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「前向きな子」の親が実践する"3つの声かけ" 環境変化に敏感な子にもきっと効果がある

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2017/02/02 08:00 石田 勝紀
子どもの思考を「前向き」にするにはどうしたらいいのでしょうか(写真 :hanapon1002 / PIXTA) © 東洋経済オンライン 子どもの思考を「前向き」にするにはどうしたらいいのでしょうか(写真 :hanapon1002 / PIXTA)  

 【質問】

 1年生の娘についてご相談です。家の中と外とで性格が違い過ぎて悩んでいます。外ではおとなしくて、場所見知りや人見知りが半端なく、周りに気を使いすぎるくらいです。家ではその反動なのか、かんしゃくを起こすことも多く、一度スイッチが入ると手がつけられない状態になることもよくあります。親としてどうしたらいいか悩んでいます。

 (仮名:佐藤さん)

「こうでなければ」はひとつもない

 【石田先生の回答】

 私はこれまでたくさんの児童、生徒たちを見てきましたが、皆それぞれに多種多様なパーソナリティを持っていました。もちろん佐藤さんの娘さんのように、外では物静かで、内では元気すぎる子、また逆に外ではしっかりしているのに、内ではだらしない子など、類型化できないぐらい子どもは画一的ではありませんね。それが自然な姿なのでしょう。

 別に、それらを気にする必要はなく、「こうでなければならない」ということは何一つありません。最近では、21世紀型スキルとか21世紀能力という言葉が教育界で使われ、クリエーティブな人が求められるという流れもあります。「人と違うからこそ良いのである」という多様性を重んじる傾向にあるぐらいで、周りの人と同じであることが正しいということではなくなっています。

 そうは言っても、親としてはすぐそばにいるだけに、どうしても気になるかもしれません。外と内での振る舞いがあまりにも違いすぎて、今後、うちの子は大丈夫だろうかと。

 場面によって振る舞いが違うというのは、筆者の経験上、子どもが環境変化に敏感なタイプであることに起因するようです。そして、外ではプラス方向の態度、家庭内でマイナス方向の態度を示すことが多いようです。これもひとつのあり方なので特に問題視する必要はありませんが、もしどうしても気になるということでしたら、私は次のようなことを提案したいと思います。

 それは、子どもの思考を「前向き」の方向に持って行くようにするということです。全体的に「前向き」になると、外と内での差は次第に小さくなっていくことでしょう。

 そう簡単に子どもが前向きになるのだろうかと思われるかもしれません。しかし、簡単ではないものの、環境設定を変えてしまうことで、徐々に変化をしていきます。また、前向きにするといっても、方法は無数にあることでしょう。これまでの私の記事でもたくさん書いてきましたが、今回は、家庭ですぐに実践できる3つのことを、お話したいと思います。

子どもを前向きにする3つの方法

 1)GOODニュースを毎日語り合う

 ひとつ目は、GOODニュースを毎日語り合うというものです。

 今日の「GOODニュースは何?」と聞くのですが、そのGOODニュースの前に、反対のBADニュースから話をしてもらうというのが、コツです。なぜなら、毎日GOODニュースだけだと、つらい目に遭っていてもGOODにしなければならないというストレスになる場合があるからです。そこで、まずは「今日のBADは何かある?」と聞いて、残念なことについて話をしてもらいます。するとたとえば、学校でいじめに遭っていたということや、自分の内に秘めた悩みなどが早期の段階で出てくる場合があり、早めの対策を取れるというメリットがあります。

 そして次にGOODニュースです。大したことでなく、ちょっとでもGOODなら何でもいいのです。それを話してもらいます。「電車に待たずに乗れた」「給食がおいしかった」「褒められた」「友達とたくさん話ができた」「早く起きることができた」「天気が晴れで気分がよかった」などなど、いくらでも出てきます。

