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世界照準、熱い走りを 「守り入らず前半から勝負」 東京マラソンで狙う「残り1枠」 設楽悠太(ホンダ) 熊日30キロ

熊本日日新聞 のロゴ 熊本日日新聞 2020/02/14 10:28 熊本日日新聞社
35キロ走に取り組む設楽悠太(ホンダ、右)。隣は双子の兄の啓太(日立物流)=宮崎市 © 熊本日日新聞社 35キロ走に取り組む設楽悠太(ホンダ、右)。隣は双子の兄の啓太(日立物流)=宮崎市

 金栗記念第64回熊日30キロロードレースは16日午前9時、熊本市中央区の通町筋電停前をスタートして同市南西部を巡り、びぷれす熊日会館前でフィニッシュする日本陸連公認コースで競われる。今年は男子マラソンの前日本記録保持者で、3月1日の東京マラソンで五輪代表権獲得を狙う設楽悠太(ホンダ)が参戦する。熊日30キロの出場者からは、これまでも数多くのオリンピアンが誕生。28歳の挑戦者も今夏のひのき舞台を見据え、高速コースに踏み出す。(植山茂)

 「2時間4分台を出さないと、東京五輪で走る資格はない」。1月下旬、宮崎市であった公開練習後の記者会見。マラソン男子で前日本記録の2時間6分11秒を持つ設楽悠太は、五輪代表の残り1枠を懸けた3月1日の東京マラソンに向け、淡々とした口調の中に強い決意をにじませた。

 昨年9月の代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で14位に終わり、2位以内に与えられる代表の座を逃した。残る1枠は日本陸連が指定する東京マラソンなど3レースに絞られ、日本記録の2時間5分50秒を更新した選手が手にする。

 しかし、会見では「5分台で日本記録を更新しても代表を辞退すると思う」との発言も飛び出した。世界記録はエリウド・キプチョゲ(ケニア)がマークした2時間1分39秒。タイムへの強いこだわりは「世界と戦うには、まず4分台を出さないと話にならない。『東京五輪で走る姿が見たい』と言ってくださる方々を裏切りたくない」との思いが背景にある。

 メインの大会前にレースを重ねる異色の調整方法をとる設楽。大幅な日本記録更新を目指す東京マラソンへの仕上げの場に選んだのは、東京の2週間前に開かれる熊日30キロロードだ。

 設楽は「(東京前のレースは)気分で選んだ」と話すが、ホンダの小川智監督は2年前の東京で日本記録を出した際の調整方法に悔いを残す。同じ2週間前に唐津10マイル(約16キロ)を走ったが「(距離が短く)スピードが出るレースでたたき(鍛え)過ぎた」。

 指揮官は当時を「(体調の)ピークを過ぎて本番を迎えた」とし、さらにタイムを伸ばせる余地があったと振り返る。元日のニューイヤー駅伝、3週間後の全国都道府県対抗男子駅伝でそれぞれ区間賞。そして2週間ずつの間隔を空けて丸亀ハーフ(2位)と唐津(1位)を走り終えた時には、コンディションの峠を越えていたという。

 一方、同じレース間隔で臨んだ今年はこれまで、ニューイヤー、都道府県対抗ともに区間3位、丸亀は6位。同じ轍[てつ]を踏まぬよう、より抑えた走りになっている。調整も最終段階に入り、小川監督は「これから調子を上げていくだけ。マラソンの距離に近い30キロで刺激を入れる」との青写真を描く。気象条件さえ整えば、東京での2時間4分台達成は、大げさな目標ではなさそうだ。

 MGCでは前半に突っ込んで後半失速した設楽だが、「守りに入った走りでは、見ている人もつまらない。前半から勝負しないと世界で勝てない」と積極性は失っていない。初参戦となる熊日30キロに向け、「優勝を目指して頑張る。全力でいく」と抱負を語る。日本と世界の差を縮めることを「使命」とするトップランナーは、肥後路でも果敢な走りを見せてくれるはずだ。

 ◇したら・ゆうた 埼玉県出身。地元の武蔵越生高から東洋大に進学。箱根駅伝では2年時に7区の区間記録を更新。2016年のリオデジャネイロ五輪1万メートルに出場した。174センチ、48キロ。

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