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磯村勇斗、念願のカンヌ国際映画祭を満喫「もっと自分も頑張れると思えた」

ORICON NEWS のロゴ ORICON NEWS 2022/05/21 16:22 ORICON NEWS

 フランスで開催中の「第75回カンヌ国際映画祭」オフィシャルセレクション「ある視点」部門に正式出品された早川千絵の長編映画初監督作品『PLAN 75』(6月17日公開)の公式上映に合わせて、メインキャストの一人、磯村勇斗が、2泊4日の弾丸スケジュールで現地入りを果たした。

 現地時間20日、午前11時20分からフォトコール、午後1時30分から作品が徐栄されるドビュッシー劇場でレッドカーペットセレモニー、午後2時から公式上映を経て、午後4時30分からジャパン・パビリオンにて記者会見、午後9時15分からメイン会場でレッドカーペットセレモニーと、大忙しの一日となった。

 まず、色鮮やかなシャツと爽やかな白いパンツ姿の磯村がフォトコールに登場すると、世界各国から集まった100台以上のカメラマンが一斉にフラッシュをたき、「イソムラーー!!」のコールも起こった。磯村は今回が自身初の海外映画祭への参加。特にカンヌ国際映画祭には思い入れがあり、参加を熱望し、実現したという。今回、磯村のほかに、出演者の一人でフィリピン人俳優ステファニー・アリアン、早川監督も参加した。

 公式上映では、満場の客席から拍手喝采の嵐。これが初めての海外映画祭への参加となった磯村は、観客たちの大歓迎を受けてカンヌデビューを果たし、感無量な様子。上映終了後、カンヌの観客は、5分以上のスタンディングオベーションで作品を讃えた。感激した観客がそばに駆け寄り、「素晴らしい映画だった」と早川監督をハグする姿も見られた。

 上映後、日本メディア向けの記者会見で早川監督は「今回上映していただいたドビュッシー劇場は音の環境が良いと聞いていたのですが、初めて大きなスクリーンで素晴らしい音響の中で上映していただき、それに立ち会うことができてとても感無量です」と感慨深げに語った。

 磯村も「世界の人たちと一緒に映画を観ることが初めてだったのですごく光栄でした。観客の反応を見ながら、映画を観ていたので少し緊張もしましたが、非常に良い経験をさせてもらえたと思います」と感謝の言葉を述べた。ステファニー・アリアンも「多くの方々が心を込めて作った作品でカンヌ国際映画祭に参加できたことに大変感謝しています」と話した。

■現代の社会問題のひとつとして高齢化問題について考えていた

 『PLAN 75』は、少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本を舞台に、超高齢化社会に対応すべく、75歳以上が自ら生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、翻ろうされる人々の姿を描いた作品。

 今回は残念ながら参加できなかった主演の倍賞千恵子への思いを訊かれ、早川監督は「すぐにでも電話をして声を聞きたいですね。上映中も、撮影時の倍賞さんのことを思い出しながら観ていました。ミチを演じていただき、ありがとうございますという思いでいっぱいです」と語り、「倍賞さんからは、“(カンヌは)若い人たちに任せたから頑張ってきて!”と仰っていただいたんです」と笑顔をのぞかせた。

 磯村は「倍賞さんとの共演シーンは少なかったのですが、目が魅力的でした。役を超えて、倍賞さんが今まで生きてこられた全てがミチという役に投影されているように感じるほど、とても自然体で、醸し出す空気が人生を物語っていました」と倍賞への尊敬の念を語った。共演シーンはなかったが、撮影現場では一緒に過ごしていたステファニーは「一緒にお昼ご飯を食べたり、写真を撮っていただきました」と、明かした。

 海外からの注目度も高く、評価を受けていることについて、早川監督は「人間の生と死、どう生きるか死ぬかや尊厳については普遍的な問題だと思います。特にコロナ禍になってからは世界中でより多くの人が、どうやって生きるのか、人間の尊厳を保っていくのかと考えるようになったのではないでしょうか」と分析。

 若い世代として、高齢化社会への危機感を持っているのかと質問を受けた磯村は「作品のオファーをいただく前から、現代の社会問題のひとつとして高齢化問題については考えていました。若い人たちだけに責任が押し付けられてしまわないか、一生懸命働いても負担が減らないのではないかと常々、解決策がないかと思っていました」と明かし、その感情を役に込めたと話した。

 本作が長編映画デビューとなる早川監督の印象について、磯村は「演出が丁寧で俳優に寄り添ってくれる方。俳優のアクティングスペースに入って、監督自身が実際に動作を見せてくれ、時にはディスカッションを交わしながらの撮影でした。安心して信頼できる現場だったと思います」と振り返り、ステファニーも「監督が何を求めているのかをはっきりと言ってくれ、私の意見もしっかりと聞いてくださったので、とてもやりやすかったです。また、私の母国であるフィリピンの文化に対して、リスペクトを持って描いてくれたことにも感謝しています」と、語った。

 最後に、カンヌ国際映画祭に参加したいと長年思い描いていた夢が叶った磯村は「カンヌに来て、映画を愛している人たちが世界にはこんなにもたくさんいるんだなと改めて感じることができました。そういう方々を見て、もっと自分も頑張れると思えましたし、これからも映画に対して愛を持って取り組んでいきたいと思いました」と、今後の俳優人生への決意をにじませ、会見を締めくくった。

 記者会見後、メイン会場となるパレ・デ・フェスティバルのレッドカーペットを歩いた磯村たち。限られた滞在期間内で、思う存分、カンヌ国際映画祭を満喫したようだった。

 なお、日本人監督の作品が「ある視点」部門に出品されるのは、2017年の黒沢清監督『散歩する侵略者』以来5年ぶり。日本人女性監督としては、15年『あん』の河瀬直美監督以来2人目。「ある視点」部門の受賞発表は今月27日。

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