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大谷が“シナリオ通り”手術決行 チーム完全解体&再建へ日本ハム版『マネーボール』舞台裏

zakzak のロゴzakzak 4日前

 日本ハムは12日、大谷翔平投手(23)が都内の病院で右足首後方の三角骨(足関節後方インピンジメント)を除去する手術を受け、無事に終了したと発表した。昨年の日本シリーズで走塁中に痛めて以降、手術のタイミングはいくらでもあったが、今シーズン終了を待って決断。その裏には、メジャー移籍を切望する右腕を、ポスティングシステムを利用して確実に高値で“売却”したい球団の思惑があった。5年間にわたる“大谷プロジェクト”をシナリオ通り完了しつつある球団は今オフ、チームをいったん解体、一から作り直すことになりそうだ。(片岡将)

 「万全の状態で新しいシーズンを迎えるため、公式戦終了後のこの時期に手術を受けることにしました。自分なりのパフォーマンスを出せるように、手術後はリハビリと練習に努めます」

 手術前日の11日、球団を通じてこうコメントした大谷。昨年の日本シリーズで痛め、同11月の侍ジャパン強化試合で悪化させた『足関節後方インピンジメント症候群』について、東京・御茶ノ水聖橋クリニックの林同文医師はこう解説する。

 「足を底屈(つま先立ちするように足を伸ばす動き)したときに、足首の後方関節の間に『三角骨』と呼ばれる骨が挟まって痛みを起こす。これは成長過程でなくなることが多い骨片だが、残っている場合に痛みが出る。バレリーナやサッカー選手に多い。消炎鎮痛剤やステロイドで炎症や痛みを抑える対処療法もあるが、根本療法は手術であり三角骨を取り除くことである」

 手術は内視鏡を使用して行われる予定。同医師は「最近では5ミリ程度の切開2カ所で可能。術後1週間で杖歩行、2週間で水泳、バイクなどの運動も。平均50日程度で競技にも復帰可能な場合が多い。シーズン中は対処療法で治療し、シーズン終了に合わせて根本治療を予定していたのかもしれないですね」とみる。

 今オフにメジャーへ移籍が決まった場合も、年明けの自主トレや2月のキャンプには十分間に合う計算だ。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)欠場を決めた2月や、チームのBクラスが決まったシーズン中に手術することもできたはずだが、大谷本人と球団側はあえてその選択肢を採らなかった。

 理由は渡米直前のシーズンに、万全ではないながらも能力の高さをメジャーのスカウトにアピールし、確実にポスティングに入札させることに他ならなかった。

 ある大リーグ関係者は「日本ハム球団は、大谷の登板に関してこちらから問い合わせれば、正確にスケジュールや予定イニング数を教えてくれた。少しでも多くのスカウトに見せたかったのだろう」と明かす。

 今月末に期限の切れる現行のポスティングシステムは、大リーグ機構と日本野球機構の間で改定交渉中だが、大谷に関しては現行制度通り2000万ドル(約22億円)を上限とした譲渡金が支払われる見込みだ。

 2012年のドラフトから5年。日本ハムは当初高校卒業即メジャー挑戦を表明していた大谷を斬新な“二刀流”育成プランで口説き落とし、大きく育ててメジャーへ送り出す見返りに、譲渡金を得ることになる。

 日本ハムという球団は、これまでもチームの新陳代謝を冷徹に推し進めることで、独自のカラーを打ち出してきた。

 今季も開幕時点で年俸5000万円以上の選手は14人(総額22億1500万円)いたが、そのうち来季残留が確実なのは5人だけ=表。最大で15億円あまりのコストカットが見込まれる。

 チームの解体作業は、シーズン中から始まっていた。7月に今季年俸9000万円の助っ人左腕エスコバーを、横浜DeNAの中堅捕手・黒羽根(同2000万円)と交換。昨年の日本シリーズで胴上げ投手となった谷元を金銭トレードで中日に放出した。移籍期限終了後の8月末には、年俸1億9000万円の先発右腕・メンドーサをウエーバー公示して阪神に譲渡した。

 チーム最高年俸の中田はじめ増井、宮西、大野がFAで国内他球団への移籍を視野に入れる。中継ぎのマーティンも米球団移籍が濃厚。

 球団は基本的に“去る者は追わず”の姿勢で、大谷を含め昨年日本一に輝いたチームは完全に解体されることになりそうだ。

大谷が“シナリオ通り”手術決行 チーム完全解体&再建へ日本ハム版『マネーボール』舞台裏: 日本ハム 今季開幕時点の年俸上位者の動向 © zakzak 提供 日本ハム 今季開幕時点の年俸上位者の動向

 栗山英樹監督(56)は11日、東京・品川区の日本ハム本社で末沢オーナーにリーグ5位に終わったシーズンの報告を行い、来季続投を要請され受諾した。

 「一から作り直していかないと。今シーズン中に、来年に向けて気持ちが切り替わるタイミングがあった」と指揮官。今秋ドラフトでは、目玉の早実・清宮幸太郎内野手(3年)を1位指名する可能性もある。

 選手を安価で仕入れて育成し、他球団に高値で売ってチームの世代交代と強化費に変えていく『マネーボール』は大リーグ・アスレチックスの代名詞だが、日本ハムは独自の形で進化させた。昨年日本一に輝いたチームの原型はほぼなくなる見込みだが、“日本版マネーボール”が歩みを止めることはない。(金額は推定)

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