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理学療法士が推奨!下半身の筋力を上げるたった1つのゴールデンエクサとは

ヨガジャーナルオンライン のロゴ ヨガジャーナルオンライン 2019/09/06 03:35
© Getty Images

筋肉量は20歳から徐々に低下する

筋肉量が加齢とともに減少することは、様々な研究で分かっています。筋肉量は20代をピークに年々落ちていき、40歳からは1年に1%ずつ減少するといわれています。上半身と下半身では、下半身の方が筋肉量の低下が大きく、これが転倒や歩行困難、活動量の低下を招きます。

加齢に伴う上半身と下半身の筋肉量の推移 © 加齢に伴う上半身と下半身の筋肉量の推移 加齢に伴う上半身と下半身の筋肉量の推移

しかし、年齢のせいにして諦める必要はありません。実は、筋肉は100歳になっても鍛えれば必ずつくのです。何もしなければ、毎年1%ずつ筋力が低下することが分かっているのなら、今から鍛えてできる限り筋力を維持していくことができるはずです。私たちの全身には400個の筋肉があります。その400個の筋肉を一つひとつ鍛えるとなると、当然嫌気がさしますよね。しかし、すべての筋肉を鍛える必要はありません。その400個の筋肉のうち、主要な3つの筋肉だけを維持しておけば良いのです。

3つの鍛えるべき筋肉とは?

下半身の筋力低下を予防する上で重要になるその3つの筋肉とは、

・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)

・大殿筋(だいでんきん)

・腸腰筋(ちょうようきん)

です。この3つの筋力を維持しておけば、身体を動かす際に他の筋肉も働きやすくなり、自然と他の筋力も維持できます。逆にいえば、この3つの筋肉が弱っていると、他の筋肉まで弱りやすくなってしまいます。

①大腿四頭筋

大腿四頭筋は膝伸展といって、スネを前に持ち上げる筋肉です。最も衰えやすい筋肉といわれていますが、鍛えると効果の出やすい筋肉でもあります。

Illustration by AC とだ © Illustration by AC とだ Illustration by AC とだ

②大殿筋

大殿筋は股関節伸展といって、太腿を後ろに持ち上げる筋肉です。姿勢や歩行に大きく関与します。

Illustration by AC とだ © Illustration by AC とだ Illustration by AC とだ

③腸腰筋

腸腰筋は股関節屈曲といって、太腿を前に持ち上げる筋肉です。大殿筋と同様、姿勢や歩行に大きく関与します。

Illustration by AC PRiCO(ぷりこ) © Illustration by AC PRiCO(ぷりこ) Illustration by AC PRiCO(ぷりこ)

たった1つのエクササイズとは?

下半身の筋力を向上させるたった1つのゴールデンエクササイズ、ズバリ、それは「スクワット」です!

Photo by Yuki Horikawa © Photo by Yuki Horikawa Photo by Yuki Horikawa

ヨガのアーサナでいうと、ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)と、ウールドゥヴァハスターサナ(手を上にあげるポーズ)の繰り返しといったところでしょうか。「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれているスクワット。大腿四頭筋の強化に最も優れているともいわれています。安定した体幹とともに、股関節と膝関節の屈曲伸展を協調的に行わないとできない、総合的なエクササイズです。スクワットは、先述した3つの主要な筋肉はもちろんのこと、大腿四頭筋を使う時に同時に働くハムストリングスや、下腿三頭筋、体幹を安定させるための脊柱起立筋群や腹筋群・・・と、全身の筋肉を使います。だからツライ。ツライから嫌われるエクササイズです。でも、全身の筋肉をまとめて全部使えることこそ、スクワットの魅力であり、「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれる理由です。そういう意味では、スクワットに代わる種目はないと言ってもいいでしょう。

スクワットにも実に様々なバリエーションがあります。今回はその中でもスプリット・スクワットを紹介したいと思います。

スプリット・スクワットをやってみよう

ヨガのアーサナでいうと、「ハイランジ」のバリエーションといったところでしょうか。

Photo by Yuki Horikawa © Photo by Yuki Horikawa Photo by Yuki Horikawa Illustration by AC とだ © Photo by Yuki Horikawa Illustration by AC とだ

