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巨人に激震「ブルペンの乱」 中継ぎ・田原が“ブラック部署”の惨状告発 行き当たりばったりだった由伸采配

zakzak のロゴ zakzak 2018/12/06 17:01 株式会社 産経デジタル

 巨人の契約更改交渉で7年ぶりに保留した田原誠次投手(29)が、華やかな名門球団でないがしろにされていた“ブラック部署”の実態を告発した。“物言う中継ぎ”はブルペン代表として、球団フロントに「こんなひどい環境で野球をやっている。3年連続で訴えても変わらない」と待遇改善を切望。高橋由伸前監督(43)のもとコミュニケーション不全の3年間に、選手の奮闘がいかに台無しにされてきたかが浮き彫りとなった。(笹森倫)

巨人に激震「ブルペンの乱」 中継ぎ・田原が“ブラック部署”の惨状告発 行き当たりばったりだった由伸采配: 高橋前監督政権下、ブルペンは混乱をきたしていた © zakzak 提供 高橋前監督政権下、ブルペンは混乱をきたしていた

 田原は4日、東京・大手町の球団事務所で2度目の契約交渉に臨み、前回提示と同じ現状維持の3600万円でサインした。ちょうど1週間前の前回交渉後には行われなかった記者会見で、保留した真意を初めて明かした。

 「3年連続でブルペンの環境改善を訴えてきていて、毎年のように『来年はよくなるから』と言われても、具体的に何が変わったか分からない状態だった。少しでも多くの人に、『僕らはこんなにひどい環境で野球をやってたんだよ』と知ってほしかった、という意味の保留だった」

 昨年の契約更改後の会見でも力説したのは、経験不足から準備の手順をつかめていない若手投手が、首脳陣の行き当たりばったりな継投策に振り回されている、ブルペンという密室内の実情だ。

 経験ある田原でさえ困惑の連続だった。試合展開を読みながら「そろそろ自分かな」と自主的に準備を始めると、コーチが「いや、おまえはまだ(肩を)つくらなくていいよ」と制止。「じゃあ待機しておきます」と控えたそばから、「やっぱり、ここから行くよ」とドタバタ登板させられる場面が多々あった。逆に「何も言われていない状態で、急に行かされることもあった」という。

 フロントにもの申すというリスクを伴う役割は、本来ならば実績あるベテランや高給取りの選手が担うべきものだろう。ドラフト下位指名(2011年7位)でブルペンの地味な“便利屋”をこなしてきた、後ろ盾の弱い田原が矢面に立つのは勇気が要ったはずだ。

 昨秋の契約交渉の席でも「(準備が)100%でも抑えられない状況はあるが、50-60%の状態で行かされるのがほぼほぼだった。少しでも抑えられる確率が高い状態で行きたい。どこで投げるのか明確にしてほしい」と中継ぎ陣の総意を伝え、鹿取GM(当時)は職場環境の改善を約束。ところが今季も「最初だけ。序盤から『これ、去年よりひどいな』とみんなとらえていた」。

 ろくに肩をつくれず送り出されたリリーフは、案の定打ち込まれてチームは負けるわ、自分の査定は下がるわの悪循環。ダメなら2軍行きで、好投しても酷使の果てに2軍に落とされる。40試合以上登板は両リーグ最少の沢村1人のみで、84ホールドポイントも2年連続で両リーグ最少。昨季3・40だった救援防御率は4・12まで悪化した。

 「勝ちパターン(の投手)なのに5点差負けでも投げるとか、僕らが予想している勝ちパターンと負けパターンとが食い違うこともあった。この点差ならこの人だとか分かると、(肩を)つくりやすいし、自分らとしても気持ちが入りやすい」。訴えている中身は至極当然。高橋政権の3年間、こんな最低限の機能さえ異常をきたしていたブルペンは、伝統球団の恥部といえる。

 田原自身、8試合連続無失点と好投しても不可解な2軍落ちを命じられるなど、防御率2・56をマークしながら29試合登板どまり。「起用方法は監督が決めること」と断りつつも、「まだ投げられるのにとか、ここで俺が行ったら抑えられるのにって思ったりはした。2軍に落ちている期間も多かった」と力を発揮しきれない歯がゆさを振り返った。

巨人に激震「ブルペンの乱」 中継ぎ・田原が“ブラック部署”の惨状告発 行き当たりばったりだった由伸采配: 救援陣の窮状を訴えた田原 © zakzak 提供 救援陣の窮状を訴えた田原

 現場を預かる指揮官、フロントを仕切るGMともにコミュニケーション能力に問題を抱え、でたらめなチーム運営で泣きを見たのは選手たち。結果を出す確率は下がり、故障のリスクは上がり、最後は給料に跳ね返る。

 失望と不信感を膨らませてシーズンを終え、今秋はより強硬な「保留」という手段に出ざるを得なかった。球団側に煙たがられるのも覚悟の直談判。「僕らにしても若い選手らにしても、やりにくい環境で結果を出すのは難しい。少しでもいい環境でやってチームの底上げにつながれば、日本一は絶対取れるもんだと思う。今回の保留が環境改善のきっかけになれば」。チームを思い、仲間を思う“男気”から、確信犯を買って出た。

 前回の保留後、新任の大塚球団副代表は他の中継ぎ陣にも交渉の場で聞き取りを行い、田原が訴える問題の概要を把握。「現場にきちっと伝える」と約束した。幸い、改善の気配がなかった前政権は終焉。再々登板の原新監督と刷新された首脳陣のもと、今秋キャンプに参加した田原も「コミュニケーションが取れると思った。(ブルペンの問題点を)自分も言いやすい部分があったし、若い選手も言ったりした部分もあった。来年はよくなるという風に感じた」と好印象を抱いた。

 今オフの巨人は2年連続セ・リーグMVPの前広島・丸を筆頭に野手陣の豪華補強が目を引くが、球団ワースト4年連続V逸の元凶はむしろ、ブルペンの体を成していなかった救援体制だ。初入閣の宮本投手総合コーチ、ブルペンを預かる18年ぶり復帰の水野コーチにかかる責任は重い。

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