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ソニーのデジタルペーパー用スマホ連携アプリが新モデル衝動買いを抑制

アスキー のロゴ アスキー 2018/09/12 12:00 T教授、撮影● T教授、編集●南田/ASCII編集部
3年以上前にアナログのリーガルパッドとボールペンから乗り換えたデジタルペーパーだったが、相変わらずスマホ連携が無くそろそろ原点回帰しようかと考えていた矢先、コンパクトなニューモデルとともにスマホ連携アプリがフリーダウンロードとなった © ASCII.JP 提供 3年以上前にアナログのリーガルパッドとボールペンから乗り換えたデジタルペーパーだったが、相変わらずスマホ連携が無くそろそろ原点回帰しようかと考えていた矢先、コンパクトなニューモデルとともにスマホ連携アプリがフリーダウンロードとなった

 筆者は3年半ほど前、10万円を超えるブラックフェイスで精悍なソニー初のデジタルペーパー「DPT-S1」を衝動買いした。そして約3年後、今度は発売当初の品薄状態が緩和した2017年秋に、真っ白にイメージチェンジした後継モデルである「DTP-RP1」を衝動買いした。

 ツルツル滑るガラスの表面にボールペンで描く一般的なスタイラスデバイスと異なり、摩擦係数の高い紙に鉛筆で描くような筆記感覚があるソニーのデジタルペーパーを気に入り、すでに3年以上使い続けてきた。

アナログの紙とペン以外もペンデバイスは昔から大好きだ。「Boogie Board」の大きなモデルは筆記データの保存機能が無い。12.9型の「iPad Pro」はガラスの上を滑り過ぎるペン感覚がイヤ。「Yoga Book」は本物の紙を使うナチュラルさだが、未来が混沌としている。以前はWindows搭載の「Surface」も使っていたが、OSが趣味じゃない。結局、ソニーのデジタルペーパーに落ち着いた © ASCII.JP 提供 アナログの紙とペン以外もペンデバイスは昔から大好きだ。「Boogie Board」の大きなモデルは筆記データの保存機能が無い。12.9型の「iPad Pro」はガラスの上を滑り過ぎるペン感覚がイヤ。「Yoga Book」は本物の紙を使うナチュラルさだが、未来が混沌としている。以前はWindows搭載の「Surface」も使っていたが、OSが趣味じゃない。結局、ソニーのデジタルペーパーに落ち着いた

 しかし、その間もずっと不満だったのは、安価な「Boogie Board」をはじめとする多くの手書きデバイスがスマホとのデータ連携を実現しているにも関わらず、デジタルペーパーだけは新旧のモデルに関係なく、同じWi-Fiネットワーク下のパソコンとのデータ連携しかできなかったことだ。

パソコンリンクアプリは、大きな画面で余裕をもって操作できるところがメリット © ASCII.JP 提供 パソコンリンクアプリは、大きな画面で余裕をもって操作できるところがメリット

 レガシーなイメージの強いパソコン連携機能だが、まったくメリットが無かったわけではない。大型ディスプレーを使えば、13型を超えるDPT-RP1の画面サイズをそのまま等倍でディスプレー上に再現できた。また、大きな画面でのマウスを使った操作性は、間違いなく狭く小さなスマホ画面上の操作性をはるかに上回っているはずだ。

パソコンリンクアプリなら、大画面ディスプレーを使えばデジタルペーパーの等倍サイズ表示もラクラクで、拡大縮小操作はほぼ不要 © ASCII.JP 提供 パソコンリンクアプリなら、大画面ディスプレーを使えばデジタルペーパーの等倍サイズ表示もラクラクで、拡大縮小操作はほぼ不要

 旧モデル(DPT-S1)は、Wi-Fi環境が無いアウトドアでメモしたものや、急に思いついた走り書きなどをどこからでもモバイルルーター経由でクラウドストレージ(Box)にアップロード可能だった。そのサポートが無くなった新モデル(DPT-RP1)は、モバイル環境にデジタルペーパーを持ち出した場合、自宅に帰ってWi-Fi接続するまではただの紙のメモ用紙に書いてるのと何ら変わりはなかった。

