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認知症になりやすい人の口癖「最近の奴らは」「疲れたよ」

NEWSポストセブン のロゴ NEWSポストセブン 2019/11/13 16:00
認知症になる人にはどんな特徴がある? © SHOGAKUKAN Inc. 提供 認知症になる人にはどんな特徴がある?

 特効薬のない「新たな国民病」である認知症だが、毎年の健康診断だけでは対応が遅れるリスクがある。そこで注目したいのが、日々の「口癖」だ。

 認知症になりやすい人の性格的特徴について、日本でも研究が進められている。その先鞭をつけたのが、1990年に東京都老人総合研究所副所長(当時)の柄澤昭秀博士が発表した論文だ。認知症の高齢者165人と健康な高齢者376人の40~50歳当時の性格を近親者から聞き取っている。

「明るい・開放的」「劣等感を持ちやすい」「愛想がない」など40項目のチェックリストを使い、対象者の性格を8つのタイプに分類。その結果、認知症の割合が高かった性格タイプの一つとして、短気などの「感情型」が挙げられている。さらに、認知症発症前の特徴的な性格の一つには「わがまま」が含まれていた。

 この柄澤博士の追跡調査結果では、認知症発症前の特徴的な性格として、「頑固」「杓子定規」なども挙げられている。性格タイプとしては、「粘着型」に分類される人に、発症する割合が高かったのだ。おくむらメモリークリニック院長の奥村歩医師が解説する。

「柔軟な考え方ができず『世の中がおかしい』『今の若い奴らは』『俺は俺、人は人』などの口癖がある人は脳の前頭葉の機能が低下している可能性もある。前頭葉は社会に適応し、場の空気を読む機能を担います。

 最初のうちは、ちょっとわがままといった程度で済みますが、進行すると、突然、暴力を振るうなどの行為も出てくることがある。そうして認知症に近づいていくことになる」

 頑固・杓子定規タイプの口癖から、イライラ型へと移行していくケースについても、注意が必要だ。

 いつも「あの頃はよかった」とこぼす人は少なくない。会社員として仕事で成果を残した頃と現在を比べてしまい、つい口をついてしまうフレーズだが、これも気をつけたほうがいい。認知症に詳しい蔵前協立診療所所長の原田文植医師が語る。

「脳の特性として、順調だったことよりも“つまずき”を記憶しやすい。失敗を繰り返さないための傾向だと考えられていますが、加齢により失敗の記憶が増えていくと、どんどんネガティブな思考になり、『どうせ○○だろ』『もうだめだ』『死にたい』『疲れたよ』など後ろ向きな言葉を口にしがちです。これが口癖になってしまうと不安や焦燥を呼び、うつ状態に陥ってしまうこともある」

 歳を重ねると自然と後ろ向きな思考や口癖が増える傾向になるので、意識して「人生はまだこれから」「今が一番」「まだ大丈夫」などの言葉を口にするよう心がけることが望ましいと、原田医師はアドバイスする。

「“認知症になったら終わり”と考えてしまいがちですが、症状や進行に個人差がある。身体や記憶力が若い頃に比べ、少しくらい落ちるのは当然です。

 口癖を変えることで重篤な副作用はない。今後どう生きたいか、など前向きの言葉を口にすることが、焦燥を消し、症状の進行を遅らせることも期待できます」

 認知症という未解明な部分が多い困難な疾患と闘うためにも、何気なく毎日、口にしている言葉のひとつひとつをチェックしていくことから始めたい。

※週刊ポスト2019年11月22日号

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