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株価トレンドを正しく認識!投資におけるチャート分析の基本【ダウ理論】とは?

The Motley Fool Japan のロゴ The Motley Fool Japan 2019/08/20 07:16 モトリーフール編集部
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株式トレードでは価格の値動きを分析し、株価トレンドの方向感を掴むために多くのテクニカル分析が用いられています。

そのようなテクニカル分析を使ってトレンド分析するための基本中の基本ともいえるのが、これからご紹介する「ダウ理論」です。

ダウ理論は多くの株式投資家やプロのトレーダーから値動き分析の根拠とされており、短期トレードだけでなく、中長期のトレードをする方も含めて絶対に押さえておきたい考え方です。

何となく値ごろ感だけでエントリーしていたという方も、相場環境認識やトレンドがどちらに向いているのかを掴むのに役立ち、トレード上達のカギとなるでしょう。

ダウ理論をまだ知らないという方は特に参考にしてみてください。

ダウ理論とは?

ダウ理論はダウ・ジョーンズ社の創設者のひとりで、アメリカの金融ジャーナリストであったチャールズ・ヘンリー・ダウによって19世末に提唱された理論です。

ダウはダウ・ジョーンズ社により公表される「ダウ平均株価」でもおなじみのように「平均株価」という概念を初めて提唱した人です。

「ウォールストリート・ジャーナル」を創刊したことでも知られ、同誌の中では「工業株平均株価」と「鉄道株平均株価」がチャートを交えて掲載されていました。

当時のアメリカでは工業製品の生産高が上昇するとその製品輸送に必要な鉄道輸送へのニーズや鉄道整備もさかんになるという傾向がありました。

つまり工業生産の好不調が鉄道業の好不調と相関することから、上記の2つの平均株価が同じ方向に動いている時、それは株価の方向感を示す「トレンド」を予測する根拠になるとダウは考えていました。

このダウ理論ですが、以下にご紹介する6つの法則から成り立っています。

この中では主に現在の相場のトレンド方向を把握するための基本的な考え方について述べられています。

ダウ理論は株式だけにとどまらず、為替、商品先物、債券相場などでもチャート分析のための基本的な考え方として活用されています。

巷には無数の株式トレードの解説本やブログ、セミナーなどがありますが、いずれもダウ理論を前提とした株式市場における相場分析が語られています。

ダウ理論の6つの法則

ダウ理論で提唱されている6つの法則についてご紹介します。

ダウ理論は短期の投資家から長期の投資家の方まで、チャート分析の基本中の基本的な考え方として活用できます。

つまり、短い時間足や長い時間足に関係なく利用できる考え方であり、相場のトレンド方向を見極めたり、相場全体の環境認識を理解する際にもとても有効です。

1.平均は全ての事象を織り込んでいる

株価の値動きは、各企業の業績、個人消費や貿易高といった経済指標、世界各国の政治動向や金融政策、さらに災害や事故といった様々なファンダメンタルズから大きな影響を受けています。

株価は需要と供給のバランスから動いており、ポジティブな要因があれば買われて上昇し、ネガティブな要因があれば売られて下落します。

一方でテクニカル分析は過去のチャート分析から将来の値動きを予測して実際のトレードに活かす手法です。

一見するとファンダメンタルズによって大きく株式相場が動いた場合、テクニカル分析では予測不可能な動きをする場合があります。

しかし、投資家による利益確定や損切りだけでなく、企業業績などのファンダメンタルズの影響も全ての事象はチャート上の値動きとして織り込まれていきます。

相場分析の際には、チャート上に現れる値動きにそのような全てのファンダメンタルズがすでに織り込まれているという考え方がこの法則です。

2.トレンドには3つの波動がある

値動きには一定の方向感を示す「波動」が存在し、その波動は期間によって3タイプに分かれているという考え方です。

この3タイプとは、1年から数年の期間で継続する長期の「主要トレンド」、1~3ヶ月程度継続する中期の「二次トレンド」、さらに1~3週間ほど継続する短期の「三次トレンド」になります。

3.トレンドには3つの局面がある

トレンドは次のように第1段階、第2段階、第3段階の3つの局面があり、それぞれの局面は投資家の投資心理が反映されて形成されていると考えられています。

  • 第1段階:先行期
  • 第2段階:追随期
  • 第3段階:利食い期

第1段階は「先行期」とされ、市場が底打ち(頭打ち)して先行投資家がこれから上がりそうな銘柄を買い集めていく(又はこれから下がりそうな銘柄を売り始めていく)段階です。

