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タワマンは「オワコン」なのか?憧れだけで買ってはいけない理由

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 2019/08/01 06:00 長嶋 修
タワマン神話が揺らいでいるが、全てのタワマンがダメなわけではなく、二極化が進んでいくと考えられる(写真はイメージです) Photo:PIXTA © Diamond, Inc 提供 タワマン神話が揺らいでいるが、全てのタワマンがダメなわけではなく、二極化が進んでいくと考えられる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

タワマンが建ちすぎて街のインフラ整備が追いつかなかったり、管理などに不備のあるタワマンが散見されるなど、「タワマン=憧れの住まい」という図式が揺らいでいる。しかし、すべてのタワマンがダメなのではなく、今後は「良いタワマン」と「ダメなタワマン」の二極化が進んでいくだろう。(さくら事務所会長 長嶋 修)

中央区や江東区でも…

マンション増加に抑制策

 不動産経済研究所によれば、全国で建設・計画されているタワーマンション(20階建て以上)は11万4000戸に達することが分かった。

 東京都中央区は築地・月島など区内80%の区域で、要件を満たせば最大1.4倍まで容積率を緩和する制度を廃止、20年続けてきた居住誘導政策を転換した。その理由は「人口が増えすぎたため」。「定住人口10万人」といった目標を掲げていたところ、主にタワマン建設が寄与して目標を大きく上回った。区のマンション居住率は1995年の66.4%から2015年には90.0%と、いかにマンションが人口増加に寄与してきたかが分かる。

 定住人口増は税収増加となる一方、幼稚園や小・中学校の増設や交通インフラ、生活利便施設などの整備が負担となる。ラッシュ時の勝どき駅は人で溢れ、駅に出入りするのもひと苦労。駅利用客は2000年には1日あたり2万7734人だったが、2016年には10万2315人と、3.6倍に膨れ上がった。

 湾岸の豊洲などにタワマンが林立する江東区も、今年秋から大規模マンションに「単身者向け」「3世代同居向け」の部屋を一定程度整備することで「ファミリー向けマンション」の実質規制を始めている。

 日本有数のタワマン密集地として知られる武蔵小杉駅も、ラッシュ時には駅に入る行列ができ、公立学校なども不足しているが、さらに建築計画は残っており、生活利便性全般へのゆがみはただちに是正しにくい状態だ。

将来は湾岸や武蔵小杉にも

「廃墟」タワマンが出現か

 ところで、1997年の規制緩和をきっかけに頭角を現してきたタワマンは、今後続々と築20年を超える。

 タワマンは、エレベーターや階段などの共用部分の面積比が大きく、コンシェルジュサービスやラウンジ、スポーツジムなどのサービスもあり管理費が高め。加えてタワマンは、足場を組んで外壁の修繕が行えないゆえ、ゴンドラなどによる高所作業となり、一般的なマンションに比して作業性は落ち、基本的に風速10メートルを超えると作業は中止。工期は長めで非常にコスト高である。

 とあるタワマンの大規模修繕は2年10ヵ月かかり、総額は6億円以上だった。また設置されている高速エレベーターなどの設備は、世界に1つしかない特注品で非常に高額であることが多く、相見積もりがとれず、修繕や交換には莫大なコストがかかる。そもそもエレベーターや情報通信機器など技術進化の激しい分野では、30年前と同じスペックのエレベーターに交換するとは考えにくく、コストは想定よりアップする可能性が高い。

 さらには、修繕積立金は入居当初低めに設定されており、10年後に2倍、15年後には3倍となるなど、100万円単位の一時金を拠出する計画となっていることがほとんどだが、こうした修繕積立金の負担が、あちこちのタワマンで露呈する可能性も高い。

 30年後はどうか。建物の老化と共に、入居当時は30代後半~40代後半だった住民も歳を重ねて60代後半~70代後半と、定期収入のない年金生活者が中心で、建築費の高止まりや消費増税に加え、さらに修繕積立金の度重なる値上げとなると、耐えられない家計も出てこよう。

 そうなると建物が劣化していくのに必要な修繕もままならず、建物が朽ちていくのを見届けるしかないといった「タワマンの廃墟化」が注目されるようになるはずだ。都心湾岸地区や武蔵小杉に林立するタワマン群の中にも、持続可能なマンションと、そうでないマンションの2極化がみられることになるだろう。

ハイレベルの管理体制を

誇るマンションはどこか?

 さくら事務所ではマンションの管理力を評価する「BORDER5」 といったサイトを立ち上げた。現在、以下の4つの観点から評価をしている。

(1)「総会への出席率や管理費の滞納がないなど、組合運営を円滑に行うための基本が整っているか」といった「コミュニティ&組合運営力」

(2)「マンションを長く安心して使うための維持管理や、そのための資金計画が適切か」といった「メンテナンス&資金力」

(3)「マンション内のルールやコミュニティ活性化のためのイベント開催など、快適に住むための環境づくり」を評価した「住み心地力」

(4)「防災マニュアルの有無、防火管理者の専任、防災訓練の実施など災害時への備えができているかどうか」を評価した「防災力」

 我々の調査によると、「白金タワー」(港区)、パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー(川崎市)、ザ・パークハウス晴海タワー(中央区)、イニシア千住曙町(足立区)といったタワマンは、マンション管理において上位数パーセントに入る折り紙付きのハイレベルで、安心して購入できるだろう。

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