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高橋大輔は「まだ超進化中」 北京五輪は逃すも「世界選手権で日本2枠を」

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2022/01/15 11:00
フリーダンスで村元哉中、高橋大輔組は小松原美里、尊組に2.95点差をつけて追い上げたが、総合では1.86点及ばず五輪代表に届かなかった © AERA dot. 提供 フリーダンスで村元哉中、高橋大輔組は小松原美里、尊組に2.95点差をつけて追い上げたが、総合では1.86点及ばず五輪代表に届かなかった

 アイスダンスの北京冬季五輪代表は逃したものの、村元哉中、高橋大輔組は世界選手権代表に選ばれた。AERA 2022年1月17日号の記事を紹介する。

*  *  *

 1枚の北京五輪切符をめぐり、二つのドラマが紡がれた昨年12月の全日本選手権だった。アイスダンス2季目の高橋大輔(35)は村元哉中(かな・28)との進化を胸に、五輪代表になるため国籍変更した小松原尊(30)は妻の美里(29)との絆を信じ、その舞台に立った。

■「エンジョイ・ライフ」

 昨年11月、村元、高橋組はNHK杯で日本歴代最高の179.50点をマークし、小松原組を抑えて6位に。さらにワルシャワ杯では日本歴代最高を塗り替える190.16点で2位に入り、一歩リードした状況で全日本選手権を迎えていた。

 だが、気づかぬうちに「追われる側」になっていたことが盲点となった。

 リズムダンス(RD)は滑り出しから、やや動きが硬かった。パターンダンスの途中で足が絡み合い、ともに転倒。63.35点で2位発進となった。

「練習でもしたことがないミス。北京五輪が頭のどこかにあり、今季2戦を良い形で終えた気負いもありました。色々なことが重なり、緊張感が高かったです」(高橋)

「私が読み間違えてしまって、2人が離れたら減点になると思ってグッと中に入ったら、足が絡んでしまいました」(村元)

 そんな2人にフリーダンス(FD)の朝、マリーナ・ズエワ・コーチはこう言葉を贈った。

「エンジョイ・ライフ」──。

 FDは昨季から継続の「ラ・バヤデール」。かれんな世界を作り出す作品だ。演技面では「構成」は8.50点、「音楽解釈」は8.55点と高評価で、FDは1位に。総合は176.31点で2位となった。

「今日は何も考えずに『カナダイ』の世界を思う存分出したいなという気持ちが強くて、気持ち良く滑れました」(高橋)

「2季目でここまでこられたのは本当にすごいこと。大ちゃんはまだ超進化中です」(村元)

 一方の小松原組は、必死に食らいついていった。RDは冒頭のツイズルで美里がミスをしたものの「怒りで元気になった」と言い、首位発進した。

 そしてFDの「SAYURI」はNHK杯後に曲のアレンジを変更し、勝負に出た。英語のナレーション部分を「日本の観客の前では日本語のほうが伝わる」と考え、俳優の夏木マリさんに吹き替えを依頼。また歌舞伎役者の片岡孝太郎さんからの助言で演技面も磨き直した。

 FDは110.01点で、総合178.17点。優勝が分かった瞬間、美里は「やった」と跳びあがった。

「NHK杯よりも点数を出せて成長できました。(村元、高橋組がいたことで)ここで練習を終わっていいかなという時に、『いやもう少し』という起爆剤になり成長できました」(美里)

 尊も涙ぐんでこう語った。

「美里と一緒だったから、ここまで強くなれました」

■もう1回世界と戦える

 翌日、五輪代表が発表された。名前を呼ばれたのは小松原組で、真摯(しんし)な表情で受け止めた。一方、1月の四大陸選手権(エストニア)と3月の世界選手権(フランス)は、村元、高橋組の名前が読み上げられた。

「名前を呼ばれた時にはガッツポーズ。もう1回世界と戦えるチャンスをいただけました」

 村元はそう喜んだ。高橋も、こう宣言した。

「五輪という結果は出せませんでしたが、4年前はこの年齢になって違う競技をしているとは想像すらしていませんでした。まだまだ良い景色を見たいという気持ちがあります。世界選手権で日本2枠を持ち帰れたら、2023年は(小松原組と)一緒に立てるかもしれない。そういう意味でも、僕たちは精いっぱいやっていきます」

(ライター・野口美恵)

※AERA 2022年1月17日号

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