古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

ホンダと提携を解消した今のマクラーレンを名門と呼んではいけない7つの理由

SPA! のロゴ SPA! 2017/10/20 日刊SPA!

◆今季限りでマクラーレン・ホンダ提携解消決定! 名門と呼ばれるマクラーレンは、いまや品格なしのチームだった。

 マクラーレン・ホンダとして最後の日本GPは、3年連続ノーポイント(決勝レース11位以下)に終わり、鈴鹿でひと花咲かせることはできなかった。

 日本GPに先立つ9月15日、シンガポールGP金曜夕方にマクラーレンとホンダの離婚が発表され、2015年から3年間続いた結婚生活は今季限りで破綻することになった。

 発表を受けたホンダF1の長谷川祐介総責任者は「ホンダはマクラーレンとの提携にコミットしていて、マクラーレンとともに勝利を収めたいと思ってずっとやってきましたから、涙が出るほど残念です。しかも提携解消の最大の要因が我々のパワーユニット(PU)のパフォーマンスと信頼性の不足ですから、責任を痛感しています」と無念さをにじませた。

 長谷川総責任者には怒られるのを覚悟で、SPA!はあえて言わせていただきます!

 『離婚おめでとうございます!』

 マクラーレンといえば名門チームのイメージだが、いまのマクラーレンは、そのイメージとはかけ離れた振る舞いを繰り返し、名門らしさなんてこれっぽっちもない品格なしのチーム。

 SPA!は早く縁が切れてよかったと思います。

 マクラーレンの一番下劣なやり口が、メディアを使ってパートナーであるホンダ批判を繰り返したこと。

 開幕前テストでホンダPUの性能不足が明らかになった段階から、マクラーレンは提携解消に向けて動き始めた。

「マクラーレンは悪くない。すべての責任はホンダにある」と自分たちは被害者ヅラ。裏で息のかかったメディアにマクラーレンに都合のいい情報ばかりをリークして、ホンダを攻撃した。

 それに対して、ホンダは一切反論しなかった。なぜ反論しなかったのか、世界でも数少ないF1全戦取材ジャーナリストの米家峰起氏は言う。

「ホンダが反論しなかったのは、よかったのか悪かったのか微妙なところですが、反論しなかったことで、大げさに報道されたことだけが一人歩きして、既成事実になってしまった。もしホンダが反論していたら、泥仕合になっていただろし、離婚はもっと早かったかもしれません。ホンダ批判騒動の原因は、自分たちのPUの性能不足と信頼性の問題だから、黙って性能を上げることだけに集中しようというのがホンダのスタンスでした」(米家氏)

 グローバル企業のホンダから見れば、マクラーレンなんてたかだかイギリスの中小企業だが、狡猾な政治的駆け引きだけはかなわない。この3年間で、ホンダのイメージダウンは計り知れない。

日刊SPA! © SPA! 提供 日刊SPA!

「ホンダの実力が足りなかったからイメージが下がって当然ですが、マクラーレンによってホンダのイメージは必要以上に傷つけられてしまった。この3年間、ホンダの責任だけでマクラーレン・ホンダが超低空飛行になったわけじゃない。マクラーレンの車体の性能不足やチーム力の弱さもフェアに語られるべきでした。マクラーレンがホンダと組んだ大きな理由のひとつは、ホンダの資金目当てですから、それが失敗に終わって、マクラーレンもカッコ悪いですけどね」(米家氏)

 実は、マクラーレンとホンダの契約内容は、かなりホンダ不利な内容だという。

◆ホンダと組む2015年以前から凋落傾向!

 PUは無償供給、年間100億円規模の資金提供、アロンソの40億円とも言われる年俸はホンダ持ちなどなど。素人から見ても、どうしてこんな貢ぐような契約を結んじゃったのと思うくらい。

 そんなパートナーに平気で罵詈雑言を浴びせたマクラーレン。もうそれだけで別れてもいい。もうマクラーレンのことを名門とは呼んではいけない。

「長年マクラーレンを率いてきたロン・デニスが失脚して、新しい首脳陣になってからチームの雰囲気は変わりました。その象徴が短パン解禁。ロン・デニスがいたころは、レース週末の木曜のみOKで、公式セッションが始まる金曜から短パン禁止がマクラーレンの鉄則でした。いまは暑いレースになると普通に短パンを履いています。あれはマクラーレンではない。昔のような緊張感がまったく感じられない」(米家氏)

