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無料のドーナツに並ぶ人は"トク"をするのか 節約のつもりで浪費する人の「残念な思考」

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2018/09/12 07:30 松崎 のり子
トクをしたつもりがかえって出費が増えていたなんて悪夢も…(写真:CORA / PIXTA) © 東洋経済オンライン トクをしたつもりがかえって出費が増えていたなんて悪夢も…(写真:CORA / PIXTA)

 夏は暑いほうが景気にプラスというが、おかげでずいぶん散財してしまったという人も多いだろう。季節の変わり目とともに財布の中もスカスカと涼しくなり、これはまずいと焦りがちだ。

 しかし、節約のためによかれと思ってしたことが、かえって出費を増やすことになりかねない。次のうち思い当たるものがあるなら、ぜひ見直しをお勧めする。

それ、本当におトクですか?

ネット通販サイトでポイント5倍デーに買う

 楽天市場やYahoo!ショッピングでは、5のつく日や5の倍数の日などに、通常より多くのポイントをつけるキャンペーンを行っている。わざわざこの日を狙って買い物している人は多いだろう。そのポイントで買い物すれば節約になると考えて。

 しかし、そこにトラップがある。この日の買い物で付与される倍増ポイントには、2種類あるからだ。

 通常のポイントは、有効期間は1年間で、しかもその期間内にさらに買い物をすれば期限は実質永遠に延長される。しかし、倍増デーの買い物で獲得できるポイントの一部は、決められた期間内に使わないと消滅してしまう期間限定ポイントなのだ。せっかくポイントアップの日を狙って買い物してまで手に入れたのに、むざむざ消してしまうのはもったいないとばかりに、無理やり買い物をしてしまうという人もいるだろう。

 しかし、それは「本末転倒買い」。必ずしも必要のないものを期限切れになるからと買う、それこそ浪費だ。もちろん、定期的に必ず購入するものをリスト化し、期間限定ポイントをうまく使うのならいいのだが。

 今はどこもかしこもポイントだらけで、しかもご丁寧に「もうすぐ期限が切れますよ!」とスマホに通知まで送ってくる。よほどの強い気持ちがないと、この誘惑には勝てない。

無料のドーナツをもらいに行く

 NHKの朝ドラでこんな場面があった。ヒロインの実家である食堂に訪れたお客が、会計時に「五平餅1本無料サービス券」をもらい、それを手に系列店を訪れる。「お飲み物は何にしますか?」と言われて、「それもサービス?」と聞くと、ドリンクはもちろん有料。商売上手だね、といったやり取りが繰り広げられた。

 無料をエサにほかの出費を誘う、これぞまさに「ついでにいかが商法」の典型ではないかと、テレビの前で深くうなずいてしまった。

”日本人の美徳”が落とし穴に

 「ドーナツ1個、だれでも無料でもらえる」というたぐいのキャンペーンがあるが、これをトクだと思ってはいけない。日本人の美徳として、「タダのものをもらうだけで帰るのは悪い」と考えがちだからだ。

 家族がいれば、家族の分も買うだろう。その場で食べるなら、それこそ一緒にコーヒーくらいは飲みたい。ドーナツ1個が無料どころか妙に高くつくことになる。これを防ぐには、「無料のものをもらうだけ」と貫き通す強い気持ちを鍛えるしかない。それか、その店に近づかないかのどちらかだ。

利回りがいいとの理由でデパート積み立てをする

 銀行預金の金利がほぼゼロのなか、注目を浴びているのが「友の会」、いわゆるデパート積み立てだ。毎月定額を1年コースで積み立てると、さらにひと月分が上乗せになった金額が満期に受け取れるのだ。たとえば1万円ずつ1年間積み立てをすれば、受け取れるのは1万円がプラスされた13万円。これはおトクだと話題になっている。

 しかし、本当にそうなのか。多くの場合、友の会の積み立てで受け取れるのは現金ではなく、その金額がチャージされた買い物カードだ。それも、積み立てたデパートやその系列店で使うのが原則だ。つまり、普段からそのデパートを利用して年間12万円も買っていない人にとっては、買い物でトクするとは言い切れない。

 今どき、モノを安く買うにはいろんな手段があるのに、わざわざデパートを利用しなくてはならないのだから(なお、それを使って商品券やギフト券・ビール券、収入印紙や切手などを買うことはできない。換金できそうなものはNGなのだ)。

 とはいえ、デパートの包み紙にステータスを感じる場合もあるだろう。たとえば贈り物。お中元・お歳暮、母の日や父の日、両親の誕生日など、そこから送ることで喜ばれる相手や用途があるなら、まず年間の回数と予算を計算してみよう。

 もし5000円コースで積み立てると6万5000円、1万円コースだと13万円がバックされる。どうしても友の会で積み立てをしたいなら、それらで使い切れるかを検証してからのほうがいい。でないと、使い切り目的で余計な買い物をして、デパートを喜ばせるだけの結果になる。

レジャー施設の年間パスポートを買う

 テーマパークやレジャー施設の年間パスポートを買うと、何度も入場できたり割引特典があったりする。そこで、よく聞くのは、年に○回利用すれば元が取れますというフレーズだ。

「元を取ろう」が浪費につながる

 私たちは払ったコストに対しては必ず元を取りたいと考えるもの。コストコの会員になれば、その恩恵を味わい尽くすためにせっせと買い物をし、還元率の高いカードに乗り換えれば払った年会費を取り戻すべく、カード払いの回数を増やすようになる。

 年間パスポートがあるからとそのレジャー施設にせっせと通えば、そこで食事もするし土産も買うだろう。楽しい時間はプライスレスだ。しかし、元を取ることにこだわりすぎると、逆に出費は増えていくという逆説的な現象が起きる。

 それにこだわりすぎると楽しいレジャーがかえって窮屈になる。好きな時に、好きなところに出かけ、その際に使える割引制度を探すほうが気楽だろう。

安いからという理由で買う

 節約のために安いものを買って何が悪い、という声が上がりそうだ。もちろん、それは正しい。ただ、安いからという理由で買ってはいけない。欲しいものが安くなっているなら、ぜひ買うべきだし、それが正解だ。しかし、「安いから買っておこう」は順序が違うだろう。

 スーパーに買い物に行くと、価格が安いものを見つけると、あれこれ買いがちだ。結局、本当に使うか使わないかわからない食材までカートに入れてレジを通過する。100円ショップも同様だ。「100円だから、まあいいか」と、ついで買いしてしまう人は多い。どちらのケースも、「これは本当に必要なのか、自分はこれが欲しいのか」よりも「安いんだからついでに買っておくか」が優先されている。「今だけ半額だから」「スーツを買うとスラックスが1本無料になるから」。そういう動機の買い物も邪道だろう。

 これの類似型が「割安だから、せっかくなら大袋を買っておこう」というパターン。その商品を手にしたとき、「ついでに」「せっかくなら」「そのうち使うかも」というフレーズが頭に浮かんだら、たぶん買わなくても困らないものだ。安いものから買うのではなく、必要なものや欲しいものから買う、という順序で考えてみよう。

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