 そろそろ何かほかのデバイスに買い替えようと考えていた今年6月ごろ、世代的にはDPT-RP1と同じモデルで、少し小ぶりなA5版サイズの「DPT-CP1」が発売された。そして、そのA5モデルの発売と同時に、スマホとデータ連携できる「Digital Paper App for mobile」の無料ダウンロードが解禁となった。

 せっかちな筆者は、当初発表内容をよく読まずにスマホ連携アプリである「Digital Paper App for mobile」が使えるデバイスは、A5版サイズの「DPT-CP1」だけだと勘違いしていた。それゆえ、できる限り早くA5版サイズのDPT-CP1を速攻で衝動買いしようと企んでいたが、製品発表に気づくのが遅く、すでに最初のロットは売り切れだった。

 幸いにも時間に余裕ができたところで発表内容をゆっくりと読み返すことができ、Digital Paper App for mobileは筆者の所有しているDPT-RP1でも使えることを理解できた。何はともあれ、まずはDigital Paper App for mobileをダウンロードして、今まではパソコンしか友だちがいなかった大きなサイズのDPT-RP1を、筆者のメインスマホである「HUAWEI P20 Pro」といっしょに使ってみた。

 筆者の場合は、アプリを導入して起動した瞬間、デジタルペーパー本体のソフトウェアのバージョンが古いのでアップデートしろと言われてしまった。そして、なんとデジタルペーパーをパソコンにUSBケーブル接続してアップデートしろとの指示が。結局、デジタルペーパーはパソコンとは縁の切れない「パソコンありき」のデバイスであることを再認識させられた。

早速、無料のDigital Paper App for mobileをダウンロードして、「HUAWEI P20 Pro」に導入してみた © ASCII.JP 提供 早速、無料のDigital Paper App for mobileをダウンロードして、「HUAWEI P20 Pro」に導入してみた はやる気持ちに水を差すデジタルペーパー本体ソフトウェアのアップデート。アップデートにはUSBケーブルが必要……やはり、デジタルペーパーは開発の基本が昭和なパソコン世代なのだ © ASCII.JP 提供 はやる気持ちに水を差すデジタルペーパー本体ソフトウェアのアップデート。アップデートにはUSBケーブルが必要……やはり、デジタルペーパーは開発の基本が昭和なパソコン世代なのだ

もうアナログの「紙とペン」には戻れない

スマホ版デジタルペーパーアプリの利便性

 デジタルペーパー本体(DPT-RP1)のソフトウェアアップデートが効いたのか、Digital Paper App for mobileをダウンロード、導入した筆者のスマホとデジタルペーパーは、再起動後に特に大きな問題もなくWi-Fi接続できた。

 デジタルペーパーとスマホの接続は「ダイレクト接続」「Wi-Fiインフラ接続」の2つがサポートされている。前者は一般的に言われる「アドホックモード」に近い接続形態。後者はデジタルペーパーとスマホが同じWi-Fiネットワーク下に共存する際の接続形態で、一般的には「インフラストラクチャーモード」と呼ばれるものだ。

 前者はスマホとデジタルペーパーを自宅外に持ち出しての作業など、Wi-Fi環境があまり期待できないアウトドアでの使用方法。後者は自宅や職場など、確実にWi-Fi環境が確保されたインドアでの使用方法というのが筆者の理解だ。

 実際にいずれの方法でも、スマホとデジタルペーパーが無事接続されると、スマホ側の画面にデジタルペーパー内部のストレージに収納されているドキュメント(PDF)の一覧がリスト表示される。そして、リストの中から任意のドキュメントを選択して読み込むと、Wi-Fi経由でスマホ側に表示される。

アップデート終わってスマホ上でアプリを起動。2種類の接続方法をていねいに教えてくれる。ひとまず、パソコンリンクと同様のWi-Fiのインフラ接続を試みる © ASCII.JP 提供 アップデート終わってスマホ上でアプリを起動。2種類の接続方法をていねいに教えてくれる。ひとまず、パソコンリンクと同様のWi-Fiのインフラ接続を試みる 無事接続できると、スマホ画面にデジタルペーパー本体内部に収納されているPDFドキュメントファイルの一覧が表示される © ASCII.JP 提供 無事接続できると、スマホ画面にデジタルペーパー本体内部に収納されているPDFドキュメントファイルの一覧が表示される

