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大企業と中小企業、実際に休みや残業が多いのはどっち? 政府統計で明らかに

ITmedia ビジネスONLiNE のロゴ ITmedia ビジネスONLiNE 2019/10/30 15:16
所定労働時間は企業規模が小さくなるほどに増える(出所:厚生労働省「平成31年就労条件総合調査」) © ITmedia ビジネスオンライン 所定労働時間は企業規模が小さくなるほどに増える(出所:厚生労働省「平成31年就労条件総合調査」)

 厚生労働省は10月29日、「平成31年就労条件総合調査」の結果を発表した。同調査は、毎年実施され、今回は2019年1月1日時点での18年中の状況をまとめた。主要産業における労働時間や賃金制度などを調査し、民間企業における就労条件の現状を明らかにすることが目的。

 調査によると、調査対象の全企業における1日の所定労働時間平均は、前年調査と変わらず7時間46分だった。週所定労働時間を企業規模別に見ると、最も短かったのが「1000人以上」の39時間00分だった。最も長かったのは「30~99人」の39時間32分。企業の規模が小さくなるほど、労働時間が長くなる傾向にあるようだ。産業別では、「金融業、保険業」が最も短く38時間18分で、「宿泊業、飲食サービス業」が最も長い39時間57分だった。

 ただし、所定労働時間は企業の「定時」を示すものだ。したがって、実際にどのくらいの時間外労働がされているのかは分からない。そこで、「勤務間インターバル制度」に関する数字を見てみよう。

 同制度は、労働者の健康管理を目的とし、実際に終業した時刻から次の始業時刻までの間隔を一定以上空ける制度のことだ。働き方改革関連法の施行により、企業に対して導入の努力義務が課されている。今回の調査では、「導入している」「導入予定又は検討している」と答えた企業の割合が前年より増えており、企業への周知は進んでいるようだ。

 一方で制度の導入、未導入を問わず、全企業における労働者の勤務間インターバルは、短くなっている結果が明らかになった。1年間を通じ、実際の終業時刻から始業時刻までの間隔が11時間以上空いている労働者の分布では、「全員」と答えた企業が32.9%。前年の調査では40.5%だったため、大幅に減少している。また、「全くいない」と回答した企業も10.7%存在した(前年調査では6.8%)。

 今回調査は18年中に関するものなので、働き方改革関連法が施行される前の状況が明らかにされた形だ。ただ、この数年「働き方改革」というワードが浸透してきている中で、今回の結果は意外にも思える。この結果について、厚生労働省の担当者は「調査手法は、年間の平均ではなく、1日でも間隔が11時間未満だった人がいれば、『間隔が空いていなかった』と回答するようにアナウンスしている。したがって、必ずしも全体の労働時間が増えた、とは言い切れない」とコメントしている。

 企業規模ごとに見てみると、「全員」と回答した企業の割合は、規模が小さくなるほどに増えている。「全くいない」と回答した割合も、大まかには企業規模が小さくなるほどに増加している。規模の小さい企業では、従業員の多くで残業が減る中、一部の人に業務が集中している傾向にありそうだ。

●休日数は大企業が有利?

 年間休日の数はどうだろうか。こちらは、企業規模が大きいほど、休日が多い傾向にある。1企業当たりの平均は、108.9日で、前年調査の107.9日から1日増えた。企業規模別に見ると、「1000人以上」が最も多い115.5日。最も少ない「30~99人」は107.5日だった。

 有給休暇については、労働者1人平均の取得日数は9.4日だった。性別ごとに見ると、男性が9.0日、女性が9.9日だった。企業規模ごとに見ると、「1000人以上」が最多で10.9日。最も少なかった「30~99人」の8.2日と比較すると、2日以上も開きがある。

 19年に働き方改革関連法が施行され、それぞれの「意識」だけでなく、企業における実際の「制度」においても旧来のスタイルからの変更が求められている。繰り返しになるが、今回の調査は18年中の実態を表したものなので、まだ法施行の影響は分からない。企業が時代に即して変化できたかどうかの真価は、20年の調査で問われることになる。

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