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<試写室>中島健人“王子封印”で『大人から子供まで楽しめる』を実現した「ドロ刑―」

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2018/10/13 21:38
© KADOKAWA MAGAZINES 提供

ドラマにおける「大人から子供まで楽しめる」程、信用できない言葉はないと思っていた――。

10月13日(土)に中島健人主演の新土曜ドラマ「ドロ刑-警視庁捜査三課-」(毎週土曜夜10:00-10:54日本テレビ系※初回は15分拡大で11:09まで)がいよいよスタートする。

原作は現在「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で絶賛連載中の漫画「ドロ刑」で、作者は福田秀。刑事と泥棒がタッグを組んで難事件を解決するという異色の刑事ドラマだ。

独断と偏見とジョークに満ちたレビューでお送りするWEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。今回は「ドロ刑―」の魅力を語らせてもらう。

■ まずは、ドラマの概要をおさらい!

斑目勉(中島)は、警察官でありながら、オンオフをはっきりしてプライベートの充実をめざすことを公言するような今どきの若者。そんな彼に、突然刑事になるべく辞令が下る。厳しい刑事の世界に戸惑う彼が出会ったのは、伝説の大泥棒・煙鴉(遠藤憲一)だった。煙鴉は一切証拠も痕跡も残さない、華麗な盗みの技を持つ大泥棒で、警察もその正体をつかめずにいる。

そんな煙鴉は斑目が「刑事に向いている」と、泥棒を捕まえる「泥棒刑事」=「ドロ刑」の極意を、泥棒の目線から教え、斑目を究極のドロ刑へと育てようとする。

■ 「大人から子供まで楽しめるドラマ」が実在した!

このドラマは「大人から子供まで楽しめる」ことを売りにしている。申し訳ないが、そう言われると大人としては「物足りないのでは」と思ってしまう。テレビ誌記者を長年やっていると心が荒んでくるのかもしれない。だが、どうしても両立できるとは思えないのだ。

ところがどっこい、このドラマはしっかり見て良し、気楽に見て良し、で驚かされてしまった。その理由を考えてみた。

■ 1、脚本と演出のテンポが良い!

本作の脚本を手掛けるのは林宏司。多くのドラマを担当してきたが、林×刑事といえば個人的には「BOSS」(2009年、2011年フジテレビ)が記憶に強く残っている。主人公がきちんと中心にいながら、同僚たちのキャラが粒立って、気付いたら全員を好きになってしまう中毒性があった。よく記者同士の会話でも「好きだったドラマ」トークに必ず上がる作品で、他ならぬ自分も「BOSS」が大好きだった。

「BOSS」好きならきっと好きになるであろう「ドロ刑―」の脚本。自分は仕事上、「ドロ刑―」の台本を読ませてもらえるのだが、中島もインタビューで語っているように、せりふのボリュームが多く、台本は通常の1時間ドラマよりもずっしりしているのだ。1話に限って言えば、「初回で30分拡大かな?」と思った程。なお、初回は15分拡大だ。

それだけのせりふを詰め込んでいるので、演出はテンポよく進んでいく。それもただの駆け足ではなく、緩急が絶妙だ。試写会では一般客からたびたび笑い声が上がるシーンもあった。濃厚な会話劇はこのドラマの肝になってくるだろう。

そもそも泥棒が刑事を育てるという事が現実離れしているが、その「有り得ない!」世界にもグッと引き寄せられるので、脚本と演出の威力は偉大である。

■ 2、心に刺さる哲学がある

窃盗事件を扱う捜査三課が舞台ということで、基本的にはグロテスクな事件もなく、安心して楽しく見られる本作。その中に、働く人の葛藤、これから働こうと思う人の不安など丁寧な心理描写がある。

第1話では、煙鴉(遠藤)が「お前、刑事に向いているよ」と何気なく掛ける言葉が、終わる頃にはグッと刺さる。誰しも向き不向きで仕事や人間関係に悩むことはあるが、それって誰が決めるのか。誰の言葉を信用するのか。1話では「向いてる」「向いていない」をキーワードに見ると、学びのあるものになる。こういった投げ掛けは今後も続いていくと期待している。

■ 3、“キラキラ封印”の中島健人が結局キラキラしている

そして、キャスト。遠藤、石橋杏奈、中村倫也、江口のりこ、野間口徹、丸山智己、板尾創路、稲森いずみと脇を固める俳優がドラマを盛り上げていくが、やはり注目は中島だ。

中島というとSexy Zoneのメンバーでキラキラ王子として活躍し、演技も恋愛モノが多い印象があったが、今回の役は胸キュンなどせりふは特になく、“キラキラを封印”している。いわゆるノーセクシーだ。

今どきの若者の代弁者として理不尽には意義を唱えるシーンがあるが、不思議とイラッと来ないのである。むしろ褒められたら素直に喜び、失敗したら落ち込み、意味不明な年輩者に振り回されてアタフタしたり、空気を読まずにマイペースを貫いたり、というキャラクターの中から溢れ出る“キラキラ”が見る者を引き付ける。ここが中島の魅力なのだろう。中島の演技になじみがない人には、是非この機会に彼の骨太で繊細な演技力も知ってほしい。1話のゲスト・高橋克実との取り調べでの攻防は圧巻だ。

そして、単純に見ていて美しい。スラッと長い脚と、アップに耐えられるきれいな顔立ちが1話の中でコロコロと変わり、一切飽きが来ないのだ。中島演じる斑目が笑って、怒って、喜んで、落ち込んで、迷って、という顔は子犬を見ているような気分にもなって来る。

■ 「大人から子供まで楽しめる」とは、誰かと語り合いたくなるドラマ!

「大人から子供まで楽しめる」ドラマが今夜、いよいよ始まる。斑目や捜査三課のメンバーの奮闘に笑って、煙鴉のすごみにドキドキして、放送終了後には誰かと語り合いたくなる本作を、まずは1話見てみる事をお薦めする。(ザテレビジョン)

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