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IoTやサービスがたくさん詰まったCEATEC JAPAN 2018の楽しみ方

アスキー のロゴ アスキー 2018/10/18 09:00 正田拓也 編集●ASCII編集部
© Kadokawa Corporation 提供

 CEATEC JAPAN 2018が10月19日まで開催中だ。以前は薄型テレビ発表の場として盛り上がった時期もあるが、脱・家電見本市を掲げた2016年から大きく変化、2017年からはIoTと共創をテーマとする総合展示会というコンセプトを掲げ、今回はその2回目となる。そんなCEATECの見ておくべきブースや注目点などをまとめた。

シャープは8K液晶テレビ「AQUOS 8K」を展示 © Kadokawa Corporation 提供 シャープは8K液晶テレビ「AQUOS 8K」を展示

インターネットを介した

モノやサービスが並ぶ展示会

 今のCEATECでは実際に何を展示しているかといえば、IoTというべきインターネットを介したモノやサービスがたくさん並んでいる。そして、それらは「共創」というテーマのとおり、さまざまな会社を横断したプロジェクトとなっていることも多い。

 今年のサービスの展示で象徴的なものといえば、メガバンクであるMUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)はブロックチェーン技術を用いたデジタル通貨「MUFGコイン」とそれを使ったサービスの展示だ。そして、ローソンはRFIDを使ってレジで立ち止まらずにショッピングバッグに入れた商品のスキャンと決済を体験できるようにするなど、未来の店舗システムを展示している。

 その一方で、シャープのように8Kテレビの新製品を前面に掲げたブース展示もある。とはいえ自社の家電製品をネットワークで接続して協調動作をする「COCORO+」などをアピールしい、今すぐ買えて便利に使えるIoT製品を紹介するというCEATECらしい一面もある。

 また、モビリティ分野ではトヨタがSDL(スマートデバイスリンク)を紹介、運転中のクルマから安全にスマートフォンアプリを操作するサービスを展示している。

 展示はいくつかのエリアに分かれているが、トータルソリューションのエリアは完成品に近く、電子部品/デバイス&装置のエリアが部品に近い。会場を隅々まで見る余裕がなければ、見る人の興味に合わせてまずどのエリアから攻めていくのかを決めてから行くとよいだろう。

CEATEC JAPAN 2018会場 © Kadokawa Corporation 提供 CEATEC JAPAN 2018会場 新4K、8K衛星放送をアピールするブースもある © Kadokawa Corporation 提供 新4K、8K衛星放送をアピールするブースもある ブロックチェーン技術を用いたデジタル通貨「MUFGコイン」 © Kadokawa Corporation 提供 ブロックチェーン技術を用いたデジタル通貨「MUFGコイン」 シャープは8K液晶テレビ「AQUOS 8K」を展示 © Kadokawa Corporation 提供 シャープは8K液晶テレビ「AQUOS 8K」を展示 アクセルラボはスマートハウス機器を展示 © Kadokawa Corporation 提供 アクセルラボはスマートハウス機器を展示 クラウドファンディングで安価に提供予定 © Kadokawa Corporation 提供 クラウドファンディングで安価に提供予定 トヨタはSDL(スマートデバイスリンク)を紹介 © Kadokawa Corporation 提供 トヨタはSDL(スマートデバイスリンク)を紹介 限定な操作だけだがクルマに乗り込んでSDLを試すことができる © Kadokawa Corporation 提供 限定な操作だけだがクルマに乗り込んでSDLを試すことができる

シャープで家電連携サービスを体験する

 見ておくべき展示はいくつかあるが、コンシューマー向けの製品が並び、IoTやスマートハウスを体験しやすいのが前述のシャープ。注目は「COCORO+」というIoT対応家電のサービスブランドを掲げ、エアコンや調理器具をはじめとしてさまざまな機器がネットに繋がるようにしており、その連携を展示している。

 分かりやすい展示では、オーブンで魚を焼くときに、空気清浄機が自動で動作して焼き魚の匂いを消すような動作ができること。これはシャープの対応オーブンレンジ、対応空気清浄機があり、設定すればすぐに使いはじめることができる。

 また、エアコンは外出先からの操作といった部分が注目されがちだが、インターネットを介して気象情報を参考にした動作をさせたり、スマートフォンアプリのインターフェースで、付属リモコンよりももっときめ細やかな操作をしたり、といったことも可能になる。

 これらはシャープの対応製品を持っていればよく、もし、最近のシャープ製電子レンジや空気清浄機を購入していれば、設定だけで連携させられるような製品が手元にあるかもしれない。将来のことではなく、身近なスマートハウス化を実感できるのもシャープのブースとなる。

