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「はやぶさ」の知見生かす “人工流れ星”プロジェクト顧問にJAXA川口淳一郎さん

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2018/07/18 17:42
「人工流れ星」プロジェクトで使う人工衛星のコンセプトモデルを初公開 © ITmedia NEWS 「人工流れ星」プロジェクトで使う人工衛星のコンセプトモデルを初公開

 宇宙ベンチャーのALE(東京都港区)は7月18日、2020年春に広島県で「人工流れ星」を流すプロジェクト「SHOOTING STAR challenge」で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)シニアフェローの川口淳一郎さんが顧問に就いたと発表した。小惑星探査機「はやぶさ」の開発に携わった川口さんの知見を、人工流れ星を流すための人工衛星の開発設計などに生かす。

 ALEは7月現在、2機の人工衛星を開発している。同社の岡島礼奈社長によると、はやぶさのリエントリー(宇宙空間から大気圏への突入)は人工流れ星のミッションに近い所があるという。「ミッションの成功確率を上げるために顧問に就任してもらった。2号機に搭載するスラスター(推進システム)を共同開発している」(岡島社長)

●初号機は2018年末に打ち上げ

 SHOOTING STAR challengeは、宇宙空間に打ち上げた人工衛星から1センチほどの粒(流れ星の“基”)を放出し、大気圏に突入させることで、地上から人工的な流れ星が見えるようにするプロジェクト。2020年春に、広島・瀬戸内地域で実施する予定だ。

 18年3月時点では、人工衛星の開発完了は19年春を見込んでいたが、スケジュールを変更。18年8月には初号機を完成させ、12月に打ち上げる予定という。2号機は19年初頭に完成させ、夏に打ち上げる。両機とも20年2月に通常運用を始め、準備が整った機体で人工流れ星を流すとしている。

 1つの機体に積載する人工流れ星の基はそれぞれ400粒。1回のイベントで15~20発を放出するので、1機あたり20~30回のイベントを行えるという。岡島社長は「まずは広島でイベントを実施するが、今後はグローバル展開も見据えており、既に問い合わせもいくつかもらっている」と話す。

●流れ星に色がつく? 流す場所の制御も

 天然の流れ星と違い、同社の人工流れ星は、星を降らせる場所を制御できるのが特徴だ。秒速7.5キロの超音速で発射される粒が断熱圧縮され、光を発する仕組みで、粒を放出する方向、位置、速度を調整すれば流れ星の場所を制御できる。

 粒の材料に応じて流れ星の色や明るさも変わるが、何色になるかは実際に発射してみるまで分からないという。チーフエンジニアの蒲池康さんは「明るいほど白く見える。明るさがマイナス1.0視等級以上なら、シリウス(マイナス1.46視等級)と同じく肉眼で見えるレベル」と話す。

視等級:天体の明るさを表す尺度の1つ。0視等級よりも明るい天体の場合はマイナス数値を用いる。

 発光後の粒は、高度約60キロで速度を失い、大気突入中に融点を超えて最後には気化する。固体のまま地上に落ちる心配はないとしている。

 18年末には3号機の開発に着手する予定。岡島社長は「使用後の衛星を大気突入させて“巨大人工流星”を降らせるといった新しい宇宙エンターテインメントも検討している」と語った。

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