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「自信になった試合だった」 アイスダンスの村元哉中・高橋大輔組が急成長

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2021/11/25 17:00
村元哉中、高橋大輔組はリズムダンスで6位の70.74点。7位の小松原美里、小松原尊組とは2.61点差だった © AERA dot. 提供 村元哉中、高橋大輔組はリズムダンスで6位の70.74点。7位の小松原美里、小松原尊組とは2.61点差だった

 ISUグランプリシリーズNHK杯のアイスダンスで、結成2季目の村元哉中、高橋大輔組が日本選手最高の6位という大躍進を見せた。AERA 2021年11月29日号では、来年2月の北京五輪出場へ向けてさらなる飛躍が期待される村元・高橋組が心境を語った。

*  *  *

 エキシビション前の空き時間。取材に応じた高橋大輔(35)の言葉には自信がにじんでいた。

「演技としても大きなミスなく、予想していた以上の評価をいただけた。一つ自信になった試合だったと思いますし、僕自身はスタートラインに立てたのかなと」

 村元哉中(むらもと かな・28)とのアイスダンス挑戦を表明したのは、2019年の秋だった。あれから2年。コロナ禍の影響もあって、海外のトップカップルと対戦するのはこのNHK杯が実質初めてだった。だから、大会前日の公式練習では「正直、不安な部分は大きかった」と漏らした。

 ただ今大会、コーチのマリーナ・ズエワ氏はこんな言葉を繰り返したという。

「今の経験は、今しかできない。だから、今を楽しみなさい」

「お客さんも、あなたのスケートが見たくて楽しみに応援してくれている。『うまくやらなきゃ』ではなく、『どうやったら楽しめるか』を考えながら滑って。自分たちが楽しまないと、周りに伝わらない」

 アドバイス通り、今大会の村元、高橋組の表情には楽しげな笑みがあふれていた。大舞台で笑えたのは、積み上げてきた努力に自信があったからだろう。

 高橋が言う。

「緊張感の中でも落ち着いて演技ができました。練習をちゃんとしてきたからこそ」

 確かな成長が透けたのは、例えばリフトだった。

 シングルスケーターとしてキャリアを積み重ねてきた高橋にとって、女性を持ち上げるリフトは最大の難関だった。実際、19年秋の会見では「一番大きな課題にはなってくる」と懸念を語り、昨年のNHK杯ではぐらつくような場面が目立った。

 だが、今大会は安定感抜群。リズムダンスでは、女性を両肩に乗せて回転するローテーショナルリフトで最高の「レベル4」を獲得。フリーでも、昨季とは見違えるような数の「4」をスコアシートに並べてみせた。

トレーニングの成果

 高橋の体は今大会、明らかに大きくなっていた。

 本人も、それは感じている。

「全体的に一回りは大きくなったのかなと、自分の姿を見た時に思います」

 太くなった腕、広くなった肩幅、背中。積み上げてきた地道なトレーニングの成果に違いなかった。

 たった一つしかない北京五輪への切符を争う全日本選手権3連覇中の小松原美里、小松原尊組を合計で7・30点上回っての6位だ。昨季は2戦2敗だったライバルを、勝負の五輪シーズン初戦で上回り、立場を逆転させた。

 2年前、アイスダンス挑戦を表明した会見で高橋は、五輪出場については控えめに語っていた。

「本当に初めてのことで、可能性の部分では『もしかしたら少しのパーセンテージでもあるかな』って。相当大変だと思うけど」

 代表争いは12月の全日本選手権まで続く。小松原組がこのまま引き下がるはずもない。

 だが、この急成長だ。高橋にとって五輪はもう、決して現実味のない夢ではない。(朝日新聞スポーツ部・吉永岳央)

※AERA 2021年11月29日号

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