「COCORO+」で家電同士の連携を図るシャープ © Kadokawa Corporation 提供 「COCORO+」で家電同士の連携を図るシャープ

ローソンではウォークスルー会計を体験

 ローソンのブースではコンビニを模した店舗を用意。実際の商品が用意され、RFIDによるウォークスルー会計を体験することできる。

 実際に購入するにはスマートフォンアプリの設定が必要になるが、買う商品を手にとり、袋ごとリーダーを通せば会計が終わる。商品にはRFIDが付けられており、一瞬でスキャンが完了する。ブースでは実際に買い物しなくても会計の体験だけすることできるようになっている。

 体験希望者でブースは混雑していたが、逆にウォークスルー会計がどれだけ時間短縮になっているかを実感できることになっている。

ローソンではウォークスルー会計を体験できる。手に袋を持ったまま通す © Kadokawa Corporation 提供 ローソンではウォークスルー会計を体験できる。手に袋を持ったまま通す

深層学習技術をはじめ

テクノロジーが詰まったお片付けロボット

 Preferred Networksが展示する「全自動お片付けロボットシステム」は、一見すればモノを持ち上げて所定の場所に置いているだけのようだが、散らかった部屋を片付けることと、さまざまな形のモノを確実に持ち上げるためにはさまざまなテクノロジーが必要で、知れば知るほどテクノロジーが詰まっていることがわかる。

 デモでは、乱雑に置かれたものをロボットが取り上げ、仕分けして片付ける。そのなかには物をつかむ、物を置く、動作計画を立てるなど、ロボットが人間の生活空間で仕事をするために必要な物体認識・ロボット制御・音声言語理解技術があり、深層学習を用いてロボットが高速・高精度に動作できるようになったとしている。

© Kadokawa Corporation 提供 Preferred Networksの「全自動お片付けロボットシステム」 © Kadokawa Corporation 提供 Preferred Networksの「全自動お片付けロボットシステム」

5GやVRを体験するなら

KDDIやNTTグループ、コマツ

 KDDIは5GとVRを前面に押し出して、VRなどを体感できるブースとなっている。さまざまな体験ができるが、シューティングガンや野球のバッティングなどができ。5Gの特徴である低遅延を実感できるデモを行なっている。

 また、NTTグループとコマツは、建設機械の遠隔操作を5Gで行なうデモを実施。近くの研修所にある模擬現場を通信回線で結び、実際のショベルカーの作業を遠隔で行なえることを実演した。

 ショベルカーのコクピットと操作レバーと複数のディスプレーが用意されるもので、遠く離れた現場の操作ができることで、建機オペレーターが2つの機器を交互に扱うなど、さまざまな応用の可能性を示している。

コマツのブースには大型建機がある © Kadokawa Corporation 提供 コマツのブースには大型建機がある KDDIは5GとVRをメインに展示 © Kadokawa Corporation 提供 KDDIは5GとVRをメインに展示 NTTグループでは5Gでコマツの建機を遠隔操作 © Kadokawa Corporation 提供 NTTグループでは5Gでコマツの建機を遠隔操作 コマツブースにも建機の遠隔操作はある © Kadokawa Corporation 提供 コマツブースにも建機の遠隔操作はある

IoT機器の広がるに期待できるTuya Smart

 ソフトバンク コマース&サービスがパートナーとなって国内展開するTuya GlobalのブースではTuya Smartの紹介をしている。製品としては+Styleからロボット掃除機など3製品が24日発売となるが、展示の狙いは個々のエンドユーザー向けの製品ではなく、Tuya Smartのモジュールを組み込むことでさまざまな家電がスマート家電に変化することの紹介となっている。

Tuya GlobalのブースにはTuya Smartを搭載した+Styleの3製品が展示 © Kadokawa Corporation 提供 Tuya GlobalのブースにはTuya Smartを搭載した+Styleの3製品が展示 参考出品のIoT機器。Tuya Smartを搭載すればすぐにIoT機器開発の手間が大幅に省ける © Kadokawa Corporation 提供 参考出品のIoT機器。Tuya Smartを搭載すればすぐにIoT機器開発の手間が大幅に省ける

 ブースに並べられた製品は、+Styleから登場予定の製品のほか、海外で展開されるスマートプラグをはじめ、スマート電球や壁面に埋め込むスマートスイッチなど豊富。モジュール搭載製品はTuyaのアプリであるTuya SmartやSmart Lifeで使えるようにすることや、独自アプリを用いるようにカスタマイズできる。Tuya Smartを使うことでメーカーはスマート家電を作るためのソフトウェア技術やノウハウを持つことなくスマート家電を出すことが可能になる。

