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今すぐ始めるべき「実家の整理」失敗しない5つの鉄則

ZUU Online のロゴ ZUU Online 2017/01/02

■「まだ早い」と思っていると絶対に後悔する!

最近、「実家の整理」という言葉が話題に上る機会が多くなった。親が高齢になった働き盛りの世代にとって、避けては通れないこの問題。親が元気なうちに着手すべき理由や具体的なノウハウを専門家にうかがった。

■30~40代にとって実家の整理は喫緊の課題

実家が散らかり放題になり、高齢の親の生活を脅かすだけでなく、亡くなったあとの相続問題にも大きな影を落とす……。そんな問題が今、各地で起きています。今の30~40代にとっても他人事ではありません。この世代の親には持ち家の人が多く、いずれ子供が相続することになるからです。散らかり放題の家では、手続きを進めることができません。

整理が面倒だからといって、相続後に空き家のまま放置すれば、誰も住んでいない家のために固定資産税を払い続けることになります。また、近隣の環境や景観に悪影響をおよぼすと判断され、自治体から「特定空き家」の勧告を受けると、最大で従来の6倍もの税負担を強いられることになります。

また兄弟姉妹がいる場合は、「遺産分割協議」により、相続人全員の合意のもとで相続手続きを行ないますが、通帳や印鑑、権利書といった財産関係のものが実家のどこにあるのかわからなければ、親の資産の全体像が把握できず、話しあいもまとまりません。

そんな事態に陥らないためにも、親が元気なうちから実家の整理に着手しましょう。

「親の家なのだから、整理も親に任せればいい」と思うかもしれません。しかし、親世代は戦中・戦後のモノ不足の時代を生きてきたので、モノは豊かさの象徴であるという価値観が根強く、基本的に「モノを捨てる」という発想がありません。また、高齢になると身体能力が低下し、掃除やゴミ出しが困難になって家の中が散らかったり、不要なモノを溜め込んだりする事例も目立ちます。「母はきれい好きだから」と安心していたら、久しぶりに帰った実家がゴミだらけになっていてびっくりする、ということも多いのです。

■「自分のため」ではなく「親のため」に整理しよう

今すぐ始めるべき「実家の整理」失敗しない5つの鉄則(写真=The 21 online) (ZUU online) © ZUU online 今すぐ始めるべき「実家の整理」失敗しない5つの鉄則(写真=The 21 online)

すから、実家の整理は親に任せず、子供から働きかけることが不可欠。ただし、重要なのは、あくまで主役は親だということです。「こんなモノを残されると、俺が困るんだよ」などと、子供側の都合を主張するのはNG。親を巻き込み、一緒に整理を進めていくには、親子で共有できるゴールを示すこと。親と子の双方にとっての心配や不安は、やはり親の病気や怪我、災害や犯罪などでしょう。ですから、「親が安心・安全・健康に暮らせる家」を共通のゴールにするのがいいと思います。

高齢者の住まいが散らかっていると、安全面で大きな問題があります。床に置きっぱなしにしていたモノにつまずいて転倒し、骨折して寝たきりになるケースは非常に多く見られます。また、災害時にモノに阻まれて避難が遅れたり、重いモノの下敷きになったり、といった危険もあります。こうしたリスクを減らすためにも住まいの整理が重要であることを、親子で認識することが大切です。

実家が整理できていないと、親の入院や介護に直面したときにも困ります。必要な書類や通院・病歴の記録がどこにあるかわからないというケースがよくあるからです。実家で介護することになったものの、どの部屋もモノであふれていて、介護用のベッドを置くスペースがない、という問題も起こります。

皆さんも、「うちの親はまだ元気だから」と先延ばしせず、今から実家の整理をスタートしましょう。プレゼントをしたりするより、実家を一緒に整理することが一番の親孝行なのです。

■親にとって愛着の薄い場所から始めよう

実家の整理は、親にとって愛着がそれほどない場所から着手しましょう。とくに庭や廊下などは、「庭にモノが多いと防犯上よくないらしいから、片づけておこう」「夜中に安心してトイレに行けるように、廊下をきれいにしておこう」といった言い方をすれば、親も納得しやすいはずです。

子供としては通帳や貴重品のことが気になると思いますが、いきなり財産の話を持ち出すのはNG。親は「金が目当てなのか!」と腹を立てたり、落胆したりして、いくら整理を勧めても「放っておいてくれ」と意固地になる可能性があります。

