古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

プロ野球選手から会社員へ 春夏連覇「興南の島袋君」のぶれない姿

西日本スポーツ のロゴ 西日本スポーツ 2019/12/03 06:07 西日本新聞社
© 西日本新聞社

ソフトバンクの3年連続日本一、侍ジャパンの10年ぶりとなる世界一で幕を閉じたプロ野球はオフシーズンに入った。来年へ向けて新たに入ってくる選手がいる一方で、静かにユニホームを脱いだ選手もいる。それぞれの「現在地」を追った。

【記者コラム】

今季限りで現役を引退した元ソフトバンク投手の島袋洋奨さん(27)が、自身のSNSでスポーツ関係のメーカー企業に就職し会社員として第二の人生をスタートさせたことを明かした。2010年、甲子園で春夏連覇を達成した沖縄・興南高のエースで「琉球トルネード」と呼ばれた島袋君をずっと取材していた私にとっては、「ソフトバンクの島袋」というよりはいつまでも「興南の島袋君」だ(以下、島袋君と呼ばせてもらう)。

現役を終えた島袋君にどうしても「お疲れさま」が言いたくて、島袋君が福岡を離れる直前に会う機会をつくってもらった。高校時代以来、9年ぶりの再会。丸刈りの18歳だった少年はすっかり大人になっていた。中大を経て5年間のプロ生活、そして小学生からずっと続けてきた野球選手としての生活にピリオドを打った島袋君は「後悔はないです。プロに行ったこともよかったと思う。今はスッキリしています」と心境を語った。

野球の厳しさは十分知っていると思うが、これからは社会人として社会の厳しさを味わうこともあるだろう。「どこに行っても上を目指したい」と話した島袋君を見て、高校時代の練習風景を思い出した。興南高のグラウンドで、下半身強化のため段差のやや大きな階段を片足で一段一段上っていた。上に着いたらまた下に降りて、島袋君は無言で前を向いて何度も何度も片足で階段を上がった。他の選手は片足でグラグラしていたけど、島袋君はまったく体がぶれることはなかった。頂点に立つだけの努力をしてきた人間はどこに行っても負けない。島袋君の目を見てそう思った。

プロの世界を去る人間がいれば、新たに扉を開く人間もいる。「宮城には頑張ってほしいです。プロでもやっていけると思います」と今秋のドラフトでオリックスから1位指名を受けた興南高の後輩、宮城大弥に自身がかなえられなかったプロ1勝の夢を託した。

「高校野球は終わっても人生のスコアボードに終わりはないんだよ」。島袋君の恩師、興南高・我喜屋優監督の言葉だ。新たなスコアボードを刻む島袋君。何年後になるかは分からないが、また再会して話をしたいと思っている。(前田泰子)

東京五輪特集はコチラ

西日本スポーツの関連リンク

西日本スポーツ
西日本スポーツ
image beaconimage beaconimage beacon