Tuya Smartのモジュールの一例 © Kadokawa Corporation 提供 Tuya Smartのモジュールの一例

 Tuya Smartのモジュールが組み込まれたものは製品は海外で多数あり、国内でも通販サイトでTuya Smartの入った海外向けスマートプラグがたくさん売られているという現状がある。ソフトバンク コマース&サービスが展開することで、今後は国内正規品として国内向けのさまざまなスマート家電が登場する可能性がありそうだ。

スマート宅配ポストなど建材の観点から

IoTを推進するリクシル

 ソフトウェアやセンサー類がいくら進化しても、実際にモノを動かさないとスマートハウスは実現しない。水回りからサッシ、外壁などさまざまな建材の統一ブランド、リクシルはスマート宅配ポストなどスマートハウス実現のための製品を展示した。

 スマート宅配ポストは10月1日発売。鍵を遠隔制御することで、1つの収納スペースに複数配達分の荷物を入れることができるなどのメリットがある。また、リクシルは玄関ドアの鍵や電動シャッターなどいったリクシル製品との連携をはじめ、エアコン、給湯器、スマートスピーカーなどを連携する展示も行なっている。

 スマートハウスを実現するには、エアコンや照明のオン・オフだけでなく、信頼性の高い玄関のスマートロックやシャッターの遠隔操作など、建材メーカーでないとできないところもある。もう一弾進んだスマートハウスに興味があるなら、IoTに積極的な建材メーカーにも注目すべきだ。

リクシルのスマート宅配ポスト © Kadokawa Corporation 提供 リクシルのスマート宅配ポスト リクシルでは、玄関の鍵あけをトリガーとしてシャッターやエアコンなどの操作を自動化するなどのデモを行なった © Kadokawa Corporation 提供 リクシルでは、玄関の鍵あけをトリガーとしてシャッターやエアコンなどの操作を自動化するなどのデモを行なった

部品やデバイスメーカーの展示にも注目

 CEATECといえば電子部品やデバイスの展示が多く、設計技術者のための展示会という一面もある。部品メーカーの展示も変化しているもののパーツなどの展示は豊富だ。

 TDK、タイコエレクトロニクスジャパン、太陽誘電、ローム、アルプス電気、村田製作所など電子部品やデバイスメーカーが並んでいるほか、パナソニックや京セラは最終製品はなく、デバイスの展示に終始している。

 一般の人でこの分野の展示に興味を持つ人は少ないかもしれないが、展示されている部品のトレンドから最終製品のトレンドや次の流行まで想像するのも面白いだろう。なお、今回はワイヤレス、車載、パワーデバイスといった最近注目されているものをはじめ、増えてきたものとしてはセンサー類がある。センサーといってもさまざまなものがあるが、画像認識技術を含む広い意味でのセンサー類が多く見られた。

ロームのブース © Kadokawa Corporation 提供 ロームのブース 半導体の展示。これは車載用のDC/DCコンバーター © Kadokawa Corporation 提供 半導体の展示。これは車載用のDC/DCコンバーター ロームが展開する車載用デバイス © Kadokawa Corporation 提供 ロームが展開する車載用デバイス 村田製作所のワイヤレスモジュール © Kadokawa Corporation 提供 村田製作所のワイヤレスモジュール パナソニックはセンサー類を展示し、コンシューマー製品は一切なし © Kadokawa Corporation 提供 パナソニックはセンサー類を展示し、コンシューマー製品は一切なし 部品ベンダーも多数出展している © Kadokawa Corporation 提供 部品ベンダーも多数出展している

CEATECの楽しみ方

説明員と積極的にコミュニケーションを取るべし!

 数年前までの認識でコンシューマー製品を目当てにいくと、従来のような製品は少ないと感じるかもしれないCEATEC。以前と比べて土曜日の開催がなくなったこともあり、新4K、8K衛星放送をアピールするブースはあるが、コンシューマー製品の展示に期待するものではなくなっている。

 そして、モノからソフトウエアやサービスにシフトしていることも感じられる。サービスの展示は説明がないとわかりにくく、足早に見てしまうと展示内容を理解せずに通り過ぎてしまうこともあるかもしれない。

 そのため、時間をかけてブースの内容を知り、できれば説明員とコミュニケーションを取ることが望ましい。一見、なんのためにも出展したのかわかりにくいブースでも、説明員と話をすることで、展示の目的や狙いなどを発見することもある。ぜひ、CEATECをを楽しんでほしい。

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