第2段階は「追随期」であり、第1段階で形成された値動きを見てより多くの投資家達が参戦し、やがて大きな伸びていく段階です。

第3段階は「利食い期」となります。

相場が過熱して上昇のピークを迎えるとともに、乗り遅れまいと後から遅れて参戦してくる投資家の買い(又は売り)とそれまで参加していた投資家達の利益確定の売り(又は買い)が起きて、相場がもみ合いになってくる段階です。

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4.トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する

4つ目のこの法則がダウ理論で最も紹介されることの多い考え方です。

この考え方は、直近の安値あるいは高値を明確に抜けるまでは一度形成されたトレンドは継続するということ、すなわち相場の転換点となるシグナルが出るまでは、上昇トレンド(又は下降トレンド)が継続していくということを意味しています。

特に「明確に抜ける」という点が大切で、本当に相場が転換したのかどうかを見極める大切な根拠となりますので、チャートを確認する際には意識したほうがいいでしょう。

なぜなら、相場にはいわゆる「ダマシ」と呼ばれる動きが見られるため、相場転換のサインと見間違える恐れがあるからです。

ダマシとは、投機筋などが一般投資家の損切りなどを誘発するために価格が下落すると見せかけるために瞬間的に売り浴びせ、一般投資家を騙します。

騙された一般投資家が損切りの売りを入れてきた途端、今度は利益確定のための買いを入れるために相場はまた元の位置に戻っていきます。

このようなダマシやノイズがあってもダウ理論の考え方に従えば、トレンドは継続しているということになります。

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5.平均は相互に確認されなければならない

株式相場などに当てはめると、複数の平均株価指数がある場合にはそれぞれの指数で同じ方向を示す動きが見られるなら、それは本当のトレンド発生であるという考え方を指しています。

先ほどダウは平均株価を提唱したことをお伝えしましたが、彼の考え方ではトレンド発生の有無は、工業株平均株価と鉄道株平均株価のそれぞれの値動きが相関して動いていることが条件となります。

それはすなわち、工業生産高の増加が工業株上昇となり、その結果として製品を運ぶのに必要な鉄道利用の拡大、つまり鉄道株の上昇につながると考えられるからです。

6.トレンドは出来高によって確認できる

ダウは市場の終値を重視していましたが、同時に出来高の状況もトレンド発生の有無を確認する根拠と考えていました。

相場が上昇するにつれて出来高は増加し、相場の下落時には出来高が減少する傾向にあるため、そのような状況を見極めることからトレンドが生まれたかどうかについて確認できるとしています。

ダウ理論によるエントリーポイントの見つけ方

ダウ理論について理解できると様々なテクニカル分析に基づいて今現在の相場の方向感が判断できます。

お伝えしたようにダウ理論には6つの法則がありますが、相場における値動き分析やテクニカル分析を語る上で最も重要な考え方は4つ目の「トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する」になります。

この法則を前提としたテクニカル分析によって、トレンド発生やトレンド継続の有無、トレンド転換について判断でき、さらにエントリーポイントを見つけることができます。

ダウ理論の知識をベースにしたエントリーポイントの代表的な例をご紹介していきましょう。

上昇トレンド継続確認後の押し目買い

ダウ理論の4つ目の法則「トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する」という考え方をベースにすれば、上昇トレンド発生後の押し目買いのエントリーポイントがわかります。

