しており、点灯の仕方は「VAIOの設定」から指定できる。

 キーボードの奥には3つのワンタッチボタンが用意されており、「ASSIST」ボタンでVAIO Care、「WEB」ボタンでInternet Explorer 10(Windowsストアアプリ版)、「VAIO」ボタンでVAIOの設定が起動する。

キーボードにはバックライトも装備している(写真=左)。キーボードバックライトの設定は、キーボード右奥の「VAIO」ボタン(写真=中央)を押すと起動する「VAIOの設定」から行える(写真=右)

 キーボードの手前には、左右のクリックボタンをタッチパッドに一体化した、いわゆるクリックパッドを装備。ソニーは、後述するマルチタッチ操作に対応することから「マルチジェスチャータッチパッド」と名付けている。キーボードにテンキーを搭載し、ホームポジションが左に寄っているため、パッドはかなり左寄りに配置されている。パッドのサイズは99(横)×56(縦)ミリと広く、マルチタッチ操作でも狭く感じることはない。

 シナプティクス製のドライバが導入されており、2本指でなぞることによる上下/左右のスクロール、2本指の開閉による拡大/縮小、2本指をパッド上で回すことによる回転などのマルチタッチジェスチャー機能が標準で利用可能だ。チャームの表示などWindows 8固有の機能をジェスチャーで行うことはできないが、タッチパネル付きの液晶ディスプレイを搭載するモデルなので、特に必要ないだろう。パッドの滑りやボタンの押し心地にも問題はない。

キーボードの手前には、左右のクリックボタンを統合し、マルチタッチ操作に対応した「マルチジェスチャータッチパッド」を搭載(写真=左)。シナプティクス製ドライバが導入されており、2本指を上下/左右になぞることによる上下/左右のスクロール、2本指の開閉による拡大/縮小、2本指をパッド上で回すことによる回転などのマルチタッチジェスチャーが利用できる(画像=右)

パフォーマンス、バッテリー、騒音、発熱をまとめてテスト

 ここからは、各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。参考までにテスト結果のグラフには、「VAIO Tシリーズ13」の2012年秋冬モデル(SVT13129CJS)「VAIO Duo 11」の2013年春モデル(SVD1122AJ)のスコアも併記した。

 今回評価した店頭モデルのSVT15119CJSは、SSDキャッシュ+HDDのハイブリッドストレージを採用しているため、高速なSSDを搭載したVAIO Duo 11の2013年春モデル(SVD1122AJ)に比べるとスコアが低いのは否めない。

 しかし、Core i7にデュアルチャンネルアクセス対応の8Gバイトメモリを搭載していることもあって、PCMark 7のスコアは健闘しており、3D描画系のテストでは肉薄、ゲーム系テストのスコアでは上回る場合もあった。

 さらに、タッチパネルが備わったVAIO Tシリーズ13の2012年秋冬モデル(SVT13129CJS)と比較すると、かなりスコアがよい。PCMark 7のSystem storageスコアは若干下がっているが、それ以外のスコアではすべて勝っており、ハイブリッドストレージ搭載のUltrabookとしては、最高レベルのパフォーマンスだろう。

 なお、CrystalDiskMark 3.0.2を2回実行してみたところ、シーケンシャルリードのみ2回目のほうが若干速くなったが、ほかはほとんど変わらなかった。なお、起動時間(電源ボタンを押してからスタート画面が表示され、ウェイトマークが消えるまで)は17秒弱だった。高速なSSDを搭載したモデルは同じ計測方法でだいたい10~12秒程度で起動するため、それらには負けるが、Windows 7搭載PCと比べれば、十分に高速で快適だと感じられる。

今回試用したVAIO Tシリーズ15(SVT15119CJS)のデバイスマネージャ画面。内蔵HDDはWestern Digital製で9.5ミリ厚、1Tバイト、5400rpmの「WD Blue WD10JPVT」、BD-REドライブはパイオニア製で「BDR-UD2」だった

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア(画像=左)。CrystalDiskMark 3.0.2のスコア1回目(画像=中央)と2回目(画像=右)