 来年、ホンダはトロロッソと、マクラーレンはルノーと組み、ライバルとして激突する。

「来年からの再出発は、トロロッソにとってもホンダにとっても価値あるものにしたい。中団チームのトロロッソ、いまは実力トップではないホンダともに前に進んでいこうと、いまは来年の新たなステージに向けていいコラボレーションを組み立てている最中です。それにはまずコミュニケーション。スタートの切り方がまず重要だと思っています」(山本雅史モータースポーツ部長)

 トロロッソはマクラーレンよりも規模はかなり小さいものの、純粋なレーシングチーム。ホンダはすでに良好な関係を築いており、「来年はマクラーレンのクルマはミラーでしか見ないようにしよう!」(山本部長)と盛り上がっているという。

 SPA!が見たいのは、トロロッソ・ホンダがマクラーレン・ルノーをぶち抜くところ。来年が楽しみになってきた。

◆マクラーレンを名門と呼んではいけない7つの理由

●スポンサーが次々と離れる!

 2013年限りでタイトルスポンサーのボーダフォンを失って以来、現在にいたるまで不在。さらに、長年スポンサードしてきたヒューゴボスは2014年限りでメルセデスへ、TAGホイヤーは2015年限りで、モービルは2016年限りでともにレッドブルへ。今年の一番大きなロゴはシャンドン。年間数億円程度。

●チーム首脳が一流じゃない!

 昨年11月、マクラーレンのお家騒動で1980年からマクラーレンを指揮してきた完璧主義者のロン・デニスが追い出され、現在は株主のマンスルー・オジェとその手下であるザック・ブラウンが完全に私物化。マクラーレンという名前は変わらないが、中身はザック・ブラウンの会社JMIが支配している。

●メディアを通じて公然とホンダを批判!

 開幕前テストでホンダPUのパワー不足と信頼性の問題が露呈するや、メディアを通じてホンダを痛烈に批判。「不振の原因はすべてホンダにある。マクラーレンは悪くない」と平気で身内の悪口を繰り返し、既成事実化しようとした。その振る舞いで、自ら品格のかけらもないことをさらけ出した。

●ドライバーの管理ができない!

 アロンソもメディアに超大げさなホンダ批判を言いたい放題。ホンダPUに起因するトラブルでなくても無線で「ノーパワー」を挨拶がわりに繰り返した。モナコGPを欠席してインディ500にも参戦。バーレーンGPとベルギーGPでは自主リタイア。ドライビングは超一流だと誰もが認めるが、言動は三流以下。

●お金はあるのに車体は並レベル!

 この3年間では一番まともな車体と言われるが、それでも並よりちょい上レベル。ホンダPUのパワー不足もさることながら、最高速が伸びないのは空気抵抗が大きい車体のせいでもある。アップデートの失敗も相変わらず多く、金曜フリー走行で試してポイ捨て。試行錯誤できるのはホンダ資金のおかげ。

●レース戦略がコンサバすぎる!

 見ていてワクワクしないマクラーレンの戦略。常に失敗しない戦略を選び、大成功を目指したギャンブルなどは組織として、チームの体質として決してしない。ピットストップもポジション争いする相手に先んじて動くことも少なく、遅きに逸することも多い。常にコンサバで面白くない!

●ピットストップが激遅すぎる!

 チーム力のいったんが現れるのがピットストップ所要時間。今年のランキングを見ると、メルセデスとレッドブルの一流チームは間違いなく速い。トラブルが頻発しているフェラーリはそれよりちょっと遅い。マクラーレンは常に下位に沈み、チームの雰囲気がたるんでいることがわかる。

◆ホンダの再婚相手『トロロッソ』って、どんなチーム?

 2005年、レッドブルがミナルディを買収して設立。翌年からレッドブルのジュニアチームとしてF1に参戦。本拠地はイタリア・ファエンツァ。チーム代表はフランツ・トスト。チーム名はイタリア語で赤牛の意味。フォースインディアやハースと同レベルの中堅チーム。レッドブルの若手育成ドライバーを起用し、才能が認められれば本家レッドブルへ昇格させるシステムを採用している。

 車体開発責任者はテクニカルディレクターのジェームス・キー。2012年日本GPで小林可夢偉が3位表彰台を獲得したときのザウバーC31を開発。来年、いいクルマお願いします!

 今季のチームランキングは10チーム中6位(52点)。9位のマクラーレンを29点も上回っている!

取材・文/SPA!F1取材班 写真/Honda McLaren Toro Rosso

SPA!の関連リンク

image beaconimage beaconimage beacon