 スマホのスクリーンに表示されたPDFドキュメントは、最初はスクリーンサイズに調整されているので、実際のデジタルペーパー側のドキュメントサイズを縮小したイメージで表示される。また、デジタルペーパー側で属性をカラー指定したペンで筆記した部分は、デジタルペーパー側ではモノクロ表示でも、スマホ側ではパソコンの時と同様、カラー表示となる。

任意のファイルを選んで読み込みを行うと、PDFファイルがスマホ側の画面に表示される。スマホは画面サイズに合わせてページ表示されるので、サムネイルのような感じだ © ASCII.JP 提供 任意のファイルを選んで読み込みを行うと、PDFファイルがスマホ側の画面に表示される。スマホは画面サイズに合わせてページ表示されるので、サムネイルのような感じだ カラーペンを選択して記述した部分は、デジタルペーパー側では同じ黒い線だが、カラー表示のできるスマホ側では本来の赤で表示されている。これはパソコン上でも同様だ © ASCII.JP 提供 カラーペンを選択して記述した部分は、デジタルペーパー側では同じ黒い線だが、カラー表示のできるスマホ側では本来の赤で表示されている。これはパソコン上でも同様だ

 実際に筆記部分のディテールを見たければ、スマホ画面をピンチアウトして拡大して見ることはできる。当然、ドキュメント全体の俯瞰はできなくなるのだが、スマホと連携して操作する場合には、このピンチアウト、ピンチインの繰り返しで見ることになる機会が多いだろう。

スマホは一様に画面がパソコンよりはるかに小さいので、デジタルペーパー側で見えているサイズにするには、画面をピンチアウトするしかない。圧倒的にモバイル性に優れるスマホだが、ユーザーインターフェース的には手が届かない部分もある © ASCII.JP 提供 スマホは一様に画面がパソコンよりはるかに小さいので、デジタルペーパー側で見えているサイズにするには、画面をピンチアウトするしかない。圧倒的にモバイル性に優れるスマホだが、ユーザーインターフェース的には手が届かない部分もある

 もちろん、Digital Paper App for mobileでは、デジタルペーパー側のPDFファイルをスマホに取り込むだけではなく、スマホ側のストレージにあるPDFファイルをデジタルペーパー側に送り込むこともできる。

 今回は、筆者のスマホ内のダウンロードフォルダーにあるPDFファイルをデジタルペーパーに送り込んでみた。デジタルペーパー側がサーバーのようなイメージなので、スマホからのアップロードだと考えても良いかもしれない。

逆に、スマホからデジタルペーパー側に任意のPDFファイルを送り、大きなデジタルペーパー上で編集校正を行うことも可能だ © ASCII.JP 提供 逆に、スマホからデジタルペーパー側に任意のPDFファイルを送り、大きなデジタルペーパー上で編集校正を行うことも可能だ 任意のPDFファイルを共有するアプリとして「DPA mobile」を選択する © ASCII.JP 提供 任意のPDFファイルを共有するアプリとして「DPA mobile」を選択する

 目的のPDFファイルを選び、そのファイルを共有管理する選択を行い、PDFファイルをアプリに送り出す。今回は受け側になるデジタルペーパー側の保管フォルダーは、パソコンとデジタルペーパーのファイル交換の時と同じ保存フォルダーである「Received」を使用する。実行をタップすれば、即座にファイルのWi-Fi無線転送が開始される。

デジタルペーパー側の保存フォルダーは、変更せずに便宜的にパソコンリンク時と同じく既存の「Received」にした © ASCII.JP 提供 デジタルペーパー側の保存フォルダーは、変更せずに便宜的にパソコンリンク時と同じく既存の「Received」にした 実行ボタンを押せば、即座にスマホからデジタルペーパー側への転送が開始される © ASCII.JP 提供 実行ボタンを押せば、即座にスマホからデジタルペーパー側への転送が開始される

 転送が終了したら、デジタルペーパー側のドキュメント一覧の最後尾を見てみよう。先ほど選択したPDFファイルがリストされているはずだ。当然ながら、実際の中身を見てみるとスマホ側のPDFファイルと同じものだ。実際の作業では、デジタルペーパー側に送ったPDFファイルを、デジタルペーパー側の大きな画面を使ってスタイラスペンで編集校正したりするのが一般的な用途だ。

