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投資資産6000万超の51歳男性「インフレ、円安、米国株安の中、投資資産をどう守る?」

MONEY PLUS のロゴ MONEY PLUS 2022/06/23 18:32 MONEY PLUS
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読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、51歳、会社員の男性。運用に力を入れてきて、コロナ禍では運用資産が増えたといいます。しかし、今年に入ってインフレや円安、米国の株安など、不安要素が増えたため、どうしたら資産を守ることができるのか知りたいと言います。FPの秋山芳生氏がお答えします。

以前から積極的に運用を行っており、コロナ禍ではかなり跳ね上がって、それなりに資産が貯まりました。しかし今年に入りインフレや円安、米国の株安など心配がいっぱいです。いったん現金比率を上げていますが、今後どうしたら資産を守ることができるでしょうか。

また娘が小さく(6歳)、これから医学部や海外留学等高額の教育費を払うことになり、私自身は計算できているつもりですが、妻が不安がります。

【相談者プロフィール】

・男性、51歳、会社員・妻、47歳、無職 ・子ども:6歳

・住居の形態:持ち家(マンション・集合住宅)

・毎月の世帯の手取り金額:33万円(ただし、持株会の天引き10万円あり。奨励金15%(1万5,000円)つき)

・年間の世帯の手取りボーナス額:440万円

・毎月の世帯の支出の目安:53万円

【資産状況】

・住居費:3万4,000円

・食費:13万7,000円

・水道光熱費:2万円

・教育費:9万7,000円

・保険料:2万2,000円

・通信費:2万円

・その他:20万円

【資産状況】

・現在の貯金総額(投資分は含まない):6,343万円

・現在の投資総額:3,883万円

・現在の負債総額:8万5,000円

・住宅ローン:完済

・老後資金:公的年金月額18万5,000円見込、DC953万円、退職金600万円(ただし実際には早期退職金を受給し転職希望)

秋山:ご相談いただきありがとうございます。ファイナンシャルプランナー兼FPYouTuberの秋山芳生です。今回の相談者様は51歳の高収入会社員です。1億円を超える資産がありますが、今後の教育費、資産形成に不安があるようです。今まで多くの方から、家計や資産形成の相談を受けてきましたが、どんなに収入が高くても、いくら資産があっても、しっかりとお金をコントロールするやり方や、マインドセットができていないと不安を払拭できません。今回の相談者様は特にパートナーの妻が不安を募らせているようです。不安の原因を一つひとつ考察しながら、一緒に対策を考えていきたいと思います。

収入が高いのに月の収支は赤字?

まず家計の状況から確認していきたいと思います。

手取り収入は33万円に対し、月の支出は53万円と、20万円の赤字になっています。手取りは持株会の10万円を天引きされたあとなので、実際はもっと多くの収入がありますが、現金の流れとしては赤字で、ボーナスの440万円から補填している状況だと思います。負債8万5,000円があるのは、一時的に自由にできる現金がなかったからかもしれません。

また、夫婦で将来を考え、必要な費用を共有できているかが重要です。月々が赤字で、ボーナスで補填している状況だと安心感を持つことは難しいと思います。まず日々の収支を黒字にするために、家計の問題点を洗い出していきたいと思います。

改善できそうなポイントは?

◆食費13万7,000円→8万円

食費は3人家族としては高すぎるように思います。一般的な3人家族の倍以上の費用がかかっていると思います。献立を立てないで買い物をしていると、スーパーなどでついつい余計な買い物をしてしまいます。また、外食、有機野菜などの定期購入などにこだわると高くなります。健康も大切ですが、予算を立ててその中でコントロールする習慣をつくりましょう。少なくとも5万円は削減できるでしょう。

◆教育費9万7,000円

教育費は非常に高いですが、私立小学校に通わせているのでしょうか? お子さんの可能性を広げてあげる上で教育は重要だと思いますが、費用に制限を設けず、聖域化してしまう家庭が多くあります。お習い事など含めて、お子さんが主体的にやりたいと思っているか、本当に必要かを考えるとともに、「予算」を立てて制限を設けるとよいでしょう。

◆保険料2万2,000円→5,000円

どのような保険に入っているか不明ですが預貯金がしっかりあるので、医療保険は不要です。また、終身保険など貯蓄型保険に入っているようであれば、機会損失になっていると思いますので運用に回したほうがよいと思います。まだお子さんが小さいので、相談者様に万が一のことがあると困りますが、資産もあり、遺族年金もあるので、不要な生命保険はやめて効率的な収入保障保険に加入すればよいでしょう。

