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マフィア根絶への試み、一族の子に別の人生を イタリア

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イタリア南部レッジョ・カラブリアのプラティ(自治体、2015年5月26日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News © AFPBB News 提供 イタリア南部レッジョ・カラブリアのプラティ(自治体、2015年5月26日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

【AFP=時事】世界で最も秘密に閉ざされている組織の一つ、イタリアの悪名高きマフィア「ヌドランゲタ(Ndrangheta)」は、血縁とファミリーの忠誠によって権力が受け継がれてきた。しかし、祖父や父、おじたちと同じ道をたどり刑務所暮らしをさせぬよう、同国南部の裁判官らが、マフィア一族の子どもたちを保護下に置くプロジェクトを推し進めている。

 当初、このプロジェクトは論争を巻き起こし、特に教会は子どもらを家庭から引き離すことに反対した。だが犯罪が横行するカラブリア(Calabria)地方でプログラムが始まって4年、政府は子どもたちを引き取るだけでなく、全国の他のマフィア拠点でこの計画を適用する合意書に署名した。

「リベリ・ディ・シェリエレ(選択の自由)」と呼ばれるこのプログラムでは、これまでに40人が全国の里親家族の元や所在が伏せられた地域へと送られている。10代の少年らに、家族を裏切っていると感じさせることなく、闇世界の外の世界で人生を築かせることが狙いだ。

 心理学者のエンリコ・インテルドナート(Enrico Interdonato)氏(33)は、このプロジェクトにボランティアで参加する一人だ。

 インテルドナート氏は「彼らは、自分たちの町の犯罪史を体現する一族を継ぐ定めの王子として育てられている」とAFPの取材に語った。「彼らの父親はほぼ全員が刑務所暮らしをしている、もしくは死亡しており、いとこや兄弟も刑務所に入っているケースが多い。小さなカラブリアの町の閉ざされた社会の中では、だれもが彼らを知っており、彼らは一族の名を背負って生きるのが義務だと思っている」

 このプロジェクトでは、「リスクにさらされている」未成年者らが、南部の都市レッジョ・カラブリア(Reggio Calabria)の少年裁判所によって家族から引き離され、学業を終える機会を与えられる。希望者は18歳になると職探しの援助を受けられる。

■一族がしてきたことを知る機会

 インテルドナート氏は、「マフィア一族の跡継ぎであることは、義務を意味すると同時に、多大な経済的・社会的権力にアクセスできるという特権をも意味する」と語る。

 マフィアの少年らはブランドの服を着て、地元では恐れられたり尊敬を受けたりする。だが「体と脳がまだ発達段階にあるという面では彼らも他のティーンエイジャーと同じだ」と、インテルドナート氏は指摘する。

 個々のケースで違いはあるが、親族が殺されたり夜間の一斉検挙で警察に身柄を拘束されたりするのを見ると、彼らはまず「感情的に硬直」し、心に傷を負う。

 インテルドナート氏はいったん子どもたちとの関係が築かれると、彼らをアディオピッゾ(Addiopizzo)協会が組織する会合に連れて行く。同組織はマフィアの恐喝を糾弾する、犠牲者らによる草の根運動だ。

「警察がマフィアに潜入するように、われわれは反マフィアに潜入する」と、インテルドナート氏は冗談交じりに語った。子どもたちには、伝統的にマフィアの「敵」と見なされている人々の顔を実際に見て、マフィアがその人たちに何をしてきたかを知る機会が与えられるという。

 インテルドナート氏は、「血縁を切らせたり、子どもたちに父親を憎ませたりしたい者は誰もいない。だから私たちは『父親を愛さなければならないが、自分の未来は自分で選ばなければならない』と彼らには話している」と説明した。

【翻訳編集】AFPBB News

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