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みずほ銀行がLINEとの提携に踏み切った裏に「韓国系銀行」

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 2018/12/19 06:00 週刊ダイヤモンド編集部,田上貴大

 11月27日、LINEとみずほフィナンシャルグループ(FG)は、共同で新銀行「LINE BANK」を設立すると発表、IT企業の“領空侵犯”に銀行界で衝撃が走った。

 LINEといえば、月間7800万人の利用者を誇るメッセージアプリの雄。最近では金融を事業の柱に育てるべく、電子決済「LINEペイ」や損害保険、資産運用サービスなど、スマートフォンを活用した金融サービスを次々にローンチしてきた。そしていよいよ、金融の“本丸”である銀行業への参入をぶち上げたわけだ。

 LINEの出澤剛社長は、「銀行は日常的に一番使われ、生活に密着している」と言う。その銀行業を利便性の高い形で提供し、あらゆる金融サービスの“入り口”に据えるというのが狙いだ。

 膨大な利用者数を誇るLINEだけに、革新的なサービスを投入できれば、既存の銀行業に風穴をあける可能性は十分あるだろう。

 だが、自ら銀行業を営むということは、これまでの金融の仲介サービス業とは次元が違う。「銀行業は厳しい規制でがんじがらめ」(メガバンク幹部)だからだ。

 中でも、銀行が最も神経をとがらせているマネーロンダリング(不正資金の洗浄)対策では、「邦銀の現状はお寒い限り。(銀行免許を取得する上で)本人確認など要求される水準は非常に高い」(別のメガバンク幹部)という。

 ましてや、設立される新銀行の資本金と準備金は合計20億円と過去の例に比べて少なく、「これで体制構築ができるのか。1桁違うのではないか」と複数のメガバンク幹部は口々に言う。

韓国系銀行からみずほへ

 無論、そのことはインフラを提供するみずほ銀行も十分に分かっているだろう。それでも、みずほ銀が提携に踏み切った理由は何か。

 そもそも韓国にルーツを持つLINEは、みずほ銀より前に韓国銀行界大手の新韓銀行に協力を仰ぎ、新韓銀傘下のSBJ銀行と段階的な資本提携まで議論していたが、詰め切れずに破談。新韓銀がATMなどで提携するみずほ銀をLINEに紹介し、デジタルイノベーションに積極的なみずほ銀との提携に至ったという。

 一方のみずほ銀には、「若年層のデジタルネーティブ世代と接点を持つことが課題」(岡部俊胤・みずほFG副社長)との焦りがあったのに加え、あるみずほ関係者は「決断が遅れれば、他行に提携話を持っていかれるという危機感もあったはずだ」と指摘する。

 また、みずほ銀は、「Jコイン」「ジェイスコア」など、データを活用したビジネス構想を複数掲げており、LINEとの提携は、これら構想の起爆剤になるとのもくろみもあるのだろう。

 果たして双方の計略は結実するのか。まずは銀行業を取り巻く規制の壁を突破することが、第一関門といえよう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)

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