◆通信費2万円→1万6,000円

通信費はスマートフォン2台とWi-Fiなどのインターネット代、NHKなどの費用だと思います。スマートフォンの費用が一人5,000円を超えていれば、3,000円以下の格安携帯に変更するだけで費用を抑えることが可能です。

◆その他20万円→15万円

その他20万円の中に、衣服/美容、趣味/娯楽、交際費、日用品、医療/健康などの費用が含まれていると思います。この内訳をしっかりと把握し、どこに使いすぎているかを見定めると、改善ポイントが見えてきます。それぞれに予算を組んでコントロールしていくとよいでしょう。

◆持株会

持株会は15%のインセンティブがついていてお得な状態だと思います。一方で、会社から給料をもらい、資産も会社の株に変えているので、いわば集中投資状態になっています。会社の業績が下がると共倒れになりかねません。資産形成の王道は分散です。15%分のインセンティブを狙って売却可能な単元になったら売却し、売却益を家計に収入として組み込むことを検討してみてはいかがでしょうか。

月に一度は家計会議を開こう

月の収支を10万円改善し、持株会を収入に組み込めば収支を黒字にできると思います。これならボーナスを貯蓄に回し、お子さんの教育費や老義資金も賄えますし、万が一ボーナスが止まっても家計が崩れることはないでしょう。

月の収支が黒字であれば、妻の不安は少なくなっていくと思います。ご夫婦で家計をしっかりと共有できるように、月に一回は夫婦で家計を確認しあう会議を開くことをおすすめします。

また、夫婦で将来にかかる費用を共有できているかはもっと重要です。夫婦で見通しが立っていれば、同じ目標に向けて協力体制を敷けますが、ゴールイメージがバラバラだとなかなか一致団結できません。

「教育費にいくらかけるつもりか」

「老後資金はどのようにするか」

「住宅は、いつごろ、どのようにするか」

などの目線が揃えば、日々の支出もいくら使ってよいかが明確になります。早期退職も夫婦でイメージを共有できていないと、パートナーが不安になり実行できないケースが多いです。

ライフプランニングから投資額を決める

投資にいくらかけるべきか、現金をいくらもっているべきかは、ライフプランニングをしっかりしてからでないと見えてきません。

「ゴールベースド」という考え方があります。いつまでにいくら資産が必要というゴールから逆算すると、毎月の貯蓄や投資額が決まってきます。

必要な投資額も見えてくると不要にリスクをとって不安が増えることも少なくなります。夫婦だけで将来にわたる支出の算出が難しい場合は、有料のファイナンシャルプランナーなどを活用して、客観的な視点を活用してキャッシュフロー表を組み上げるとよいでしょう。

現在、投資をして資産を築いていらっしゃいますが、「増やすこと」が目的化すると、リスク許容度を超えて投資に回してしまう傾向があります。得に、株式の市況がよい時には、「100万円投資したら、150万円になった。もし、200万円入れていたら300万円になっていたかも…」と、どんどん資金を投資に回して、リスク許容度を超えてしまうことがあります。

今、どう動くべきか

現在は、コロナ禍で大量に市場に出回った資金の回収と、インフレ対策による金利の引き上げが、アメリカを中心に世界中で起こっています。景気は循環していくので、好景気から景気後退に入っていくと言われています。この時期に、数年以内に使う可能性のある資金を投資に回していたりすると不安は倍増されてしまいます。

10年以上使わないことが確定している資産はリスクをとって投資に回し、もう少し近い将来に使う可能性のあるお金は、現金や債券などリスクの低い資産でコントロールするとよいでしょう。

ここ2年ほどはコロナ禍の反動で株式市場はバブル的な盛り上がりを見せていました。上がり相場だけを経験している人は、大きく株価が下がるとパニックになって売ってしまうことがあります。大きく下げたあとに、反動で株価が上がることがありますが、この瞬間を逃すと成長機会を逃してしまうことになるので、市場にい続けることが重要です。そのためにも長期目線に立ち、短期間内に使わないお金だけを運用にまわすことが重要です。

長期投資の心得

長期投資は、全世界の人口や生産性が上がることに投資をするグローバル分散投資です。10年、20年と世界人口が増えて、生産性が上がることを信じられると長期投資はうまくいきます。市況に変化があっても下手に売却せず、上がることを信じて買い続けるマインドができると、大きな資産を運用してもドンと構えていられるでしょう。

どこか参考になれば幸いです。

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