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移行上皮がん(尿管の悪性新生物)

Healthline 2012/06/15 16:00 ダーラ・バーク氏
Healthline Image © 移行上皮がん(尿管の悪性新生物) Healthline Image

概要

腎臓から膀胱につながる管は尿管とよばれます。通常健康な人には腎臓が二つあり、したがって尿管も2本あります。それぞれの尿管の先は腎臓の中心につながっていて、この部分は腎盂と呼ばれています。腎盂に集められた尿は尿管を通って膀胱に流れます。

腎盂と尿管は、移行細胞(移行上皮)と呼ばれる特殊な細胞によって覆われています。これらの細胞は、曲がったり伸びたりすることができ、壊れて剥離しません。腎盂や尿管にがんが発生する場合、がんはこの移行細胞から始まります。

この種類のがんは、尿管悪性新生物と呼ばれます。尿管悪性新生物は一般的に移行上皮がんと呼ばれています。新生物とは、腫瘍、またはがんのことです。

移行上皮がんは、多くの場合転移します。転移は、がんがある器官または部位から、他の器官や部位に広がるときに起こります。

原因

移行上皮がんは非常にまれな疾患です。その原因は、また完全に解明されていまいません。ただし、患者の中には疾患の原因として遺伝要因を示す人がいます。

その他、この種類のがんに対し、可能性のあるリスク要因としては次のようなものがあります。

  • 主にフェナセチン(1983年以降米国では販売されていない)など特定の鎮痛薬、または市販薬の長期的な乱用(Colin et al., 2009)
  • 化学薬品やプラスチック産業に従事者や、石炭やタール、アスファルトに接触している人(Colin et al., 2009)
  • 喫煙

症状

移行上皮がんは、初期段階では症状がみられません。ただし、腫瘍が大きくなるにつれて症状が現れるようになります。その症状は次のようなものです。

  • 尿中の血液
  • 持続する腰の痛み
  • 疲労感
  • 原因不明の体重減少
  • 排尿時の痛み、頻尿

尿管の移行上皮がんにともなうこれらの症状は、他の疾患でもみられることがあります。これらの症状がみられる場合、診断をはっきり確定するために医師の診察を受けてください。

診断

この種類のがんは、診断が難しい場合があります。病院では、この疾患の兆候を調べるために、始めに詳しい診察が行われます。尿中に血液やタンパク質、細菌が含まれているかどうかを調べるために、尿検査が指示されます。これらの検査結果に基づいて、膀胱や尿管、腎盂の内部を調べるために、さらに検査が行われる場合があります。

それらの検査には次のものがあります。

  • 尿管や腎盂内の異常を調べるための尿管鏡
  • 腎臓から膀胱への尿の流れを評価するIVP静脈性腎盂造影
  • 腎臓や膀胱のCTスキャン検査
  • 腹部の超音波検査
  • MRT検査
  • 腎盂または尿管から採取した細胞の生検

治療

効果が示されている治療オプション

現在行われている尿管の移行上皮がんに対する治療法には次のものがあります。

腎尿管全摘術 これは、腎臓、尿管、膀胱組織を切除する手術です。

部分的切除 がんのある尿管の一部を切除する手術です。

治療試験

治療試験とは、新しい治療法として現在臨床試験が行われている治験段階の治療法です。尿管腫瘍の治験には次のものがあります。

高周波療法 電流でがん細胞を死滅させる手術です。

腎盂の部分的切除 がんが発生している腎盂の一部を切除する手術です。

レーザー手術 がんをターゲットにレーザー光線を当て、がん細胞を死滅させる手術です。

化学療法 化学療法は、多くの種類のがんに対する標準的な治療法です。現在、尿管腫瘍の治療にさまざまな化学療法薬が開発されています。

局所的生物療法 生物学的治療薬を使って尿管のがん細胞を標的にする治療法です。

今後の見通し

尿管がんに診断された場合、その予後はさまざまな要因によって異なります。回復の可能性は次の点で決まります。

がんの病期(ステージ)

病期が進行している場合、治療を行っても生存率は低下します。

腫瘍の部位

腫瘍が腎盂にある場合、がんは急速に腎臓に転移することがあり、その場合に生存率は低下します。

腎臓全般の健康

腎臓に基礎疾患がある場合、治療を行っても、基礎疾患のない場合に比べて生存率は低くなります。

がんの再発

尿管がんの治療が行われたあとに再発した場合、生存率は低くなります。

がんの転移

がんが体の他の部位に転移している場合、生存率は低くなります。

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