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遺言書をより便利に・手頃に用意できる「自筆証書遺言書保管制度」 内容と費用を解説

マネーの達人 のロゴ マネーの達人 2020/12/17 10:00 大川 真理子

平均寿命が延びて終活という言葉が日常的な会話で使われるようになった現在では、自分が亡き後の事を考えて遺言書を作成する方が増えています。

遺言書の形式は「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の2種類が一般的ですが、令和2年7月10日から新たに「自筆証書遺言書保管制度」が始まっています。

「公正証書遺言」「自筆証書遺言」の違いと「自筆証書遺言書保管制度」

自筆証書遺言書保管制度 © マネーの達人 提供 自筆証書遺言書保管制度 ≪画像元:法務省[http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html]≫

遺言書には公証人2人が立ち合って作成して公証役場にて遺言書を保管する「公正証書遺言」と、遺言者自らが遺言書の作成と管理を行って遺言者が亡くなった後に遺言書の検認手続きが家庭裁判所で必要となる「自筆証書遺言」があります。

遺言書の検認とは、相続人に対して遺言書の存在を知らせ、形式や日付、内容を確認し、遺言書の偽造を防止する手続きのことです。

今年7月から新たに始まった「自筆証書遺言書保管制度」では、遺言者自らが遺言の作成を行い、原本は法務局の遺言書保管所に保管されます。

「自筆証書遺言」ではありますが、法務局で保管することによって家庭裁判所での検認手続きが不要になりました

「自筆証書遺言書保管制度」を利用する際に遺言者には手数料3,900円がかかります。また、遺言者の遺言書の保管の撤回は無料で申請できます。

「自筆証書遺言書保管制度」で保管された遺言書の閲覧費用

遺言者が生きている間は、相続人は「自筆証書遺言書保管制度」で保管された遺言書の閲覧はできません。

遺言者が亡くなった後には、法定代理人などを含む相続人等で遺言書を閲覧できます

遺言書原本は、保管されている遺言書保管所で閲覧可能です。また、全国の遺言書保管所にてモニター越しに遺言書の閲覧もできます。

相続人の1人が遺言書を閲覧すると、その他の相続人に対して遺言書が保管所に存在していることが通知されるようになっています。

閲覧費用は

遺言書原本の閲覧が1回1,700円

モニターでの閲覧が1回1,400円

で、収入印紙で納めます。

「遺言書保管事実証明書」の交付請求費用

遺言者が亡くなった後に遺言保管所に「遺言書保管事実証明書」の交付請求をすると、遺言書が実際に保管されているかどうかの確認をとれます。

あくまでも、遺言書の存在を確認するためだけの請求ですので、遺言書の内容を確認したり、相続手続きを進めるといったことはできません

「遺言書保管事実証明書」の交付請求は遺言保管所の窓口で直接、あるいは郵送で行うことも可能です。

費用は証明書1通につき800円で、収入印紙で納めます。

遺言書 © マネーの達人 提供 遺言書

「遺言書情報証明書」の交付請求費用

相続登記の手続きなどでは、通常は遺言書の原本が必要です。「遺言書情報証明書」は、遺言書原本の代わりの提出書類として使用できます

なお、「遺言書情報証明書」が相続人の内の1人に交付されると、他の相続人にも、遺言書が保管所に存在している旨の通知がされます。

「遺言書情報証明書」の交付請求は相続人や法定代理人が全国の遺言書保管所にて直接、あるいは郵送で手続きを行います。

費用は証明書1通につき1,400円で、収入印紙で納めます。

遺言者が自ら遺言書を保管する「自筆証書遺言」の場合には相続人にとって手間のかかる手続きがいろいろと残されますが、「遺言書情報証明書」を交付できると相続人の事務的負担が減ります

遺言書は故人の思いを伝えるもの

遺言書を自筆でしたためたとしても、遺言書自体が相続人に発見されない、または発見されたとしても内容を偽造されるなど、個人で遺言書を管理すると内容が正しく伝わらない可能性があります。

一方の「公正証書遺言」の場合には、司法書士や弁護士などへ依頼することが多く、費用もそれなりに必要です。

遺言書は故人の思いを伝える最終手段です。

思いを確実に伝えて実現するために、比較的お手軽な「自筆証書遺言書保管制度」を利用してみるのもいいかもしれません。(執筆者:AFP 大川 真理子)

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