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さらば青濤館…建物消えても残すべき伝統 イチロー、田口育んだオリックス“虎の穴”

デイリースポーツ のロゴ デイリースポーツ 2020/03/26 10:00 デイリースポーツ
解体作業が始まった旧青濤館 © デイリースポーツ 解体作業が始まった旧青濤館

 取材記者の心に響いた話を取り上げる「番記者の心」。かつてオリックスの選手寮と室内練習場があった神戸市西区の旧青濤館を訪れた。イチロー、田口ら1995、96年のV戦士たちがプロ生活をスタートさせた場所は売却され、解体が始まっていた。

 ひっそりとしていた。解体作業が始まったと聞いて旧青濤館を訪れたが、閑静な住宅地に響く音はなかった。作業員に聞くと、今週から内装の解体を始めたという。7月末には9100平方メートルの更地となり、マンションが建設される予定とか。

 1991年完成。2軍が2017年3月に大阪市此花区舞洲に拠点を移設するまで、寮として、練習場として活躍してきた。当初は大学などの団体への賃貸も検討されたと聞くが、老朽化が進んでおり、難しかったようだ。今年1月末に大和ハウス工業へ売却され、ようやく解体となった。

 かつて、この場所でプロ野球選手としての生活をスタートさせた田口野手総合兼打撃コーチは「寂しいね。仕方ないけど。思い出がいっぱいある場所だから。いっぱい遊んだし、よく練習もした。ホンマに寮生活は楽しかった」と感慨深げに話した。

 ナイターを終え、寮に帰る。食事などの後、隣接する室内練習場でマシン打撃をする。「2軍の選手は寝てる時間。イチローも打っていたね」。誰に言われたわけでもない。それが当たり前だった。だから強かった。そんな伝統を守るために、イチローが暮らした406号室は空き部屋にして『鈴木一朗』のプレートを最後まで残した。

 『青濤館』の名前は今、舞洲にある選手寮に受け継がれた。1996年を最後に優勝から遠ざかる球団。変わりゆく“原点”を見ながら、伝統の大切さを痛感した。(デイリースポーツ・達野淳司)

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