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菅野智之は今オフ米移籍か 巨人は「大物FA投手」ダブル獲りに動く可能性も?

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2020/10/17 16:00
今シーズン“格”の違いを見せている巨人・菅野智之 (c)朝日新聞社 © AERA dot. 提供 今シーズン“格”の違いを見せている巨人・菅野智之 (c)朝日新聞社

 巨人・菅野智之がレベルの違いを見せつけている。

 先発した試合では当たり前のように好投し、チームのリーグ連覇へ向けての大きな原動力となっている。そして自らの夢、メジャー挑戦へ一直線だ。

 今シーズン菅野は開幕投手を務め、10月13日の広島戦で黒星がつくまで無敗が続いていた。10月6日のDeNA戦では、開幕投手としてはプロ野球新記録となる、開幕13連勝を達成。これまでは04年に近鉄時代の岩隈久志(現巨人)がマークした12連勝が記録だったが、これを抜き歴史に名を刻んだ。

「状況は異なるが、開幕連勝は逆境に負けない精神力がすごいから。例えば04年は球界再編の話が出た。岩隈が所属した近鉄とオリックスの合併が中心。近鉄選手たちは球団存続を願って動く中で、チームが勝つことが最も世間に響くという大きなモチベーションがあった。その中で岩隈もガムシャラに投げていたことで結果もついてきた。今年の菅野はコロナ禍で開幕延期になり、調整はかなり難しかったはず。気持ちを奮い立たせたのは、大リーグ挑戦という強い気持ちだった」(在京テレビ局のパ・リーグ担当記者)

 菅野はメジャー挑戦を視野に入れていると噂されてきた。しかし巨人は長年に渡りポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を認めなかった。ところが昨オフ、山口俊のメジャー挑戦を容認、ブルージェイズに移籍となった。そして編成面での権限も握る原辰徳監督が、海外移籍を条件つきで容認する意向を公の場で示した。

 菅野が海外FA権を取得するのは、最短でも21年オフ。しかし時代は変化している。親会社の読売新聞社の経営も盤石ではない。以前のような『金満』経営で巨人軍を持ち続けるのも厳しくなった。そして8年間、貢献してくれた菅野の恩に報いるという考えもある。

「投手として間違いなくトップクラス。すべての球種が決め球になり制球力も良い。日本で最も注目される球団のエースとして投げ続け、結果も出せるメンタル面も心配ない。一時期はオーバーウェイトも指摘され、自己管理に関して疑問符もついた時期もあった。しかし今年はシェイプされており身体のキレが素晴らしい。メジャー移籍時には複数年契約でオプションや高待遇のインセンティブが期待できる。どの球団も最高条件を提示して獲得に手を挙げるはず。コロナ禍で経済状況が厳しいとはいえ、過去最大規模の獲得合戦になる」(メジャーリーグ環太平洋地区スカウト)

 米国内の評価は最大級のものだ。大谷翔平(エンゼルス)は、「仮に投手がダメでも打者としてやれる」という二刀流としての評価だった。しかし菅野の場合は投手として過去最高クラスの評価を得ていると言える。

「最高の選手たちと戦いたい」という純粋な気持ちがあった。しかし自身を取り巻く環境を冷静に分析し、渡米は不可能だという判断を下した。そこで「東京五輪での金メダル獲得」に野望をチェンジ、生涯巨人も念頭に入れていた。しかしコロナ禍によって状況は一変した。

「1浪してまで巨人入り。そして伯父である原監督は巨人再建を託され3度目の監督就任。チームもうまく行き始めた矢先であり、エースである自分が抜けられないと判断した。メジャー挑戦を諦め、目標を東京五輪での金メダルに絞った。ところがコロナ禍による五輪延期。そうなると話は別で、最高レベルの選手との対決を求め大リーグ挑戦を再び望んでいる。五輪延期で1度は下がった気持ちを持ち直し活躍ができるのもメジャー側へのアピールもあるから」(巨人担当記者)

 東京五輪が通常開催されていれば問題はなかった。21年オフになると予想される海外FA権を行使、通常ルールに則っての渡米も考えられた。巨人のエースで投げている間に、若手中心に投手王国建設を図るつもりだった。しかし状況は変化、今オフの大リーグ挑戦が現実味を帯びている。

 そうなって来ると巨人周辺の動きが騒がしくなる。戦力の大幅ダウンを避けるため、投手に絞った大型補強が行われるかもしれない。

 今シーズンのオフに揃ってFAとなる中日・大野雄大、ヤクルト・小川泰弘というライバル2球団のエースを獲得しようという動きに出る可能性も十分に考えられる。

「2人とも野球に対する取り組み方が素晴らしい。うちの投手陣には素晴らしい素材が多いが、まだまだ荒削りな部分も多い。投球を知り尽くした2人が加入すれば、数字以上の影響力は計り知れない。また大野が左腕、小川が右腕なので理想的なバランスになる。近年はDeNA、中日など良いサウスポーが多い球団の躍進が目立つ。田口麗斗、今村信貴などがさらに進化すれば左腕王国も夢ではない。状況が許せば両投手とも、是非とも欲しい」(巨人関係者)

 大野は球速150キロ前後であるが、ツーシーム、スライダー、フォークなど多彩な球種を操る。気持ちの強い投手であり、同学年の田中将大や斎藤佑樹などへの強烈なライバル心をプロ入り前から隠さなかった。

 小川は身長171cmと小柄ながら、全身を大きく使った投球フォームからキレの良い球を投げ込む。大リーグの名投手ノーラン・ライアンを尊敬、参考にしており『ライアン小川』と呼ばれる。

 2人に共通しているのはノーヒッター達成経験者であること。大野は19年9月14日の阪神戦(ナゴヤドーム)、小川は20年8月15日のDeNA戦(横浜)で達成している。長い回を投げられ、ブルペン陣の負担を減らす意味でも貴重な存在だ。

「巨人はかなりのリストラを予定している。実績、知名度がある選手も同様で、投手では岩隈、野上亮磨などが筆頭格だと言われている。選手枠を空けるとともに、FA参戦するための予算を作り出す意味もある。若手への切り替えが進みリーグ連覇したとはいえ、投手陣はまだまだ菅野に頼るところが大きい。強力打線の巨人で年間通じてローテーションを守れば、大野、小川とも2桁勝利は計算できる。その間に20代の若手投手が一人前になれば、今後10年は投手王国を築ける。チームプランとしては完璧です」(巨人担当記者)

 00年代『金満野球』と呼ばれFAなどで他球団の強打者を集めた時期があった。「打って点を取れば勝てる」という単純発想でビジョンなどなかった。当然、大型補強は失敗するものも多く、チーム低迷の原因となったこともあった。そこからチームを立て直したのが、当時の原監督だった。今回も監督就任してすぐに結果を残すなど『名監督』ぶりは健在。また目の前の戦いに勝つことに加え、“未来の巨人”をプランニングしているのも想像できる。

 早々とリーグ優勝当確ランプが灯った現在、差し当たっての心配は日本シリーズと補強。今オフ、巨人は再び『ストーブリーグ』の中心になりそうな雰囲気だ。他球団は今から戦々恐々だ。

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