古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

「下町ロケット」は演技力より意外性? “配役の下町マジック”に注目

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2018/11/09 11:30
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など © Asahi Shimbun Publications Inc. 提供 カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「下町ロケット」(TBS系 日曜21:00~)をウォッチした。

*  *  *

 画面いっぱいの顔面で圧力を高め、耐えて耐えて倍返しする季節が、またやってまいりました。

 あまりにカメラが寄りすぎて、主人公の佃(阿部寛)の眉毛のアップから場面が始まったりする。次は、おそらく毛穴からだ。

 下町の部品工場が、数多(あまた)の困難を乗り越えながら、そのプライドにかけて大企業と渡りあうというテッパンのストーリー。

 もう結末わかってるんだもの。絶対めでたしめでたしだから。倒産、夜逃げエンドとかないから。そんなわかりきったドラマの、どこに目新しさを出すかって、そりゃもう配役なのだ。

 なんせ3話のゲスト悪役、佃製作所の信用調査にやってくる企業審査のエキスパート・安本役が、ピコ太郎こと古坂大魔王。

「バカばっかだな~!」と、今にも電子音で踊り出しそうなアクションで、ピコ太郎が阿部ちゃんたち町工場メンバーを罵倒する。

 ピコ太郎、阿部ちゃん、ピコ太郎、時々今野浩喜(彼も芸人。経理部係長役)というカメラワーク。どうにもピコ太郎がアクセントで、目が離せない。これが下町マジック?

 でもね、終始高圧的だったピコ太郎、伝統芸能枠・落語部門のレギュラー、立川談春経理部長が出てきたら、もうコロリ。あっつー間に改心して、生温かい目でロケットエンジン眺めたりしてるから。お前、一体なんのために出て来たんだランキング、下半期1位。

 とにかく演技力とか、プロの役者の存在感とか、たぶんハナから求められてない。必要なのは、意外性とサプライズ。だって、天才エンジニア役がイモトアヤコなんだから。

 彼女を追いやった元上司に福澤朗、ライバル企業の社長に古舘伊知郎の元局アナ陣はまだしも、帝国重工の燃焼試験で、カウントダウンする社員役に、元プロ野球監督の落合博満氏の息子、福嗣くんをキャスティングしたの誰──?

 芝居と画面の密度は、もっぱら伝統芸能枠(歌舞伎からは尾上菊之助が出演)におまかせだ。

 ただし、そんな菊之助も、なぜか阿部ちゃんと共に田んぼに突っ込んで泥まみれになったりするから、油断ならない。マンネリ打破のためなら、なんでもありか。来週あたり、ロケット搭乗員役でZOZOTOWNの前澤社長と剛力彩芽、呼ばれてるよね?

※週刊朝日  2018年11月16日号

AERA dot.の関連リンク

image beaconimage beaconimage beacon