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5代目スバル レガシィは「でっかく」フルモデルチェンジ【10年ひと昔の新車】

Motor Magazine のロゴ Motor Magazine 2022/01/15 07:00 Motor Magazine編集部

2009年、スバルの基幹モデル「レガシィ」シリーズが6年ぶりにフルモデルチェンジして5代目となって登場した。主力の「ツーリングワゴン」、セダンの「B4」、さらにSUV「アウトバック」と、3つの車型が同時に一新されるのは初めてのことだった。居住性の向上を図ってボディサイズをアップ、水平対向ユニットも排気量アップされていた。ここでは登場間もなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年8月号より)

© Motor Magazine 提供

日本独自のボディサイズ規格にこだわらないグローバルカー

長年の間、日本のなかで築き上げられてきたクルマづくりは、独自の交事事情や道路環境などに即したものである。5ナンバーサイズが受け入れられてきたのもそうした経緯があるからに他ならない。レガシィが多くのファンに愛されてきたこともそうした要因があったからこそなのだ。

エアロパーツを装着したようなフロントバンパーが純正らしからぬ表情のセダンB4。グリルはスバルファミリー共通の翼をモチーフにしたデザイン。 © Motor Magazine 提供 エアロパーツを装着したようなフロントバンパーが純正らしからぬ表情のセダンB4。グリルはスバルファミリー共通の翼をモチーフにしたデザイン。

しかし、それはあくまで日本国内の事情を主に考えたという前提があり、グローバルなマーケットへ目を向けた時、それが通用するかというとメーカーには疑問符が残っていたことも事実。新しいレガシィは、今までのそうしたノウハウや伝統を捨ててまでも、新たな一歩を踏み出す必要があったのだろう。

「ずいぶんと大きくなったものだ」。これが新しいレガシィと対面したときの第一印象。レガシィツーリングワゴンで見るとデメンジョンは、全長4775mm、全幅1780mm、全高1535mm。先代モデル比で全長がプラス95mm、全幅がプラス50mm、全高がプラス65mmとスリーサイズとも拡大された。これはB4もアウトバックも同じ、すべてが大きくなった。

さらにエンジンラインナップでも、初代BC/BF型から続いていた2LとBE/BH型、BL/BP型と2世代続いた3Lエンジンがなくなり、2.5LのNAとターボ、そしてアウトバックに搭載される3.6L NAの3種類になったことで、伝統的にレガシィから連想されるものが希薄になった。今までのオーナーはさぞかし新しいレガシィのサイズアップと排気量には、戸惑っていることだろう。

インパネデザイン3車とも共通。ECOゲージはメーターの左端に用意される。 © Motor Magazine 提供 インパネデザイン3車とも共通。ECOゲージはメーターの左端に用意される。

しかし、日本独自のボディサイズ規格にこだわらないグローバルカーとなったレガシィにとって、それらは多くの恩恵をもたらしたことも事実だ。それが一番顕著に表れているのが室内の広さだろう。運転席に座った瞬間からカップルディスタンスの違いに気がつく。

それを視覚的にも強調しているのがセレクトレバーまわりのデザインである。すっきりとシンプルにまとめられて余分なスイッチ類はなく、SI-DRIVEのセレクターと縦列から横並びに変更されたカップホルダーが用意されるのみとなっている。

室内空間の活用という点では、フロントシートバックの「えぐれたデザイン」はグッドアイデアと言っていいだろう。これによりリアシートの居住性は確実に向上している。だからといってフロントシートが薄っぺらになったというわけでもない。シートは大きくゆったりとしていて快適だ。

一新されたエンジンマウントがNVHを大きく改善した

エンジンは3機種をラインナップする。なかでも好印象だったのは2.5LのNA。低中速域がとても扱いやすい。さらに、レスポンスもよく、アクセルペダルの踏み込み量に対して忠実に加速していくので高速域でもストレスを感じることはなかった。

エンジンは水平対向4気筒の2.5LのNAとターボ、水平対向6気筒3.6L NA。3.6Lユニットは先代の3Lと同等サイズのまま排気量を20%拡大したコンパクト設計。 © Motor Magazine 提供 エンジンは水平対向4気筒の2.5LのNAとターボ、水平対向6気筒3.6L NA。3.6Lユニットは先代の3Lと同等サイズのまま排気量を20%拡大したコンパクト設計。

