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就活、大手企業の「情報発信」は始まっている 2月までに6割が採用ホームページをオープン

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2017/02/02 08:00 佃 光博
人気企業の各社の採用ホームページ画面。多くの企業で2018年卒向けの採用ページをオープンしている © 東洋経済オンライン 人気企業の各社の採用ホームページ画面。多くの企業で2018年卒向けの採用ページをオープンしている  

 1月までに後期試験が終わっている私立大学は多い。国公立大の試験は少し遅く、2月10日頃までには終わるスケジュールだ。年明けの最大関心事だった試験を乗り越え、一息つきたいと思う就活生は、かなりいるのではないだろうか。

多くが2018年版の採用ページを開設

 就活日程では3月1日が「採用広報解禁日」とされているので、束の間の休息を楽しんでいても不思議ではない。しかし、油断は禁物である。多くの企業はインターンシップを実施するとともに、今年版の採用ホームページをオープンしている。つまり就活戦線はすでに動いているのだ。

 2016年11月にHR総研が企業の人事担当者を対象に行った「2018年新卒採用動向調査」によると、新年を迎えた段階で企業の採用広報は始まっており、かなり多くの企業が採用ホームページをオープンさせている。今年3月にオープンする企業が3分の1ある一方、1~2月オープン(33%)の企業、昨年末までにオープンした企業を合わせると、ほぼ6割に達している。

 採用広報解禁が12月だった頃は一定の秩序があり、「リクナビ」、「マイナビ」などの就職ナビが一斉オープンする12月1日に、企業の新卒採用ホームページもオープンしていた。しかし現在はそのような秩序はなくなっている。理由は採用広報解禁日が3月になったことが大きい。採用広報解禁日に就職ナビがオープン、学生がプレエントリーに殺到し、企業の新卒採用ホームページが同時に開設されていたのは、12月1日が広報解禁日だった2015年までのことだ。広報解禁日が3月1日と4カ月間も後ろ倒しになり、それでは「遅すぎる」と企業が判断した結果、オープンを前倒しするところが増えてきたのだ。

 そもそも、新卒採用ホームページの早期オープンが、経団連の「採用選考に関する指針」(以下、指針)で禁じられているわけではない。採用広報解禁前に、学生の登録を受け付けるプレエントリーや個人情報を活用した活動は禁止しているが、以下の通り認めている点もある。

 「広報活動の開始日より前に行うことができる活動は、ホームページにおける文字や写真、動画などを活用した情報発信、文書や冊子等の文字情報によるPRなど、不特定多数に向けたものにとどめる。なお、広報活動のスケジュールを事前に公表することは差し支えない」

ホームページでの情報発信は認められている

 また、採用広報活動前のインターンシップについては、「産学連携による人材育成の観点から、学生の就業体験の機会を提供するものであり、社会貢献活動の一環と位置付けられるものである」と、むしろ積極的だ。インターンシップの応募受付はできる。ただ、指針では、採用選考活動とは一切関係ないことを明確にする必要がある、と明記されている。

 もっともこのルールとは無縁の企業も存在する。多くの日本企業は、新卒一括採用のワクの中で活動するので、経団連の指針を意識している。しかし、通年採用を基本とする楽天やファーストリテイリングなどの企業は指針のスケジュールにこだわらず、プレエントリーを始めている。正確にいえば、いつも募集をし、いつもインターンシップを実施している。

 採用ホームページについては、現時点で「企業名+2018採用」で検索すると、かなり多くの企業が「2018年新卒採用ホームページ」を公開していることがわかる。文系の人気企業ランキングの常連であるメガバンク、総合商社、生命保険・損害保険と大企業が多い。メーカーはやや少ないものの、トヨタ自動車やホンダ、日立製作所、旭化成などの人気企業はオープンしている。

