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春のセンバツ注目は? 150キロ右腕の星稜・奥川に後は…

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2019/03/21 10:00
星稜の奥川 (c)朝日新聞社 © Asahi Shimbun Publications Inc. 提供 星稜の奥川 (c)朝日新聞社

 91回目となる選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会を終えた直後、星稜(石川)の林和成監督は、相手指揮官に対し、つい「一番やりたくありませんでした」と漏らしてしまう。昨年のU−18高校日本代表に、唯一2年生で選出された150キロ右腕・奥川恭伸を擁する星稜は、昨秋の明治神宮大会で準優勝し、今大会でも優勝候補の筆頭に目されている。

 だが、初戦の相手は、昨年の春夏王者である大阪桐蔭を昨秋の大阪大会で破っている難敵・履正社。しかも、調整の難しい大会初日(3月23日)の第3試合だ。

「奥川は昨年の秋から比べても球の勢い、強さが増し、弱いところを克服してきた。弱かったところ? それは言えません」(林監督)

 決勝で実現してもおかしくない1回戦屈指の好カードだが、できれば避けたかったという本音は履正社の岡田龍生監督も同じ。岡田監督は言った。

「奥川君は高校生では頭一つ抜けている。序盤から点を与えてしまっては、奥川君に気持ち良く投げられてしまう。ロースコアの展開に持ち込みたい」

 大阪の2強の一角を担う履正社だが、甲子園制覇は一度もなく、2年前の選抜の決勝で敗れた雪辱を今年、晴らしたい。

 両校の対抗馬となるのは、元阪神の中谷仁監督が就任して甲子園での初陣となる智弁和歌山だ。強打の伝統は健在で、主将の二塁手・黒川史陽が主軸を担う。既に何度も甲子園を経験している黒川は、「誰よりも速い球を投げて、誰よりも大きい長打を打つ。昨年大会の決勝で大阪桐蔭に負けた悔しさを持っている選手も多い。全力で戦います」と話した。

 智弁和歌山と初戦で対戦するのは、21世紀枠で初出場となった熊本西だ。昨年11月18日の練習試合中に、死球を受けた2年生部員が死去するという悲しい事故が起きた。21世紀枠を辞退することも学校関係者は考えたが、「生きている選手は前を向いてほしい」という遺族の願いもあって、聖地を踏むこととなった。

 抽選会後、横手文彦監督は中谷監督に記念撮影をお願いするなど、初々しさを漂わせながらも、強豪に臆する様子はない。

 世代を代表する右腕が奥川なら、左腕は横浜の及川雅貴。今秋のドラフトで1位指名が確実視される逸材だ。最速は153キロで、打者の手元で曲がるスライダーに加え、新たにチェンジアップも習得して甲子園のマウンドに上がる。課題は試合中に突如、乱れる制球だが、横浜の平田徹監督は心配していない。

「大きな注目を集め、それを苦痛に感じることもあるはずなんです。期待に応えようとするのではなく、彼自身が“自分のために”と思ってマウンドに上がることで、本来のパフォーマンスを発揮してくれると思います」

 他に秋季近畿大会を制した龍谷大平安(京都)、四国の古豪・高松商(香川)が平成最後の優勝戦線に絡んでくるはずだ。(柳川悠二)

※週刊朝日  2019年3月29日号

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