2.5Lターボは鋭い加速力と絶対的なパワーを備え、3.6Lも太いトルクを使った低速域から余裕ある走りをみせるが、やはり新しいレガシィを実感できるのは2.5L NAだろう。

なぜならこのエンジンにはトランスミッションに新開発のリニアトロニックとスバルが呼ぶチェーン駆動のCVTが組み合わされるから。これは燃費の向上にも貢献していて、10・15モード燃費では先代の2.5L NA比で1km/h向上を実現した。ちなみに2.5L NAと3.6Lはともにレギュラーガソリン仕様というのもうれしい。先代の3Lはプレミアムガソリン仕様だったので、排気量アップしてレギュラー仕様に変更された部分だけをみても積極的に選択する理由になる。

SUVのアウトバック。アウトバックに搭載される水平対向6気筒3.6Lエンジンは335Nmの最大トルクを発揮するが、CVTはこのトルクに対応できず5速ATと組み合わされる。 © Motor Magazine 提供 SUVのアウトバック。アウトバックに搭載される水平対向6気筒3.6Lエンジンは335Nmの最大トルクを発揮するが、CVTはこのトルクに対応できず5速ATと組み合わされる。

ロールは全体的に大きめだが、だからといって乗り心地がスポイルされているわけではない。低速から快適さを維持しながら、踏み込めばスバルらしいスポーティな走りも健在だ。さらに、振動も低減された。これはエンジンマウントの構造を一新して、マウント支持部の間隔を広げることで路面からの入力を直接ボディに伝わり難くくしたクレドール(ゆりかご)状のものにしたことが大きく影響しているようだ。

新しいレガシィに不満がないわけではない。まず違和感を感じたのは大きくなったボディだ。最小回転半径も5.5mに拡大している。しかし、それ以上にハンドルのスポークに採用された素材に不満が残った。チープな印象を受けたからだ。ドライバーがよく触れる部分なのだが、高級感が感じられない。せめてグレードによって素材を分けるか選べるようにして欲しい。また、省燃費走行をサポートするECOゲージは、もう少し目立つ場所に配置してもよかったのではないかと思う。

日本のマーケットにこだわらずグローバルカーとして生まれ変わったレガシィ。日本のユーザーに受け入れられるのかどうかはもう少し時を経ないと結果は出ないが、この試乗で基本性能の向上は確認できた。日本の枠から飛び出し、メインマーケットとなる海外へ目を向けた新しいレガシィが世界で活躍する日は近いのかもしれない。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:原田 淳)

スバル レガシィツーリングワゴン2.5GT Sパッケージ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4775×1780×1535mm

●ホイールベース:2750mm

●車両重量:1550kg

●エンジン:対4DOHCターボ

●排気量:2457cc

●最高出力:210kW(285ps)/6000rpm

●最大トルク:350Nm/2000-5600rpm

●トランスミッション:5速AT

●駆動方式:4WD

●10・15モード燃費:11.2km/L

●タイヤサイズ:225/45R18

●車両価格:336万円(2009年当時)

スバル レガシィB4 2.5i L パッケージ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4730×1780×1505mm

●ホイールベース:2750mm

●車両重量:1460kg

●エンジン:対4SOHC

●排気量:2457cc

●最高出力:125kW(170ps)/5600rpm

●最大トルク:229Nm/4000rpm

●トランスミッション:CVT

●駆動方式:4WD

●10・15モード燃費:14.0km/L

●タイヤサイズ:205/60R16

●車両価格:252万円(2009年当時)

スバル レガシィアウトバック3.6 主要諸元

●全長×全幅×全高:4775×1820×1605mm

●ホイールベース:2745mm

●車両重量:1580kg

●エンジン:対6DOHC

●排気量:3629cc

●最高出力:191kW(260ps)/6000rpm

●最大トルク:335Nm/4400rpm

●トランスミッション:5速AT

●駆動方式:4WD

●10・15モード燃費:10.0km/L

●タイヤサイズ:225/60R17

●車両価格:346万5000円(2009年当時)

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