 2018年新卒採用のホームページをオープンしていなくても、2017年新卒採用ホームページをそのままオープンにしているケースが多い。以前は採用が終わると、いったんホームページを閉じる企業が多かった。現在はそのままにしておき、「2018年新卒採用ホームページ」のオープン時に、古いホームページを閉じている。つまり一年を通して常に自社の採用情報を開示する、通年型の採用ホームページが主流となっている。通年型になった理由は、インターンシップ情報の開示や募集を長い期間行う必要があることもあるが、次の就活学年の学生にも早くから見てほしいからだ。

目立つダイバーシティや女性活躍推進

 「企業名 2018採用」で3メガバンクを検索してみよう。三菱東京UFJ銀行の採用ページは「頂を越えて」というタイトルで、「2018 Recruiting Information」と明記されている。更新日は2016年の12月19日だ。インターンシップ情報のほか、「BTMU(Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJの略)について」と題し、経営ビジョン、会社概要、CSR、ダイバーシティ、人事プリンシプルなどに分けて、基本的なことを確認できるようにしている。また、「職種と仕事」のコーナーでは、それぞれ職種の業務紹介、行員紹介、プロジェクトストーリーなどを公開している。

 みずほフィナンシャルグループも「新卒採用情報サイト2018」をすでにオープンしている。こちらもインターンシップ情報のほかに、会社情報の基本情報や仕事内容、キャリア支援制度などを押さえられるようになっている。

 総合商社では伊藤忠商事が「ひとりの商人、無数の使命」と銘打ったページをオープンしている。「CONCEPT」「COMPANY」「PERSONS」「PROJECT」「CULTURE」「INFORMATION」「SEMINAR」のコーナーを持つ。各コーナーのページは、まだ半分も公開されていないものの、「PERSONS」の社員紹介では、仕事内容だけでなくキャリアステップや一日の生活も掲載されるなど、充実した内容となっている。まだ公開されていないが、「ホンネ女子会」というコンテンツが目を引く。

 メーカーではトヨタ自動車が「世界への責任と、未来を約束する覚悟」と題する採用ページを設けている。「人」「プロジェクト紹介」「会社情報」「働く環境」「制度」「採用情報」のコーナーが用意されている。「働く環境」のコーナーでは「ダイバーシティ」として、女性向けパンフレットをPDFでダウンロードできるようになっている。さらに「採用情報」内のイベント情報にも、「トヨタ自動車主催 女性向けセミナー」が掲載予定になっているなど、女性採用を意識したつくりになっている。

 2月段階では企業によって、2017年新卒採用ホームページと2018年新卒採用ホームページが混在している。2018年新卒採用ホームページでも、フルスペックではないことが多く、2017年版の流用のところもある。若手社員紹介や座談会などのコンテンツは順次追加していくケースが多い。

 だが2017年版でも、業務や仕事の内容、各種制度はほぼ変わらないので企業研究はできる。3月の解禁日を待つのではなく、2月にいろいろな業界や企業を調べておき、3月1日に解禁されたらすぐにプレエントリーできる、企業群を用意しておきたい。プレエントリーをすると、自分の「マイページ」が開設され、さらに多くの情報が見られるようになる。

3月1日にプレエントリーできる企業を選べ

 いま選ぶ企業群は、3月解禁スタートダッシュ用のもの。就活を進めていけば、業界分析が進んで、気になる企業も出てくるだろう。そうしたらどんどんプレエントリーすればいい。

 3月1日になると急に忙しくなる。具体的には就職ナビからのプレエントリーが始まる。企業の採用ホームページも本格的に動き出し、会社説明会・セミナー、合同の会社説明会・セミナーがあちらこちらで行われる。

 同時にエントリーシートや履歴書を受け付ける企業も増えていく。経団連が指針としている選考活動の解禁日は6月1日だが、3月から実質的な面接を始める企業も少なくない。ゴールデンウイーク明けの5月になれば、内定という名称を使わないとしても、”事実上の内定出し”が増えてくる。短期決戦になるので、体力、気力が必要だ。決戦が始まる前に、納得できる企業研究をしてほしい。

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