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小園、根尾は松井稼頭央並み 東尾修「中途半端な起用に忠告」

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2019/03/16 07:00
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝 © Asahi Shimbun Publications Inc. 提供 東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

 開幕1軍デビューも注目される小園海斗(広島)と根尾昂(中日)。西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、2人の起用に忠告する。

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 プロ野球もオープン戦が本格化した。3月に入ってもルーキーたちが頑張って盛り上げてくれている。大卒で即戦力のソフトバンクのドラフト1位、甲斐野央は球威もあるし、開幕から中継ぎで勝利の方程式に入ってくるかもしれない。西武のドラフト1位の松本航は、内海哲也や榎田大樹といったローテーション投手が開幕に間に合わないのなら、先発の一角に入ってくることになるだろう。DeNAの上茶谷大河も落ち着いて調整を進めている。

 そして、高卒新人もひょっとしたら、開幕1軍を勝ち取る可能性がある。私が注目しているのは、広島の1位の小園海斗と、中日1位の根尾昂だ。ともに遊撃手という、育成に時間がかかるポジション。そして、両球団には広島は田中広輔、中日は京田陽太というレギュラーがいる。その中でどういうビジョンを持っているかだ。

 1軍に置いたとしても出場機会は限定されるだろう。一塁、三塁ならば多少、守備力に目をつぶっても、打撃力があれば使っていけるだろうが、遊撃手はセンターラインを担うチームの根幹で、守備力が問われる。そこにチーム事情も重なるから、育成と起用の両立には難しさがある。

 中日は6年連続Bクラスで、与田剛新監督には、チームを抜本的に立て直すことが求められる。根尾を将来のチームの根幹に据えたいと思うならば、京田を二塁に回して、根尾をミスしても使い続けるくらいの思い切った考えがあってもいいと思う。逆に広島は3連覇中。チームの中心を動かしにくい。ただ、二塁手の菊池涼介は今季中にも国内FA権を取得、田中も2020年中には国内FA権を取得するという事情もある。

 刻々と局面が変わる試合に出続けることが遊撃手としての成長の近道になる。いずれにせよ、1軍でベンチに置いておく時間はもったいない。中途半端な起用だけは避けてもらいたい。

 私が西武監督1年目となった1995年。それまで5連覇していたチームの主力はベテランが多くなり、転換期にあった。若い力を必要としていた。そのチーム事情もある中で、遊撃には松井稼頭央を据えると決めた。失策しても目をつぶった。2軍に落とすこともあったが、それは2軍の試合で使い続ける意図もあった。翌96年には1軍で全試合出場。チームの主力に成長してくれた。稼頭央くらい一気に球界を代表する遊撃手に育つことは珍しいと思うが、根尾も小園も同等の能力はあると見る。

 話は変わるが、オープン戦を見ていて、打者は一段と「強く振る」という意識が浸透しているなと感じた。ロッテのドラフト1位の藤原恭大も高卒新人でありながらスイングは強い。体の大きさに関係なく、まずはしっかり振れなければ、球界全体のレベルアップの流れから取り残される。ソフトバンク、西武、広島といった強いチームは選手全体にその意識は浸透している。

 そうなると、投手の意識も変わる。より強いストレートが求められるし、緩急でいえば、より遅く、タイミングを完全に外せるカーブは、カウント球として一層効果的となる。20年には東京五輪があり、翌21年にはWBCを控えるが、巧いだけでは、世界のトップにはなり得ない。開幕以降も、選手の意識の変化を感じとりながら見ていきたい。

※週刊朝日  2019年3月22日号

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