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世界中どこでも1台で大体OK! クラウドSIMを使う「セカイルーター」とは?

ITmedia Mobile のロゴ ITmedia Mobile 2017/06/19
世界中どこでも1台で大体OK! クラウドSIMを使う「セカイルーター」とは?: GlocalMe(香港)のセカイルーター「GlocalMe G2」 © ITmedia Mobile 提供 GlocalMe(香港)のセカイルーター「GlocalMe G2」

 最近、「1台で全世界で使える!」「100か国以上の国をカバー!」といったうたい文句のモバイルWi-Fi(無線LAN)ルーターが増えています。

 このようなルーターは「セカイルーター」ともいえるもので、SIMカードを別途用意しなくても世界中で通信できることが共通点です。一体、どのような仕組みで「SIM抜き」を実現しているのでしょうか? そして、そのメリット・デメリットは……?

●SIM抜きは「クラウドSIM」で実現

 セカイルーターがSIM抜きで通信できるのは、「クラウドSIM」という仕組みを採用しているからです。

 その名の通り、クラウドSIMは「サーバ上にあるSIMカード」です。電源を入れると、セカイルーターは渡航・滞在先に合わせて最適なキャリア(オペレーター)を探して、そのキャリアのSIMカード情報をモバイル回線経由でダウンロードします。その後、クラウドSIMのデータを使って、モバイル通信を開始します。

 この仕組み自体は、組み込み機器用の「eSIM(Embedded SIM)」と似ていますが、eSIMとは異なり物理的なSIMカードを内蔵していません。あくまで“仮想”のSIMカードということがポイントです。

●セカイルーターのメリット

 セカイルーターの大きなメリットとして、ユーザーが物理的なSIMカードを意識せずに、世界各地のデータ通信が比較的安価に使えることが挙げられます。

 海外でモバイル通信をする場合、現地のプリペイドSIMカードを購入して使うのが基本的に一番安上がりでした。しかし、セカイルーターの料金設定はプリペイドSIMカードのそれと近くなっています。場合によってはそれよりも安価な場合もあります。

 例えば、韓国の短期旅行者向けのプリペイドSIMカードは、販売価格が日本円で3000円程度からです。それに対してグローカルネットの「GLOCAL NET」の料金体系では1日あたり800〜1600円(非課税)で使えます。短期間の海外旅行・出張であれば、セカイルーターの方が料金面で特に有利になることは多いです。

 また、複数の国や都市をまたいで移動する時にも便利です。飛行機を空港内で乗り継ぐ場合は公衆Wi-Fiでも大きな支障はありませんが、空港を出て電車やバスなどで別の空港で乗り継ぐ場合、移動中の通信手段としてプリペイドSIMカードを……と思っても、時間やお金が惜しいものです。

 このような場合でも、セカイルーターなら電源を入れてから短時間で利用開始できる上、複数国・地域にまたがって使ってもサービスに定める時間単位内であれば追加料金はかからず無駄なく使えます。大手キャリアが提供する国際データローミングサービスにある意味で近い特徴を持ちつつも、おおむね安価に使えるということも魅力なのです。

 「世界各地を1台でカバー」という売り文句にもある通り、複数の国・地域をまたいで渡航する場合でも、その国・地域の数だけスマートフォンやルーターを用意する必要がないことも魅力です。

 筆者は以前、複数の国を周遊して移動する際にモバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスを利用しましたが、国ごとに4台のルーターを借りることになってしまいました。ルーターが4台ともなると、さすがにかさばってしまいます。その点、セカイルーターなら1台だけでOK。荷物を減らす意味でも便利といえます。

●セカイルーターのデメリット

 世の中に完璧なものはありません。当然、セカイルーターにもいくつかのデメリットがあります。

 まず、利用時間の設定単位が特定の標準時を基準としている場合、渡航先や利用開始タイミングによってはむしろ割高になる可能性があります。

 ただし、後述する「Skyroam Hotspot」のように「1日パスを購入してから24時間」といった時間設定を採用している場合は、このような無駄がほとんどありません。

 また、バーチャルSIMは“現地”のキャリアのSIMとして振る舞うことが基本なので、滞在している国・地域によっては政府や規制当局の方針で特定のWebサイトやサービスにアクセスできない可能性があることにも注意が必要です。