整理をする際に最も大きな壁になるのが、「親が”捨てる/捨てない”を判断できない」ということ。親世代はモノを「捨てる」のに抵抗があるので、「要るモノと要らないモノに分けよう」という言い方をしましょう。そして、「要る/要らない」の判断に3秒以上迷ったモノは「一時保管箱」に入れます。それを親の目につきにくい場所に置いておけば、しばらくすると親も存在を忘れてしまうので、あとで処分しやすくなります。

実家の整理には、自分の家の整理とは違った段取りやルールが必要になります。下に「実家の片づけ・5つの鉄則」を紹介しますので、参考にしてください。

◆実家の片づけ・5つの鉄則

1 出ているモノを片づける

 玄関の靴や床に置かれた新聞、テーブルの上の日用品など、親の家には出しっぱなしのモノが多いので、まずはそれらを片づけます。

2 片づけは下から上へ

 転倒を防ぐため、先に足元にあるモノを片づけ、そのあとで高い場所のモノを片づけます。

3 収納ワザを使わない

 高度で手間のかかる収納術は高齢者にとって面倒なだけで、長続きしません。

4 生活習慣を優先

 親の生活習慣を無視してモノの置き場所や収納の仕方を変えることは控えましょう。

5 押入れ・納戸はあと回し

 先に手をつけると収拾がつかなくなるので、とりあえずあと回しでかまいません。

■”リバウンド”防止にはこまめなコミュニケーションを

いったん整理したのに、半年ぶりに帰省したら、また実家がモノであふれていた……。こんなリバウンドを防ぐには、実家に足を運べない期間も、電話やメールでこまめに親とコミュニケーションを取ることが大切。ゴミの収集日を調べておき、「そういえば、今日はゴミ出した?」といった会話をすることで、ゴミの出し忘れや溜め込みを予防できます。

親の消費行動にも注意を払いましょう。高齢者が一人で買い物に行くと、不要なモノを購入したり、使わないのに同じモノを複数買ったりしがちです。会話の中でさり気なく「何かほしいものある?」と聞いて、「新しいお鍋を買おうかな」などといった答えが返ってきたら、「だったら、帰省したときに一緒に買いにいこう」と提案してください。

また、一人暮らしの高齢者は、いざというときの不安から大量に買い溜めをする人が多いので、「何か足りなくなったら、すぐに送るから」と言えば安心します

■財産に関する情報は防災などを理由にさり気なく

将来に備えるには、モノの整理だけでなく、情報の整理も必要です。実家の名義はどうなっているのか。預貯金や保険、株式などはどの金融機関にどれくらい保有しているのか。これらの情報は親しか知らないので、本人に整理してもらうのが一番です。

ただし、前述のとおり、いきなり財産やお金のことを聞くのはNG。一緒に実家を整理しながら、さり気なく話題に出すようにしましょう。共通のゴールである「親の安心・安全」を切り口に、「防災用の持ち出し袋の中に貴重品のリストを入れておくと安心だよ」といった言い方をするのがコツ。あるいは、「郵便貯金を放っておくと、休眠口座になって引き出せなくなるかもしれないらしいよ」といった話題を持ち出して、「一度、通帳を整理してみたら?」と促すのもいいでしょう。

「この家は古くて使い勝手が悪いから、リフォームを考えてみない?」と相談し、親が興味を示したら、「リフォームするなら、予算はどれくらいかな?」といった聞き方でお金について確認する方法もあります。とはいえ、くれぐれも親の意志や気持ちを尊重することを忘れないでください。

渡部亜矢(わたなべ・あや)〔一社〕実家片づけ整理協会代表理事

1965年、神奈川県生まれ。銀行、出版社などを経て、2016年より〔一社〕実家片づけ整理協会代表理事。少子高齢化社会に特化した「実家片づけアドバイザー」育成講座や、親子で取り組む生前整理、空き家問題、物とお金の整理術、遺品整理などの講座を開講し、講師育成、出張片づけサービスなどを展開中。著書に『カツオが磯野家を片づける日』(SB新書)、『プロが教える実家の片づけ』(ダイヤモンド社)など。(取材・構成:塚田有香)(『The21online』2016年11月号より)

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