デジタルペーパー側のドキュメント一覧リストを見れば、最後の行に先ほど転送実行したPDFファイルが見える © ASCII.JP 提供 デジタルペーパー側のドキュメント一覧リストを見れば、最後の行に先ほど転送実行したPDFファイルが見える

 Digital Paper App for mobileのおかげで、初代のDPT-S1がモバイルルーターとコンビを組んで実現していたクラウドサービスへのアップロードやダウンロード、そしてプリンターへの印刷出力も、まったく問題なくスマホでできるようになった。

モノクロとカラーの差、解像度による視界の差はあるが、スマホ側にあったPDFファイルは一瞬でデジタルペーパー側に転送されている。大きなデジタルペーパー上での編集校正作業は極めてやりやすい © ASCII.JP 提供 モノクロとカラーの差、解像度による視界の差はあるが、スマホ側にあったPDFファイルは一瞬でデジタルペーパー側に転送されている。大きなデジタルペーパー上での編集校正作業は極めてやりやすい

 同じような作業も、自宅やオフィスのような信頼できるWi-Fi環境が無いアウトドア環境なら、デジタルペーパーをインターネットゲートウェイが無い「Wi-Fiアクセスポイント」として起動し、スマホからアクセスするクライアントデバイスにして、ファイルのやり取りが可能だ。

 ただし、デジタルペーパーがWi-Fiアクセスポイントとして稼働中のバッテリー消費は多少多いので、そのことは意識しておいたほうが良いかもしれない。

安全なWi-Fiネットワーク環境が無い屋外では、デジタルペーパー側をWi-Fiアクセスポイントとして起動、スマホ・クライアントがアクセスする形態をとる © ASCII.JP 提供 安全なWi-Fiネットワーク環境が無い屋外では、デジタルペーパー側をWi-Fiアクセスポイントとして起動、スマホ・クライアントがアクセスする形態をとる 基本的にWi-Fiアクセスポイントのバッテリー消費はふだんより多くなるので、さまざまな省エネ機能がある © ASCII.JP 提供 基本的にWi-Fiアクセスポイントのバッテリー消費はふだんより多くなるので、さまざまな省エネ機能がある

 筆者個人は、すでにパーソナルなデジタル時代に入って40年近くの年月が経ったという印象をもつが、まだまだ紙とペンの「アナログ筆記具の気持ちよさ」を忘れられない世代でもある。クリップボードと黄色いリーガルパッド、筆記ペンはBIC社のボールドボールポイントペンという時代が長かったが(今も少し)、ソニーのデジタルペーパーの登場で、デジタル体制は一気に前のめりに進行した。

デジタルペーパーとスマホ連携のDigital Paper App for mobileの登場がなければ、またしてもフルアナログの心地よい「紙とペン」の世界に戻るところだった © ASCII.JP 提供 デジタルペーパーとスマホ連携のDigital Paper App for mobileの登場がなければ、またしてもフルアナログの心地よい「紙とペン」の世界に戻るところだった

 A5版サイズのDPT-CP1とスマホ連携アプリのDigital Paper App for mobileが発売される直前には、行き場のないDPT-RP1を抱え、また元の「紙とペン」に戻ろうと考えた時期もあったが、今は、もう一世代はデジタルペーパーに付き合ってみる覚悟が固まってきた。しかし、今のところ、新しいコンパクトなA5版のDPT-CP1の衝動買いに至るほどの刺激は受けていない。

アナログ病でもデジタル病でもある筆者は、やはりキーボードからも離れられない身。昨今は超軽量Bluetoothキーボードとの3点セットで持ち歩いている © ASCII.JP 提供 アナログ病でもデジタル病でもある筆者は、やはりキーボードからも離れられない身。昨今は超軽量Bluetoothキーボードとの3点セットで持ち歩いている

© ASCII.JP 提供

今回の衝動買い

アイテム:「Digital Paper App for mobile」

価格:無料(ソニーのWebサイトからダウンロード)

※ソニーのデジタルペーパーデバイスが必要

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 T教授も関わるで文具活用による「他力創発」を実験中。

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