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【ロシアW杯】リオ五輪世代の挑戦(上) 得点力不足の弱点を覆す 日本代表に必要なピース

産経新聞 のロゴ 産経新聞 2018/05/16 11:32
【ロシアW杯】リオ五輪世代の挑戦(上) 得点力不足の弱点を覆す 日本代表に必要なピース: 浅野は快足が持ち味だ(中井誠撮影) © 産経新聞 提供 浅野は快足が持ち味だ(中井誠撮影)

 6月に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本代表メンバー入りをめぐる争いが最終局面に入っている。注目は、2016年リオデジャネイロ五輪を経験した世代の選手たちだ。代表枠は23人。W杯出場を目指す4人の「リオ五輪世代」の原点と現状を探った。

世代交代を印象づける活躍

 日本代表の長年の課題である「得点力不足」。その弱点を覆す力を秘めたリオ五輪世代のFWは2人いる。俊足が持ち味の浅野拓磨(23)=シュツットガルト=と、ドリブル突破やシュート力が魅力の久保裕也(24)=ヘント=だ。

 浅野が強烈な印象を残したのは昨年8月31日に埼玉スタジアムで行われたW杯アジア最終予選のオーストラリア戦。前半41分、左足ボレーで先制ゴールをたたき出した。同じリオ五輪代表の井手口陽介(21)=クルトゥラル・レオネサ=も後半に追加点。チームに6大会連続のW杯出場をもたらし、主力として君臨してきた本田圭佑(31)=パチューカ=らからの世代交代を印象づけた。

 浅野は7人きょうだいの三男で、両親は結婚指輪を売ってまでサッカーに打ち込ませた。13年にJ1広島に入団した際には、母の都姉子(としこ)さん(52)に「日本代表になって、W杯に出られるような選手になりたい」と誓った。

 しかし、代表入りしてすぐに活躍できたわけではない。五輪前に抜擢(ばってき)された16年6月の国際親善試合、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦では絶好のシュートチャンスでパスを選択し、クリアされた。試合も1-2で敗れ、目を赤くした浅野は「自信を持ってシュートで終わらせないといけない」。ゴールへの意識を強く持つきっかけとなった。

 五輪で2得点をマークし、海外に渡ったが、そこでも苦悩が続く。今季もドイツ1部リーグのシュツットガルトでレギュラーを勝ち取れず、大きな壁にぶち当たっている。

本田を押しのける活躍

 一方、久保はリオ五輪出場が急遽(きゅうきょ)ご破算となった悔しい過去がある。最終予選でチーム最多の3得点をマーク。本番でも中核を担うはずだったが、所属していたスイスのクラブが派遣を拒否したためだ。

 しかし、その苦い経験をバネに、W杯最終予選10試合のうち6試合に出場し、2得点。「すぐに切り替えて、フル代表を目指そうと日々やってきた」と久保。4月に解任されたハリルホジッチ前日本代表監督(65)は攻撃力を高く評価し、右FWのポジションで本田を押しのけるまでになった。

 J2京都のユース(高校年代)のチームからプロになり、19歳で海外挑戦する道を選んだ久保。13年にスイス、昨年にはベルギーのクラブと契約した。ユース時代には毎日、ノートに反省点や課題を1ページ分書き続けた。自らに厳しく向き合う真摯(しんし)な姿勢がステップアップを続けられる要因といえる。

 2人に共通する紆余(うよ)曲折と不屈の精神は、リオ五輪世代の特徴でもある。U-19(19歳以下)アジア選手権などの年代別の国際大会でことごとく結果を出せず、「勝てない世代」と揶揄(やゆ)されたこともある。しかし、五輪最終予選をトップ通過して汚名返上。本番は1次リーグ敗退に終わったが、強豪のコロンビアと引き分け、スウェーデンを破る存在感を示した。

 「リオ五輪世代が活躍することで、自分にとっても糧になる。その流れに乗っていきたい」と久保。かつて浅野も「僕たちの世代が底上げし、上の世代を脅かしていかないといけない」と決意を語った。欧州の2人はロシアで輝けるか。(吉原知也)

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