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固定観念捨てた4年間=オランダ流を小平流に〔五輪・スピードスケート〕

時事通信・冬季五輪 のロゴ 時事通信・冬季五輪 2018/02/14 20:52
© JIJI PRESS LTD 提供

 1998年長野五輪でメダルを獲得した清水宏保さんや岡崎朋美さんの姿を見て、当時11歳の小平はスケートにのめり込んだ。

「メダリストが見ていた景色を今度は私が見たい」。ずっと抱いていた思いが、20年かけて現実になった。 

変化を恐れないこの4年間だった。男子並みのトレーニングや肉体改造をして臨んだ2014年のソチ五輪で500メートルは5位、1000メートルは13位。「やってきたことは全てぶつけられた」。そう思ったのにメダルには届かない。力が足りないと結論付けるしかなかった。 

ソチで金メダルを8個獲得したスケート王国オランダのプロチームが、小平を受け入れることになっていた。大学時代から希望していた留学。「固定観念は持ちたくない」。海外で全てにトライしようと決めた。 

師事した五輪金メダリストのマリアンヌ・ティメル氏から、フォームの欠点をオランダ語でこう例えられた。「BOZE KAT(怒った猫)」。フォームが前かがみになり過ぎて、足で氷を押せる範囲を狭めているという。空気抵抗を減らそうと前傾姿勢を追求してきた小平にとって、肩を上げろとの指摘は斬新だった。 

しかし上体を起こしただけでは空気抵抗が大きく、うまくフォームをつくれない。「体の大きなオランダ人と同じことをしても勝てない。自己流をつくり上げないといけない」と悟った。ティメル氏の助言を基に、自分に合った滑走姿勢を見つける必要に迫られた。 

信州大時代から指導する結城匡啓コーチによると、「肩を上げる本当の意味は、股関節を落とすことだと気付いた」という。腰の位置を低くすることを意識し、それまで参考にしてきた500メートル五輪金メダルの李相花ら韓国選手のような低い姿勢を保つ。「下半身は韓国、上半身はオランダ。それが小平の目指したところ」だった。 

16年春に日本に拠点を戻した後、一本歯のげたを使った練習などを通してフォームを固め、快進撃が始まった。今季はさらに腰の位置を下げ、左右の体のぶれを修正。理想とする「氷に貼りついている、スポーツカーのような滑り」が体現できるようになった。 

清水宏保さんは「スポーツ選手が技術を変えていくことはすごく難しい。今までと全く違うことをやったことに覚悟を感じる」と感心する。全身全霊をささげて歩んだ道の先に、歓喜の瞬間があったのは必然だった。

(時事)[時事通信社]〔写真説明〕スピードスケート女子1000メートル、力走する小平奈緒=14日、韓国・江陵〔写真説明〕スピードスケート女子1000メートルで滑走を終えた小平奈緒=14日、韓国・江陵

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