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韓国と日本 「外交的非礼」なのはどちらの国か

NEWSポストセブン のロゴ NEWSポストセブン 2019/07/20 07:00
7月15日の文在寅大統領による「日本批判」を報じる韓国各紙(時事通信フォト) © SHOGAKUKAN Inc. 提供 7月15日の文在寅大統領による「日本批判」を報じる韓国各紙(時事通信フォト)

「韓国政府への重大な挑戦だ」──文在寅大統領は、日本政府による韓国への輸出優遇策撤廃を受けて強い言葉でそう批判した。韓国国内では、日本側の対応を「外交的非礼」と指摘する声もあるという。どういうことか。ソウル在住ジャーナリストの藤原修平氏が報告する。

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 日本政府による半導体材料の対韓国輸出優遇策撤廃(事実上の輸出規制強化)が7月4日に実施されたことを受け、公共放送の韓国KBSは、7月6日の夜に討論番組を放送した。その中に世宗大学教授の保坂祐二氏の姿があった。

 保坂氏といえば、竹島を韓国領だと主張し続け、慰安婦問題でも「日本の非」を唱えることで韓国では広く知られた人物だ。2003年に韓国に帰化している。

 その保坂氏は開口一番、今回の一件で日本政府は韓国政府に対して「外交的非礼を働いた」と主張した。両国間の貿易と経済交流を縮小させる経済制裁という重要事項を、実施のわずか4日前に発表するのはありえないほどの「失礼」に当たるというのだ。

 今回の措置について、日本政府は、安全保障を目的に輸出管理を適切に実施する上で必要な日本国内での「運用の見直し」だと説明している。だが韓国では政府も社会も、「日本政府が企んだ経済制裁」の一点張りだ。韓国は日本を“自由貿易を阻む悪者”に仕立て上げ、WTO(世界貿易機関)への提訴で勝利し、日本にお灸を据えて韓国の言い分や立場をそのまま日本に押し付けたいのだ。

 保坂氏の言葉もそうした韓国社会の風潮が背景にある。だがそれでも、“外交的非礼”をここで持ち出すとは想像していなかった。

 これまで韓国政府は“外交的非礼”を日本政府に対して延々と繰り返してきたことは周知のとおりだ。最近の例で言えば、徴用工訴訟での韓国大法院判決に対し、政府としては何もしないまま、日本企業に賠償を負わせようとする方針がそれだ。こうした賠償問題に関しては、1965年の日韓国交正常化のときに結ばれた請求権協定により、「完全かつ最終的に解決」されている。55年近くも前に法的に決着がついていることを、今更ながらひっくり返している。

 2015年末に結ばれた慰安婦合意を受けて立ち上げられた「和解・癒し財団」も、“外交的非礼”に見舞われた。日本政府との合意もなく、韓国政府の意思により、この7月5日に一方的に解散されたばかりでもある。

 今年5月、「歴史や慰安婦問題に対する反省がない」と安倍晋三首相を名指した韓国国会決議に、菅義偉官房長官が「友好国の首相を名指しする形の決議は非礼」と断じたのも記憶に新しい。

 文在寅政権の発足以降、日本政府に対する韓国政府の“外交的非礼”は目に余るほど頻繁ではないか。だが、それは今に始まったことではない。1995年には韓国政府との事前のすり合わせを経てアジア女性基金が設立され、内閣総理大臣の手紙と償い金が元慰安婦に送られた。韓国政府は当初はこれに「協力する」と評価していたが、慰安婦支援団体や韓国メディアからの反対があり、後にそれを覆す事態となった。

 日本に対してだけではない。韓国の外交的非礼といえば、「台湾との断交」を忘れるわけにはいかないだろう。韓国と台湾の国交が途絶えたのは、1992年8月のことだった。そのことを「外交的に非礼を極めている」と回想する人物A氏に、かつて台北で話を聞いたことがある。A氏には、政府の関係機関でそれなりの職位であったこと以外は身分を一切明かさないという条件で、インタビューに応じてもらった。

 A氏によると、そもそもかつての台韓関係は蜜月状態だった。両国はアメリカの同盟国のなかで共産主義国家に対峙する最前線であり、朝鮮戦争でも台湾は相応の犠牲を払ったこともあり、「両国は血で結ばれた兄弟のような存在だった」という。

 それが暗転したのは、韓国の一方的な断交による。通常、断交の通知は非公式には半年以上前に送られてくるもので、それが外交的な礼儀というものだと前置きしたうえで、「韓国だけは全く違った」と断言する。

「韓国が大陸の中国と国交を結ぶかもしれないという報告を受けた台湾政府は、韓国政府に対して何度も確認をしましたが、韓国政府はその都度、断交を否定していました。そして突然、断交すると非公式に言い出すと、そのわずか5日後の23日には公式的に断交を通知してきたのです。それだけではない。韓国政府が私たちに命じたのは、台湾大使館員の24時間以内での国外退去と、72時間以内での物品・設備の撤収でした。断交通知の翌日、韓国は中国と国交を結んで、かつての台湾大使館を中国大使館にしてしまいます。こんなやり方をしたのは韓国だけです」(A氏)

 断交すらも直前までひた隠しにしていた過去のある韓国。これから日本に対してどんな“非礼”があったとしても、驚いてはいけない。

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