 このような「制限」を回避するには、「規制のない国・地域のSIMカードを用意してセカイルーターに挿しておく」「VPNサーバを経由して通信する」といった対策が必要です。セカイルーターを使う場合、念のために渡航先の通信制限状況を調べておくことをお勧めします。

●主なセカイルーターたち

 最後に、主なセカイルーターをご紹介します。

Skyroam Hotspot

 「Skyroam Hotspot」は、筆者が初めてに手にしたセカイルーターです。日本では公式サイトのWeb通販を使って買うことができます。筆者は香港を訪問している際に店頭で発見して買いました。

 Skyroam Hotspotの対応エリアは全世界で100カ国以上あります。利用料金は先述の通り24時間で8ドルまたは9.95ドルです。高速データ通信量は24時間ごとに500MBまでです。

 個人的には特徴的な本体カラーと、小型でかわいらしい本体がとてもお気に入りなのですが、LTEに対応していないことが残念です。もしも、より高速・安定した通信を求める場合は、後述のGlocalMe G2(GLOCAL NET)のようにLTE対応のセカイルーターを使うことをお勧めします。

GlocalMe G2(GLOCAL NET)

 「Glocal Me G2」は、LTEをサポートしているだけでなく、デュアルSIMに対応し、タッチディスプレイで操作が行えるなど、現時点のセカイルーターとしては「全部入り」と言えるスペックとなっています。

 日本では、GlocalMeを運営するuCloudLinkがAmazon.co.jpで販売しているほか、同社から販売権を取得したグローカルネットがこの機種を「GLOCAL NET」として販売しています。

 GlocalMeは、渡航先にあわせてデータパッケージを購入できます。例えば、全世界(=GlocalMeの全対応国)で使える1GBパッケージが29.9ユーロ(日本円で約3720円、非課税、有効期限1年間)、日本・韓国で使える1GBパッケージが15ユーロ(日本円で約1860円、非課税、有効期限1年間)など、多種多様に用意されています。パッケージの内容や滞在先がうまくマッチすると、現地でプリペイドSIMカードを購入して使うよりも通信費を抑えられます。

 ただし、GlocalMeには「パッケージを切り替える」という概念がないため、パッケージを切り替えたい場合は、容量を使い切るか無効化しないといけません。容量・期間の途中放棄を強いられる点は改善を願いたいところです。

 一方、GLOCAL NETはの料金体系は先述の通りGlocalMeとは異なっており、日本円建てとなっています。日本国内で利用するための料金オプションも用意されているので、「普段から日本でも使いたい」という人にもお勧めです。

SmartGo Pokefi

 「SmartGo Pokefi」は、ハードウェア的に大きな特徴はありません。しかし、購入時の初期パッケージが「全世界対応」「データ通信容量5GB」で、なおかつ「容量制限なし」となっていることが大きな魅力です。「仕事の都合で世界各地に渡航する機会があり、各地でSIMカードを購入したりレンタルルーターを用意するのが面倒」という方には非常に心強い味方となりそうです。

 なお、SmartGo Pokefiは日本国内向けには販売されていません。公式Webサイトや香港の家電量販店で購入できますが、日本国内で通信する際に必要な各種認証は取得していないようです。国内利用時には注意が必要です。

GWiFi G3000

 「GWiFi G3000」は、BroadLineが7月21日に国内販売を開始する予定のセカイルーターです。この記事の執筆時点では、日本国内で手に入る最新のセカイルーターということになります。

 G3000で一番インパクトのあるポイントは、日本国内用の100GBデータプランを3980円(税込、有効期限30日)で購入できるところです。国内での通信回線にMVNO回線を利用している可能性もありますが、それでも「100GBが3980円」のインパクトは強烈です。筆者は発売後、実際に100GBパッケージを購入して試してみたいと思います。

 なお、G3000の基本料金は無料で、必要に応じてプリペイドパックを買う仕組みとなっています。海外利用時用のパッケージは、300MBプランが580〜980円、500MBプランが680〜1280円(いずれも税込で、国・地域によって異なる)となっています。

 海外でプリペイドSIMカードを買おうとすると、到着が深夜になると買えなかったり、そもそも品切れだったり、国・地域によってはパスポートの提示が必要だったりと、面倒なことがいろいろ起こり得ます。

 しかし、セカイルーターを1台持っておけば、そこそこ安い値段で現地でのデータ通信回線を確保できます。海外旅行時の非常に心強い相棒となるのです。

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