PCMark 7のスコア(グラフ=左)。3DMark Vantageのスコア(グラフ=中央)。3DMark06(1024×768)のスコア(グラフ=右)

ストリートファイターIVベンチマークのスコア(グラフ=左)。MHFベンチマーク【絆】のスコア(グラフ=右)


 バッテリー駆動時間は、海人氏のBBench 1.01を利用して測定した。設定は、無線LANで常時接続し、Bluetoothはオフ、電源プランは「バランス」を利用、バッテリー駆動時の液晶ディスプレイ輝度は40%に設定した。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフに設定している。

 この条件でのテスト結果は、バッテリー満充電の状態から残量5%で休止状態に移行するまで、4時間40分動作した。公称値の約5.5時間には届かないが、このサイズのノートPCとしては十分に長いといえる駆動時間だ。

 動作音もアイドル時や低負荷時は静粛だった。高負荷時には騒音がそれなりに大きくなるが、それも控えめな音だ。ボディが大きいぶん、放熱設計には余裕があるのだろう。発熱の処理も優秀で、本体左側面の排気口付近が最も熱くなるものの、それでも室温22度の環境でボディの表面温度が33度弱と、熱いというほどではない。手がよく触れるパームレストはほとんど熱を帯びることがなく、気温が上がる夏場でも発熱で不快にはならないと思われる。

暗騒音32デシベル/室温22度の環境において、本体手前5センチに騒音計を設置し、動作音を測定した結果(グラフ=左)。室温22度の環境において、3DMark Vantageを実行した直後のボディ表面温度を放射温度計で測定した結果(グラフ=右)

 これぞ、Windows 8時代のスタンダードPC

 Ultrabookというと「MacBook Airに対抗しうるような薄さを追求したモバイルノートPCの究極形」のイメージが強いことだろう。このVAIO Tシリーズ15は、そういったUltrabookのイメージで見ると、ピンとこない製品だ。

 一方、据え置き型ノートPC、大画面ノートPCとしては、これまでにないほどスリムだ。モバイルノートPCがベースなだけあって、これまでのスタンダードクラスの大画面ノートPCにはない剛性感、上質感も兼ね備えており、バッテリー駆動時間も長い。騒音、発熱も低く、実にスマートに仕上がっている。

 CPUに低電圧版を採用しているので、通常電圧版のCPUを搭載した、いわゆる「昔ながらの据え置き型ノートPC」よりもCPUパワー自体は譲る場合もあるが、それと引き替えに得られたものは大きい。

 インテルがUltrabookで目指しているものは、モバイルノートPCのみに限らない。もともと要件に薄さの規定はあっても、画面サイズや重量はなく、こういったモバイルノートPCの技術を大画面ノートPCに転用した薄型ノートPCも含まれる。ユーザー数を考えれば、むしろVAIO Tシリーズ15のようなスタイルの製品こそが、Ultrabookのメインストリームといえるかもしれない。

 そして、大画面の液晶ディスプレイにはタッチパネルを搭載しており、Windows 8との相性も抜群だ。欲をいえば、広視野角のIPSパネルを採用してほしかったところもあるが、前述したさまざまな長所と合わせて、VAIO Tシリーズ15の仕上がりは「これこそWindows 8世代のスタンダードPC」だと納得させるだけのレベルにある。

 気になる実売価格は、17万円前後となっている。安くはないが、Core i7や8Gバイトのメモリを搭載するハイスペックな構成で、Office Home and Business 2013もプリインストールされることを考えれば、仕方がないところだ。

 一方、ソニーストアで販売されているVAIOオーナーメードモデルは、8万4800円から販売されており、基本スペックを柔軟にカスタマイズできる。おトクなキャンペーンも実施されており、これをうまく利用すれば買い得感がある構成に組み上げることも十分可能だ。

 例えば、Core i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)、8Gバイトメモリ、フルHD液晶、128GバイトSSD、DVDスーパーマルチドライブ、Windows 8、Officeなしといった構成で11万3800円と、かなりリーズナブルな価格になる(2013年2月4日時点の価格)。キャンペーンの内容は随時変わるので、チェックしてみるとよいだろう。

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