方法は、足を前後に広めに開き、後ろ脚の膝を床に近付けるイメージで両膝を曲げながら腰を沈めます。背中は床から垂直のまま、息を吐きながら3秒かけて沈み、吸いながら3秒かけて元の姿勢に戻ります。左右10回ずつを3セット行いましょう。

Photo by Yuki Horikawa © Photo by Yuki Horikawa Photo by Yuki Horikawa

両手の位置は、写真のように腰に添える、胸の前でクロスする、頭の後ろで組む、天井に伸ばす、の順に難易度が上がるので、選んでおこなってください。通常のスクワットよりも、スプリット・スクワットのほうが、歩行や走行、階段昇降などの日常動作に近い股関節の使い方をしますし、スポーツなどの応用動作にもつながりやすいです。また、通常のスクワットよりも深くしゃがめるので、深くしゃがむほど太腿の膝上の部分(遠位)だけでなく、内転筋や太腿の鼠径部の辺り(近位)にも効きます。そして、左右の下肢が同時に異なった動作をするため、体幹を安定させるためのコントロールがより必要になります。

他にも、筋肉には様々な収縮様式がありますが、しゃがんでいく動作の時に、前脚の大腿四頭筋と大殿筋は遠心性収縮、腸腰筋は求心性収縮が起こります。一方で後ろ脚は、大腿四頭筋と大殿筋は求心性収縮、腸腰筋は遠心性収縮が起こります。このように、前脚と後ろ脚とで、同じ筋肉でも異なった筋肉の活動を起こすことが可能です。しゃがんだところで静止してキープすれば、等尺性収縮ですよね。

そしてもう一つ、これは私の見解ですが、日本人の座りっぱなしの時間の長さが問題視されていることについては、以前コラム「オフィスで簡単ヨガ」でお伝えしました。座位姿勢は股関節をずっと縮めた状態(屈曲位)なので、股関節を反対方向に伸ばす(伸展)動きが必要です。これは歩行でも必要な動きです。ですので、股関節を屈曲位で鍛える通常のスクワットでなく、後ろ脚の股関節を伸展位で鍛えることのできるスプリット・スクワットを今回選びました。

スプリット・スクワットの注意点

正しいフォームでエクササイズを行わないと効果がないだけでなく、怪我や痛みの原因となってしまいます。そこで、注意点が3つあります。

①膝を外反させないことです。

knee inとも言い、繰り返すと膝関節を痛めやすいフォームです。膝は両膝とも足の人差し指の方向を向きます。膝をねじらないように注意して曲げ伸ばししましょう。

②下までしゃがみ切った時に前膝がつま先より前に出ない位置で行うことも、膝へのストレスを回避させるポイントです。

どうしても膝のほうが前に出てしまう場合は、歩幅(両足の縦の間隔)を少し広げましょう。

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③腰椎は適度な前弯を保ちつつ、腰を反らし過ぎないことです。

恥骨は正面に、尾骨は床に向けて、骨盤の左右のASISという突起の高さを揃えて、骨盤をニュートラルに保ちましょう。

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最後に

いかがでしたか?鍛えるべき3つの筋肉と、そのためのエクササイズ、理解していただけましたか?この一つのエクササイズだけでいいので続けてみてください。グラつく時やキツいと感じる時は、壁や手すりを持っておこなってもOKです。自分の身体と長く付き合っていくためにメンテナンスをしていくのは、やっぱり自分自身です。1日のうちほんの数分間でいいので、自分の身体と向き合えるゆとりを持てるといいですね。

参考

園部俊晴「健康寿命が10年延びるからだのつくり方」運動と医学の出版社,2017

石井直方「トレーニング・メソッド」ベースボール・マガジン社,2009

ライター/堀川ゆき

理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。モデルやレポーターとして活動中ヨガと出会い、2006年にRYT200を取得。その後、健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士国家資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在大学病院やスポーツ整形外科クリニックで、運動機能回復のためのリハビリ治療に携わる。RYT200解剖学講師も務める。

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