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今年も健在、「大谷効果」を全米メディアも手放しで賞賛

Forbes JAPAN のロゴ Forbes JAPAN 2019/05/15 17:00 長野 慶太

© atomixmedia,inc 提供 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が、現地の14日、ミネソタ・ツインズとの試合で4打数3安打1打点をマークし、打率も3割2分1厘(レギュラー陣のなかで最高)に伸ばし、第2打席ではメジャー通算100安打にも到達した。

前日の試合でも、今シーズン第1号の特大ホームランを打っており、この大谷の完全復活に、アメリカのファンやメディアも、まるでシーズンを優勝したかのような騒ぎだ。

そもそも、大谷のゲーム復帰が決まってからの、こちらでの盛り上がりはすごかった。復帰の当日、エンゼルスが公式ツイッターで「今夜、大谷が戦列復帰します」と書き込むと、1万3000人のファンが見て、一気に4000件の書き込みがされた。いまも、エンゼルスのツイッターのトップ画面には、「Ohtani is back」という煽りとともに、大谷の写真がデカデカと掲げられている。

「去年並みに復活」を強調

CBSスポーツのマット・スナイダー記者は、開幕から大谷が復帰する前までのエンゼルスのもたつきを評して、「15勝19敗とはもはや救いがたい。大谷こそが救世主となるだろう」と、かなり筆圧も強く大谷待望論を述べていた。実際、大谷復帰前のエンゼルスは、アメリカンリーグの15球団の中で、得点数で11位、平均打率で12位、出塁率で9位、長打率で9位と開幕から大スランプに陥っていた。

大谷復帰とともに、チームには活気が溢れ、試合も勝ち数が上回るようになり、チームの順位もアメリカンリーグ西地区の2位にまで上がった(現地13日の時点)。いわば、スナイダー記者の予言的な記事が的中したかたちだ。エンゼルスにおける「大谷効果」については、昨年から何度も言われてきたことだが、本当に大谷が出場するときのチームの雰囲気は、見ていてもかなり活気が感じられる。

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13日に、大谷が今季初ホームランを飛ばしたときも、普段はあまりその態様にはこだわらないスポーツメディアも、131メートルの飛距離を、例によって「Big Fly」と形容。MLBのエンゼルスのページでも「特大ホームラン」と銘打って動画まで据えていた。

ちなみに、去年の大谷のホームランの最長飛距離は137メートルだ。メディアも飛距離を喧伝することで、すでに大谷は去年並みに復活したと強調しているようにも思える。ちなみに13日の大谷の1号ホームランは、打球速度180キロという公式記録だが、これも昨年の最速にほぼ並んでいる。

アメリカのスポーツ専門チャンネルであるESPNも、大谷の復帰が、同僚の強打者マイク・トラウトやアルバート・プホルスにも影響を与えているとして、存在そのものがエンゼルスにとって大きいとベタ褒めだ。とくに、大谷の選球眼と打撃パワーを評して、「彼の投手として投げるスプリットと直球に勝るとも劣らない価値だ」としたうえで、「大谷のおかげで、トラウトのバッティングチャンスが増えている」と分析している。

詳しく記すと、大谷復帰までのトラウトは、敬遠を含めた今年の四球は過去最高ペースで、つまりストライクボールを投げてもらう率が32%しかなかった。ところが大谷が打順3番で復帰した後、その前の2番を打つトラウトのそれは、いきなり48%まで増えている。ストライクが多くなれば、トラウトの安打が増えるのは自明のことだ。

また、今季メジャー史上3人目の2000打点を記録したプホルスは、大谷が入団する前年の2017年に636打席バッターボックスに立ったのに対し、大谷が加入した2018年には498打席と出番を減らしたにもかかわらず、ホームランは4本しか減らしていないし、打率も出塁率も長打率もむしろ上げたことから考えれば、39歳の故障を抱えたベテランには、大谷が打線に加わることによって与えられる休養が、ひじょうに大きな効果があったという分析だ。

ESPNのアルデン・ゴンザレス記者は、「だから、半分の大谷でもこれでいいのだ(しばらく二刀流でないという意味)」と断言する。そして、二刀流であろうが、打者専念であろうが、いつでもどこでも使ってくれという大谷の姿勢を、あらためてチームへの多大なる効果として賞賛している。

20日には「おかえりなさい翔平デー」も

最後にとても興味深い記事として、ファンサイトである「ヘイローヘブン」で、大谷の復帰に関して、「こんなことなら、去年、もっと早い段階で手術を受けてもらえばよかった。あなたは思うかどうか」という質問が出されていたので紹介したい。

つまり、去年の夏の段階で、打者としての出場をとりやめ、故障したひじの手術を受け、今シーズンの初めから大谷を出場させることで、チームとして今年の優勝を狙うべきではなかったかというアンケートだ。回答は、予想を裏切り、イエスがたったの29%でノーが71%に上った。

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つまり、ファンはみな、昨年、ひじの故障が発覚した後も、打者として大谷が出場を続け、アメリカン・リーグの最優秀新人選手賞(新人王)という歴史的な受賞をしたことを喜び、かつ、その賞レースで、ヤンキースの有力候補を降ろしたという爽快感は何ものにも替えがたかったと振り返っている。優勝するだけが野球の楽しみではない。大谷の新人王は、年度が変わったいまもファンに喜びを与えている。これもまた大谷効果だろう。

ちなみに、5月20日のエンゼル・スタジアムでのホームゲームでは、「おかえりなさい翔平デー」と銘打たれており、前売り券購入者には、大谷の写真や絵の入ったブランケットやスエットがついてくるという企画となっている。筆者も仕事がなければ行きたかった!

連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

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