 そうすると、BADな状況で終わることなく、GOODな出来事に意識が向いていくようになります。人間はGOODとBAD、またはプラスとマイナスを同時に考えることはできないので、最後は必然的に気持ちはGOODに支配され、それが習慣になると前向きな性格に変わっていきます。

 はじめは、「何? GOODって?」とバカにするかもしれません。問いただすのではなく、日常の会話の中で、さりげなく聞いていくのです。お風呂に入っているときに聞くのでもいいでしょう。食事のときでもいいでしょう。そうしたさりげない日常の中で、問いかけていきます。

 中学生にもなるとバカバカしいと子どもが感じ始めるかもしれませんが、実はこのGOODニュースを語り合う方法は、企業でも取り入れて、大人がやっているものなのです。この取り組みによって、社員たちは、良いもの探し、良いこと探しを始めるので、社内の雰囲気が良くなり、業績に影響を与えていくといいます。

 私がこれまで子どもたちに対して実践した例では、例外なく子どもたちは乗ってきました。そして、GOODニュースを語り合うことで、クラスの雰囲気がどんどんよくなっていったのです。 もし日記を付けているのであれば、毎日GOODニュースを書いていくというのもいいでしょう。

 ぜひ、試してみてください。効果を実感できるはずです。

得意なことを徹底して認めていく

 2)「褒める」のではなく「認める」

 前向きにさせるには、その人の自己肯定感を高めるようにすることです。自己肯定感とは、「自分はできる!」という意識です。そのためには、できたこと、得意なことを徹底して認めていくのが良いのです。

 ポイントは「褒める」のではなく「認める」ということ。認めるということは、褒めるとほぼ同義のようですが、「褒めてください」というと、わざとらしく大げさに褒めてしまうことになりかねないので、「褒める」という意識ではなく、「認める」というくらいの意識がいいでしょう。認めるとは、「いいね~」「すごいね!」「よくできるね~」と感心した言葉で簡潔に表現することです。

 すると、子どもは得意になって、ますます認められようとして努力していきます。褒めるとだんだんとマンネリ化していき、褒める度合いを引き上げなくては効果がなくなっていきますが、認めるという行為は単純なだけに、飽きが来ず、人をモチベートするには最適な方法です。

 3)「ではどうしたらうまくいくだろう?(HOW)」を口癖にする

 学校のテストの点数が悪い、友達と喧嘩したなど、マイナスな出来事に遭遇したら、HOWを使いましょう。しかしこれは1回だけ使えばいいというものではなく、習慣にする必要があります。

 何か子どもに問題が発生したことを親が知ったら、一般には怒るか、「なぜそんなことをするの?」「何、この点数は!」などと原因の追求をしますね。しかし、それだけでは何の改善にもつながりません。感情をぶちまけることで親のストレス発散にはなるかもしれませんが、事態は何も変わっていませんね。

 むしろ怒られたというつらい状況で終わったことで、子どもはマイナスの感情を抱え、後ろ向きの気持ちが固定されてしまいます。

HOWを使って思考を前向きに

 そこで、「じゃ、どうしたらいいだろうか?(HOW)」を使うのです。すると、この瞬間から、思考は前向きになっていきます。

 以上、前向きにさせる3つの習慣についてお話してきました。ここでひとつ注意しておきたいことがあります。それは、真面目に子育てを考えている方、現状を何とか変えていきたいと考えている方は特に、注意が必要です。

 それは、「すべてを完璧にやろうとしない」ということです。3つの方法と言われるとすべてのことを完全にしなければ、自分はダメだと考えてしまう方もいらっしゃいそうですが、そうではありません。

 この3つは今まで筆者がやってみて効果があった方法で、数ある方法の中から選んで書いたものですから、試しにやってみて、うまくいく方法、しっくりくる方法であると思ったら継続していけばいいと思います。真剣ではあるが、思い詰めたりはせず、効果があったらいいなというくらいの感覚でやってみてください。お子さんの日常が変化してくると思います。

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