「大谷翔平とトラウトはオールスターの顔だ!」 エンゼルス監督代行は大谷の“2年連続出場”を確信? 逆転選出のために必要なことは
『Take me out to the All Star Game』
しばらく鳴りをひそめていた感のあった背番号17が久々の本領発揮だ。ド派手なパフォーマンスが実に大谷翔平らしかった。
7月19日、2本塁打、2犠飛で挙げた1試合8打点は自身キャリアハイとなった。06年の井口資仁(ホワイトソックス)、09年の松井秀喜(ヤンキース)の7打点を上回り日本人メジャー最多にもなった。
そして22日には投手として2安打無失点、メジャー自己最多13奪三振の大活躍。今季6勝目を挙げた。
19日にはドジャースタジアムで行われるオールスターゲームの第1回ファン投票の結果が発表された。昨年の1次発表では「DH」部門でトップを走り続けた大谷だったが、今年はアストロズのヨルダン・アルバレスに遅れをとること約28万票差の2位発進。冷静に考えれば逆転は容易でない開きだが、新ルールではこれからの活躍次第で十分に逆転は可能。2年連続でのトップ選出に向け、風は吹いている。
トラウトと大谷は「オールスターゲームの顔だ」
6月7日からジョー・マドン前監督に代わり指揮を執るフィル・ネビン監督代行は、自身もパドレスに在籍した01年にシアトルで行われたオールスターゲームに出場した経歴を持つ。同年、ともに初出場したイチローさんが「嫌らしい打者でしたね」と振り返るほどのエリート打者だった。
この年にネビンが残した41本塁打、126打点、打率.306はいずれもキャリアハイの数字。その監督代行は1次発表で3枠ある外野手部門で2位発進となった主砲マイク・トラウトと大谷に出場へのエールを送った。
「ファンはいつもサポートしてくれるものだ。トラウトはオールスターに選ばれるべき選手であり、中堅で先発出場すべき選手だ。それは翔平も同じだ。このゲームで彼らがプレーすることを世界中が望んでいると思う。彼らはチームの顔であるだけでなく、オールスターゲームの顔だ。彼らが出場したら、私は自宅のカウチ(ソファ)に座ってのんびりテレビで試合観戦するよ。ケガだけはしないでくれよと祈りながらね(笑)」
大谷が今年もオールスターに選ばれるには?
選出への勝負はこれからの2週間。21日終了時点でアルバレスと大谷の成績は以下のようになっている。
アルバレス 打率.312、19本塁打、49打点 大谷 打率.260、15本塁打、45打点
チーム成績もア・リーグ西地区首位を快調に走る勝率.627のアストロズと、離されること11ゲームの勝率.465のエンゼルスでは心象もかなり違う。だが、ポイントはこれからの活躍だ。逆転可能。それが新ルールだ。
現在、大リーグ公式サイトで行われている1次投票は日本時間の7月1日午前3時まで行われる。各部門で上位2人までに入った選手が2次投票に進むが、2次投票では1次投票の結果は持ち越されない。ゼロからのスタートとなる。このまま大谷が1次投票で2位に終わっても、決選投票では横一線のスタートとなり、まさに一騎打ちの戦いが始まる。
1次投票の結果は日本時間1日午前6時に発表され、2次投票は6日午前1時に大リーグ公式ページ上でスタートされる。締め切りは9日午前3時と発表されている。
投手部門での選出も? ライバルはまさかの…
二刀流であるが故に、大谷には投手部門での選出も考えられる。投手と控え野手は選手間投票などで決まる。昨年は両リーグともに13投手がベンチ入りした中で大谷は選手間投票で5位に入った。今年も上位に食い込むためには先発投手としてチームトップの成績は残したいところ。ライバルは元二刀流、今季から先発投手に専念している地元出身のマイケル・ロレンゼンか。21日現在、二人の成績は以下の通りになっている。
ロレンゼン 6勝4敗、防御率4.15 大谷 5勝4敗、防御率3.28
選手間投票を含めた出場全選手の発表は日本時間11日。これからのふたりの投球内容にも注目したいところだ。
昨年のオールスター直後に大谷が語っていたこと
ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドで行われた昨年の球宴では「1番・投手兼DH」として歴史的出場を果たし、前日に行われた本塁打競争でも奮闘した。1回無安打、無失点の投球で勝利投手も打撃では2打数無安打。本塁打競争ではナショナルズのホアン・ソトに1回戦で敗れた。今年の舞台は42年ぶりに開催される地元ロサンゼルスのドジャースタジアム。やり残したことはある。
2年連続での出場に向け大谷は言った。
「(ここまで)投票してくれたのは、すごいありがたいことだとは思うので、励みにして、1試合1試合頑張りたいなと思います」
二刀流として日々フル回転する大谷の奮闘を見れば、心のどこかで『オールスター期間中は休ませてあげたい』と思うファンの方も多いだろう。そんな中、ネビン監督代行は選手の気持ちを代弁した。
「オールスターに出場することは名誉なことだ。選ばれし選手とともに、お互いを高め合うことができる特別な日なんだ。1回でも15回でもスペシャルな日に変わりはないんだ。マイク(・トラウト)に聞くといい。彼は何度でもオールスターでセンターを守ると言うだろう」
大谷も昨年の初出場を終えた直後に言った。
「初めての経験なので、また来れるように。そう思わせてくれるような素晴らしい経験でした」
ミッド・サマー・クラシック。今年も真夏の祭典に大谷を、そしてファンを、連れて行って欲しい。