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行った気になる世界遺産 (67) トレドなしにスペインは語れず! 電車に揺られてエル・グレコの幻想世界へ

マイナビニュース のロゴ マイナビニュース 5日前 小俣雄風太
© マイナビニュース 提供

スペインの古い格言に、「トレドを見るまでは、スペインを見たことにはならない」と伝えられる歴史都市トレド。あるいは、「もしスペインに一日しかいられないなら、トレドへ行け」とも言われる街です。今回の登場人物は、家族でスペインを観光中の30代女性。スペインの首都マドリードへやってきたものの、サッカー大好きな夫と息子がどうしてもレアル・マドリードのマッチを観たいというので、この日は別行動となりました。

○30代女性、男たちと別れて一人旅

「男たちのあの目の輝きっぷりったら。ほんと、サッカーが好きなのね。大人も子どももあったもんじゃないわ。楽しんでらっしゃい。ベッカムとかがいたチームよね、レアル・マドリードって。

おかげで今日はのんびり一人旅。こないだ雑誌の世界遺産特集に『トレドは、マドリードから日帰り可能』ってあって気になってたしね。切抜きを持ってきましたよー。

それにしてもこのアトーチャ駅はすごいわね……まるで熱帯雨林! 世界には変った駅があるものね。乗る電車はあれかな、AVANT。新幹線みたい。

あれ、もう着いちゃった!? 私版世界の車窓から、もう終了かぁ。外国だと景色を見てるだけでも楽しいな。ここはマドリッドと違ってなかなか味わいのある駅ね。すでに世界遺産感、出てるわぁ。旧市街まではちょっと歩くのね。

あっ、丘の上に見えるあの街がトレドね。『エル・グレコが描いた風景画と変らない街がそびえる』って書いてあるけどホントに変らないわ! 色はだいぶ違うけどね……。

建物もなんかマドリードとは違うな~。もっとエキゾチックというか……。『トレドは"3つの文化の街"と言われる』ってあるけど、こういうところにも表れているのかしら。『ヨーロッパでも屈指の大きさを誇る大聖堂』『3つの宗教の様式を示すサンタ・マリア・ラ・ブランカ聖堂』『天才画家の歩みを追体験するエル・グレコ美術館』……行くべきところが多すぎて、本当に日帰りできるのかしら!? 」。

「もしスペインに一日しかいられないなら、トレドへ行け」とは言っても、到底一日では足りなさそうですね。では以下、用語解説です。

ベッカムとかがいたチーム
あまりサッカーに興味がなくても、30代前半であれば日韓ワールドカップの熱狂を高校時代に経験しているもの。容姿端麗なイングランドのスター選手、デーヴィット・ベッカムの名前を覚えている人も多いはず。彼女の高校時代の彼氏は、ベッカムの真似をして髪型をソフトモヒカンにしていた。

雑誌の世界遺産特集
旅行誌はもちろん、女性誌や総合誌、ファッション誌まで世界遺産は様々な切り口で紹介されている。「世界遺産への旅」「死ぬまでに一度は見たい世界遺産」「おなかとココロを満たす世界遺産」「恋する世界遺産」etc……世界遺産の懐の深さよ。

アトーチャ駅
スペインの首都マドリードのハブ駅。モダンな駅舎内には熱帯雨林を思わせる植物園コーナーがあり、池に浮かぶカメが旅人の心を癒やしてくれる。乗車時には荷物検査があり、さながら空港のようなセキュリティ体制が敷かれている。

AVANT
マドリード・アトーチャ駅とトレド駅までを33分で結ぶ特急列車。大体1時間に1本、一日に15便を運行している。

なかなか味わいのある駅(トレド駅)
キリスト教建築とイスラム教建築のスタイルが共存するムデハル様式の歴史的建造物は、トレドを象徴するものである。トレドの駅舎は旧市街の建築様式をふまえ、20世紀初頭にネオ・ムデハル様式で建てられた。アトーチャ駅と比べると異国情緒が漂う。なお、彼女の実感に反して、新しいこの建物自体は世界遺産の登録範囲には含まれていない。

エル・グレコが描いた風景画
「トレド眺望」(1597-99)メトロポリタン美術館所蔵。風景画としては珍しい縦の構図をもち、また非現実的な色づかいが異彩を放つ一枚。トレドで活躍した画家エル・グレコが得意とする、縦の構図と劇的な色使いの人物画のスタイルが、そのまま都市の肖像に転用されている。

"3つの文化の街"
歴史的にユダヤ、キリスト、イスラムの各信者が共存し、時に敵視し合ってきたトレドでは3つの文化が混ざり合った建築や街並みが残されている。この諸文化の混交が、世界遺産に登録された理由のひとつである。

ヨーロッパでも屈指の大きさを誇る大聖堂
トレド大聖堂はゴシック様式とムデハル様式が混ざったこの街ならではの建造物。その規模はヨーロッパでも指折りと言われる。内部も必見。中央礼拝堂の彫刻装飾「トランスパレンテ」や、並みの美術館以上の絵画コレクションを誇る聖具室など見所が多い。

サンタ・マリア・ラ・ブランカ聖堂
もとはユダヤ教のシナゴーグ(会堂)だったがムデハル様式の装飾も見られ、現在はキリスト教の聖堂になっているという「3つの文化の街」トレドをよく体現する建造物。

エル・グレコ美術館
エル・グレコが描いたもう一枚のトレドの風景画「トレドの眺めと地図」をはじめ、この街で数々の傑作を生み出した画家と、その同時代の芸術家たちの作品を観ることができる。

○世界遺産データ

『歴史都市トレド』。文化遺産。1986年登録。スペイン。

○筆者プロフィール: 小俣 雄風太(おまたゆうた)

「世界遺産検定」事務局の編集部員。自転車ロードレースに魅せられ本場フランスに一年留学。その後イギリスのサイクリングアパレルブランドで広報を務め、世界各地で自転車に乗るうちに世界遺産を強く意識するようになる。検定を通じて世界遺産の魅力と意義を広めたいと奮闘中。

○世界遺産検定とは?
世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催: 世界遺産アカデミー
開催月: 3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地: 全国主要都市
受検料: 4級3,000円、3級4,500円、2級5,500円、1級9,700円、マイスター1万9,000円、3・4級併願7,300円、2・3級併願9,500円
解答形式: マークシート(マイスターのみ論述)
申し込み方法: インターネット又は郵便局での申し込み
その他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて。
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