以下のチャートはその押し目買いのエントリーポイントを表わしています。

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【相場分析】

先行投資家達による買いから上昇が始まり、やがて高値①に達したところで利益確定の売りが入って、押し安値①のところまで戻ってきました。

ダウ理論に従えば、この段階ではまだ上昇トレンドが確定していないことになります。

相場が上昇していることを確認して追随しようと考えた大勢の投資家達が押し安値①付近から参戦してきて高値①を更新(「」の位置)します。

更新したことでさらに多くの買いが入って、相場はさらに勢いづきます。

ダウ理論によればこの更新によってはじめて「上昇トレンドの発生」、言い換えれば上昇につながる明確な「トレンド転換」が確認できたことになります。

これ以降は押し安値①を相場が下抜けしない限り、相場は上昇を継続すると考えられます。

これがまさにダウ理論の「トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する」の考え方になります。

明確なシグナル、つまり相場が転換するサインとなるシグナルとはこの場合、「相場が押し安値①を下抜けること」に他なりません。

別の言い方をすれば、押し安値①をロウソク足が下抜けるとそこで上昇トレンドは終了し、相場がそこからまた転換する可能性を示すことになります。

【上昇トレンド発生確認後の押し目買いエントリー】

」の価格で高値①を更新後も首尾よく上昇を続け、高値②のところで買っていた投資家達の利益確定売りによって、高値①の付近まで戻ってきました。

トレンド上昇の発生はすでに確認しているので、高値①まで引きつけた上で反転上昇した「」のところから買いのエントリーができました。

この場合の「損切りポイント」は「押し安値①」の少し下あたりになります。

その理由はすでにお伝えしたように押し安値①をロウソク足が下抜けた場合、それがトレンド継続の終了を示す「明確なシグナル」となるからです。

そして、トレンドが終了した後はそのまま下方向に相場が向かうリスクがあるために損失を限定する必要があります。

投資家の中には高値①を更新した「」のところから買いエントリーする人もいるかもしれません。

しかし、ここでエントリーしなかったのには理由があります。それはダマシの可能性があること、さらに「」のところから上昇が止まり、「ダブルトップ」を作って下降するリスクを考えてのことです。

ダマシとは上に行くと見せかけて、そのまま上抜けせずに戻ってくる(つまり下落する)ことです。

また、ダブルトップとはチャートのロウソク足が「W」のアルファベットのように上昇を2回作り、その後下がってくるサインになります。

下降トレンド発生確認後の戻り売り(空売り)エントリー

ダウ理論の4つ目の法則「トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する」という考え方は当然のことながら、戻り売りのエントリーポイントを判断する際にも当てはまります。以下のチャートをご覧ください。

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【相場分析】

押し目買いのエントリーと方向が反対なだけで、全く同じ分析となります。

先行投資家達が売り始めてから下落し始め、安値①に到達後に利益確定の買いが入り、戻り高値①の位置まで上昇しました。

最初の下落を見た大勢の投資家達による参戦によって、戻り高値①から再度の下落が始まります。

やがて安値①(=)を下抜けて「下落トレンドの発生」が確認できました。

ダウ理論に従えば、これ以降は戻り高値①を相場が上抜けしない限り、相場は下落継続すると考えられます。

【下降トレンド発生確認後の戻り売り(空売り)エントリー】

エントリーや損切りポイントについては押し目買いの反対のことをするだけですので、基本的な考え方は全く同じです。

下降トレンド発生を見越した先行投資家達の売りが入り、安値①の付近まで下落しましたが、一度利益確定のための買戻しで、戻り高値①まで戻ります。

相場の下落が始まったことを後から確認して売りで算入してきた投資家達によって、戻り高値①から再び下降が始まります。

やがて「」を下抜けることで直近の安値①を更新し、下降トレンドの発生が確定します。

再度の利益確定の買戻しが入り、戻り高値②まで引きつけ、反転下落した「」まで引きつけて戻り売りを仕掛けます。

損切りは直近の「戻り高値①」となります。

尚、安値①を下抜ける「」のところから売りエントリーしないのがダマシを回避するためであることは上述の買いの場合と全く同じ理由からです。

相場は「トレンド相場」と「レンジ相場」しかない

トレンド相場が発生した場合のエントリーについてご紹介しましたが、実は相場には「トレンド相場」と「レンジ相場」の2つしかありません。

しかも、相場のかなりの時間帯で「レンジ相場」が形成されます。

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レンジ相場はこのレンジ相場はトレンド相場が終わり、調整の意味で一定のバンド内を上下動する際の相場です。

高値と安値を入ったり来たりするだけなので、上手くトレードすると利益を伸ばすことができます。

ただし、レンジ相場が終了し、またトレンド相場になる際には注意が必要です。

ポジションと反対方向にレンジをブレイクした際にはすぐに損切りし、その方向に乗ってトレードする(ブレイクアウト手法といいます)、つまりこれまでご紹介してきたトレンド相場でのトレード手法につながっていきます。

まとめ

今回の記事ではテクニカル分析の基礎ともいえる、ダウ理論とダウ理論の考え方に基づいたエントリーについてご紹介してきました。

ダウ理論を理解していれば株式相場においてトレンドが発生しているのかどうかを見極めることができるようになります。

また、株式相場の解説記事やセミナーなどで紹介されている様々なチャートパターン分析も良く理解できるようになります。

是非実際の株式チャートでダウ理論の考え方が当てはまるかについて確認してみてください。

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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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