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シーズン中のトレードで緊急補強せよ! ロッテ、中日…「低迷球団」が狙うべきはこの選手

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2017/05/19 西尾典文

 開幕から2ヵ月弱が経過した今年のプロ野球。レギュラーシーズンの約4分の1が終わった計算となるが、両リーグとも大きな連敗によって低迷しているチームが目立つのが現状だ。しかし、7月31日まではトレードおよび新規契約は可能となっている。日本ではアメリカに比べてシーズン中のトレードは少ないが、かつては西武から巨人に移籍した大久保博元が5月に移籍して翌月に月間MVPを受賞しチームの起爆剤となった例もある。そこで今回は、低迷する球団のトレード案を提示してみたい。なお、実現性を考えて各チームに提案する選手は他リーグの球団の選手とした。(※チーム、選手の成績は5月18日終了時点)

 現在12球団で最低勝率なのがロッテだ。9割近い勝率だったオープン戦の勢いは全く見られず、チーム打率、防御率ともに12球団でワーストの数字となっている。特に深刻なのがチーム打率2割を下回る打撃陣だ。18日にはWBCキューバ代表で俊足が持ち味のサントス獲得を発表したが、現在必要なのは長打が期待できる選手である。候補の一番手として挙げたいのが白根尚貴(DeNA)だ。一軍での実績はゼロだが、思い切りの良いバッティングと長打力には定評があり、昨年もイースタンで10本塁打、58打点をマークしている。ソフトバンク時代には育成選手契約の延長を断り、トライアウトを経てDeNAとの支配下契約を勝ち取ったという意欲も魅力だ。守備に難があるためセ・リーグではなかなか出番が回ってこないが、きっかけをつかめばブレイクする可能性は十分にあるだろう。チーム事情でくすぶっている選手としては伊藤隼太(阪神)もおすすめしたい。かつてのドラフト1位も糸井嘉男の加入、高山俊や中谷将大など若手の台頭もあり、外野の一角を奪うのは難しい状況だ。二軍では今年5割近い長打率を残しており、スタンドまで運ぶパワーを持ち合わせている。外野の守備が悪いというイメージが定着しているが、ファーストやDHを定着できていないロッテであれば十分に起用できる余地はあるだろう。

 昨年の覇者である日本ハムも、4月に6連敗と10連敗を喫して大きく出遅れた。打線は5月に入ってレアードと中田翔に当たりが出てきたが、投手陣は相変わらず不安定だ。特に深刻なのが左投手不足。先発は加藤貴之以外は右投手で、リリーフ陣も中継ぎのエースだった宮西尚生が不振に陥っている。期待されていた公文克彦も打ちこまれて二軍落ちしており、絶対数が足りない状況だ。実績のあるリリーフタイプでは大原慎司(DeNA)が狙い目だ。ここ数年は成績が下降気味で、今年も二軍で8回を投げて9奪三振をマークしている。以前より少し肘を下げたことで、サウスポーらしい角度が出てきたことは好材料だ。先発もリリーフもこなせるタイプでは榎田大樹(阪神)を推したい。年々成績は下降しているが、もともと力のある投手で今年は二軍で先発として安定したピッチングを見せている。世代交代を進めているチーム事情を考えると、他球団に活躍の場を探す方が本人にとってもプラスになるだろう。

 セ・リーグでは球団史上初の4年連続Bクラスに沈んでいる中日が今年も開幕から振るわず最下位に沈んでいる。投手陣は先発に転向した又吉克樹や若手の鈴木翔太、小笠原慎之介、育成から這い上がった三ツ間卓也など明るい材料は見えてきたが、問題はロッテに次ぐワースト2位の得点力だ。特に気になるのが長打力不足。外国人への依存度が高く、日本人で長打を期待できるのは平田良介だけというのが現状だ。そんな中日にぜひ獲得を検討してもらいたいのが中川大志(楽天)だ。毎年期待されながらなかなか殻を破れずにいるが、二軍では毎年安定した成績を残しており、潜在能力の高さは本物だ。中日にはいないタイプの右の大型打者であり、地元愛知県出身というのも魅力だ。同じタイプを狙うなら吉村裕基(ソフトバンク)も候補になる。好不調の波が激しく、層の厚いソフトバンクでは出場数が限られているが、まだ老け込むにはもったいない年齢である。最後の一花を咲かせるチャンスを与える意味でも環境を変えて見てみたい選手だ。

 セ・リーグで中日に次ぐ5位に沈むヤクルトは慢性的な選手層の薄さが課題だ。投手陣で気になるのは左の先発。左投手で唯一ローテーションに入っている石川雅規も4勝はマークしているものの防御率は5点台弱と安定感を欠いている。そこで獲得を目指したいのが山田大樹(ソフトバンク)だ。昨年3年ぶりの一軍勝利をマークし、今年も二軍ではローテーションの中心として機能している。若手の有望株が多いソフトバンク投手陣では個性を発揮できていないが、他球団なら一軍で投げる力は十分に持っているだろう。野手では川端慎吾と畠山和洋が不在のサード、ファーストが手薄な印象だ。ここに当てはまりそうなのは左でパンチ力のある枡田慎太郎(楽天)。楽天では同じタイプの選手が多く、今年は出場機会に恵まれていないが、二軍では3割を超える高打率をマークしている。スタメンでは雄平以外に左で長打力のある選手がいないだけに、ヤクルトの補強ポイントにぴったり当てはまるだろう。

阪神の伊藤隼太(左)とソフトバンクの吉村裕基(c)朝日新聞社 © dot. 阪神の伊藤隼太(左)とソフトバンクの吉村裕基(c)朝日新聞社

 シーズン中のトレードは15年以降わずかに4件しかなく、その年に一軍の戦力となったのは矢野謙次(巨人→日本ハム)くらいである。しかし昨年オフに移籍した石川慎吾(日本ハム→巨人)と大田泰示(巨人→日本ハム)はチームの起爆剤的存在となっており、トレードの有効性が示された例と言えるだろう。今回は下位に沈む球団の補強ポイントから選手をピックアップしたが、好調なチームで出番に恵まれない選手もまだまだいるはずである。積極的にトレードを活用する球団が出てくることで、そのような選手が生き返るケースもあるだろう。

 トレード期間の終了まであと約2カ月。球団にとっても選手にとってもプラスになるトレードが一件でも多く成立することを期待したい。(文・西尾典文)

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