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宮崎あおい、青山真治監督しのぶ「私にとって本当に大切な人」 PFFで特集上映

ORICON NEWS のロゴ ORICON NEWS 2022/08/03 19:24 ORICON NEWS

 今年で44回目を数える映画祭「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」(9月10日~25日)の会場となる東京・京橋の国立映画アーカイブで3日、ラインナップ発表会が行われた。第1回から続く、自主映画を対象とした日本初の本格的なコンペティション「PFF アワード」をメインプログラムとし、招待作品部門では、映画祭でしか観ることのできない特集上映企画、映画講座が予定されている。今年は「青山真治監督特集」が決定し、俳優の宮崎あおい(※崎=たつさき)がビデオメッセージで青山監督への思いを語った。

 『EUREKA/ユリイカ』『東京公園』など数多くの傑作を生みだし、今年3月21日に亡くなった青山監督。同特集は、監督作品の中から、フランスで製作され、未ソフト化&未配信の『赤ずきん』や、『私立探偵濱マイク 名前のない森』の71分の映画版ロングバージョンなど、上映される機会の少なかった5作品をセレクトし、すべて35ミリフィルムで上映する。

 ビデオメッセージで宮崎は「私は2000年の『EUREKA ユリイカ』で青山監督と初めてお会いし、そして 『サッドヴァケイション』『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』と3作品でご一緒させていただいたんですが、今の私があるのは青山監督と出会って、青山組のかっこいいスタッフの方たちと出会ったから、わたしは今もこうしてお仕事を続けているんだろうなと思います。私にとって本当に大切な人です」と語った。

 今回の特集上映作品にも触れ、「これらがすべて35ミリフィルム版とのことです。音や画に本当にすばらしい感覚をお持ちだった青山監督がつくられたこの作品をぜひ若い世代の方にも観ていただきたいですし、また過去にも青山監督の作品を観たことがあるという方も、自分の年齢が変わったり、置かれている環境が変わったりする中で、作品の感じ方というのも変わってくるのではないかと思います」とコメント。

 さらに「私自身も『EUREKA ユリイカ』を数年おきに観ているのですが、13~14歳で観たころとは全然違う感じ方をして、ますます『EUREKA ユリイカ』のことを好きになっていきますし、作品を作った青山監督のことも好きになっていきます。きっとこれからも青山監督の作品はきっといろいろなところで上映されていくと思うし、上映し続けてほしいなとも思っております。ぜひたくさんの方に、この機会に観ていただきたい」とメッセージを送った。

 ラインナップ発表会には、今回の「PFFアワード」最終審査員を務める三島有紀子監督、招待作品部門のメイン特集となる「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」を共催するイタリア文化会館のアルベルト・マナイら、それぞれの部門にゆかりのあるゲストが出席。

 「PFFアワード」は520本の応募作品の中から16作品が入選。今年の傾向について荒木啓子ディレクターは「半数以上が初監督作品で、初めて撮った人が多かった。なぜ多いのかと考えましたら、なんとコロナで時間ができて。今まで映画を撮ってみたかったのでやってみようと。コロナによって考える時間と、夢を実現する時間ができたことに感動しています。とにかく初めての人たちが温めてきたものが力のある作品になった。じゃ次に彼らがどんな作品を作ることになるのか、ということは、今後、映画祭のスクリーンで上映されて、いろんな人に観てもらうことで変わっていくんだろうと思います」と分析した。

 三島監督も「今の自分だったら神経も図太くなっているので出していると思うけど、自分が映画を作り始めた時は、PFFは敷居が高くて。応募するのに躊躇(ちゅうちょ)していたんです。だから今回の審査員のお仕事もとんでもございません、という感じでしたが、わたしのようにPFFに出せなかった人間が、なんとか這いつくばりながら映画を作ってきた。例えば、こういうテーマで撮りたいというものを、オリジナルのテーマを守りながら撮るというやり方もあるし、オリジナルで撮っていくという形もある。いろんなやり方をした人間が、審査員として参加するというのは、ひとつの形としてあるかなと思いました」とコメント。

 さらに、今回の審査の基準について、「その人のまなざしが見えるもの。その人のオリジナルの表現を持っているということが大事なところかなと思います。言葉にするとそういうことですが、感覚で表現すると、なんかずっとその映画のことを考えたくなるというか。その描かれた人物について考えたくなるということ。それがわたしにとっては大きいポイントになると思います」と付け加えた。

 パゾリーニ特集については、今年がパゾリーニの生誕100周年であることを記念して、日本初上映作品を含む16プログラムが上映されることになった。

 マナイ氏は「ここまでコンプリートに近い形でパゾリーニを紹介できるのは、おそらくアジアでは初ではないかなと思っています。パゾリーニは20世紀のイタリア文化でも特異な存在です。もちろん映画監督としても有名ですが、小説家、詩人としても非常に大きなものを遺しました」とその足跡を紹介した。

 映画祭の上映プログラムについて「PFFのプログラムの基本は、常にPFFアワードにあります。招待作品なども、PFFアワードの応募者に見せたいというのが大きな基準です」と明かした荒木ディレクター。「そういう意味でパゾリーニは、今、映画を作ろうとする人たちに見せたいんです。もちろん青山さんの作品もそう。映画作りに興味がある人たちに観てもらえたらと思っています」と、語っていた。

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