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関学大アメフット、主将QBの挑戦「ルールにのっとってプレーで圧倒するのがやり返すということ」

産経新聞 のロゴ 産経新聞 2018/05/17 10:42
【スポーツ記者リポート】関学大アメフット、主将QBの挑戦「ルールにのっとってプレーで圧倒するのがやり返すということ」: 関学大アメフット部主将のQB光藤航哉。約200人の部員の性格や特徴は「全て頭に入っています」 © 産経新聞 提供 関学大アメフット部主将のQB光藤航哉。約200人の部員の性格や特徴は「全て頭に入っています」

 アメリカンフットボールのチームで、攻撃の司令塔となるクオーターバック(QB)が主将に就くことは珍しい。オフェンスだけでなくチーム全体を引っ張るのは負担が大きく、分散させるケースが多いが、過去28度の学生日本一を誇る関学大アメフット部では今季、QB光藤(みつどう)航哉(こうや)(4年)が約200人の部員を束ねる主将の座に就いた。前例が少ないだけに立候補すべきか迷ったというが、コーチから「お前の頑張り次第」といわれて決意。部員同士での話し合いの結果、選ばれた。部の歴史で“主将QB”が誕生するのは68年ぶりという。

 光藤が目指すのは「全員が勝ちを喜べるチーム」。「1年生のとき、試合で勝ってもどこか蚊帳(かや)の外というかお客さんみたいな感じがした」という思いから、今年新たに「ファミリー制度」を設けた。学年もポジションも異なる4、5人でグループを作り、一緒に行動する。3月の合宿では寝食を共にした。夏にはメンバーを入れ替える予定で、「お互いを理解し合うことで、どうすれば自分がチームに貢献できるかを考える気持ちが強くなると思う」と導入の狙いを説明する。

 そんな中、6日の日大戦で後輩のQBが日大の守備選手に背後から不必要なタックルを受け、全治3週間のけがを負う事態が起きた。その瞬間をサイドラインで見ていた光藤は「おい、何してんねん」と心の中で憤ったが、すぐ冷静になった。

 試合中、相手の度重なる反則に怒るチームメートもいたが、「俺らはルールを守ってしっかり自分たちのオフェンスをやるぞ」と声をかけた。今回の問題は連日報道され事態は大きくなるばかりだが、「やられたらやり返す感情は大事。でも、ルールにのっとってプレーで圧倒するのがやり返すということ」と言い切る。

 同志社国際高(京都)アメフット部での活躍が目に留まり、2年生のとき関学大に勧誘された。母親は反対したが、「日本一のチームでやりたい」と進学を決めた。関学大では4年生が丸刈りにするのが慣例だが、光藤は昨夏、「4年生と同じ気持ちで練習するために」と3年生の中で真っ先に頭を丸めた。しかし、腰のけがで出遅れ、秋のリーグ戦は同学年のQB西野航輝に多くの出番を譲った。甲子園ボウルでは17-23で日大に敗れ、日本一の夢は今年に持ち越された。

 「誰が出てもチームが勝つのが一番だけど、自分が背中で引っ張れるようなQBになりたい」と光藤。競争の渦中にある正QBの座を争いつつ、主将としていかに「全員が勝ちを喜べる集団」にまとめ上げるのか。熱き背番号10の挑戦が始まっている。

(岡野祐己)

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