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41歳、貯金6万。病気を克服して3年。夢を叶えたい

All About のロゴ All About 2019/02/06 22:20 あるじゃん 編集部
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、40代にして新たな夢に向かう独身女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。 © All About, Inc. 皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、40代にして新たな夢に向かう独身女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。

夢実現のため、どう家計管理をすればいいでしょうか?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、40代にして新たな夢に向かう独身女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。

「月と星」さんの家計収支データ © All About, Inc. 「月と星」さんの家計収支データ

▼相談者月と星さん

女性/パート/41歳

東北/賃貸住宅

▼家族構成独身、一人暮らし

▼相談内容30代のとき、病を患い、仕事も辞めざるを得なくなりました。治療を続け、現在パートができるまでになり、3年になります。そんな私に夢ができました。東京に出て、好きな専門用品を販売しているお店で働くことです。そのために、まず引越し費用を貯めたいと思い、今までの家計を見直すことにしました。家計の中でもっとも負担の大きい遠方での治療費については、資金を貯める期間だけ受診回数を減らし、月2万円を貯蓄分に回せたらと考えています。

貯蓄に関しては、現在定額の積み立てなどは行っていないものの、不用品を売ったり、生活費の余りを合計したものを貯金しています。生活費にゆとりがなく、時々ストレスで、お金を集中的に使う(コンビニでお菓子やお弁当など)ことがあります。目標としては、1年以内に就職を決め、引越ししたいです。夢実現のための家計管理。予算を守ろうとするあまり、お金を使うこと自体に罪悪感を感じることもあります。よろしくお願いします。

▼家計収支データ

▼家計収支データ補足(1)現在の仕事内容

小売店の受付。

(2)医療費について

治療は月に一度。保険外診療(自由診療)で治療費は2万円。加えて交通費1万5000円が発生。今後は通院の回数を減らし、貯蓄に回す予定。

(3)雑費の内訳

日用品、美容院代、化粧品代など

(4)実家からの援助

実家には住宅ローンが残っているため、援助は厳しい。実家からの援助は一切考えていません。

▼FP深野康彦からの3つのアドバイスアドバイス1 1年以内では資金的余裕がほぼ持てない

アドバイス2 使うことは貯蓄のための必要経費

アドバイス3 「東京で就職」以外の選択肢も模索する

アドバイス1 1年以内では資金的余裕がほぼ持てない

月と星さんの相談内容、拝見しました。いろいろ難しさはありますが、ひとつずつ考えていきたいと思います。まず、現在の就職プランについてですが、1年後に東京に出て来たとします。この場合、事前に就職活動を済ませ、希望の仕事に就けた上での上京が理想でしょう。同時に住む所も決め、働き始めるわけですが、その前の面接等でおそらく2、3回は東京を往復しますから、その時点で5万~10万円はコストとして消えているはず。すると残り20万~25万円。これで初めての東京生活をスタートさせるのは、リスクが高いと言わざるを得ません。

まず、家賃が高いこと。おそらく賃貸物件は東京ではなく神奈川県や埼玉県で通勤の比較的便利な地域で探す方が、割安で現実的だと思いますが、それでも家賃5万円以下はきびしいでしょう。一人暮らし用(ワンルーム、1K、1DK)でも上限6万円が一般的です。もし家賃6万円であれば、敷金礼金で手持ち資金はほぼ底をつく、もしくは足りない可能性すらあります。生活費そのものが、働く前からなくなってしまうということです。それどころか、就職活動がなかなか上手く行かず、何度となく往復すればそれだけで、交通費だけで手持ち資金が減り、部屋を借りることもままならないはずです。

こう考えると、1年以内の就職プランではバッファー、つまり資金的な余裕が足りないという点が大きな問題だということがわかります。つまり、結果的に、就職活動がスムーズに進み、とても割安な賃貸物件がすぐに見つかるという、もっとも順調にことが運んだケースにのみ足りる予算になっているということです。

アドバイス2 使うことは貯蓄のための必要経費

ひとつの提案として、プラン実行を先延ばしにしてはどうでしょう。実現したい思いや年齢的な焦りもあるかもしれません。1日でも早く実現するには、行動に移さなくてはならないことも事実です。しかし、資金的不足で上手く進まない、あるいは結果的に上手くいかなかった場合でも、手持ち資金もゼロというリスクを避けたい。なぜなら、その後の生活もあるからです。だから、貯蓄を増やしていく。理想は100万円ですが、今のペースなら4年を要しますので、少なくとも2年後、50万円は用意しておきたいと考えます。

もっと貯蓄ペースを上げることで、目標の貯蓄達成も早まります。ですが、家計収支を見る限り、手をつけられるのは、月と星さんが言われているように、医療費しか見当たりません。これ以上切り詰めると、かえって生活に支障をきたすのではないでしょうか。家計管理について悩まれていますが、十分できています。自分を責める必要はありません。現状では、貯蓄目標は月2万円でいいと思います。

貯めなくてはという反動からか、お金を使うことに罪悪感を感じているようですが、それも不要です。ときどきストレス解消のためコンビニで買い物をする程度の支出なら、それは貯蓄するための必要経費と考えてください。自分を無理に追い込み、その結果貯めることができても、それは継続しません。貯蓄の極意は継続です。1カ月で3万円貯めても続かないなら、上手にストレスを解消しながら、毎月1万円の積み立てを1年、2年と続ける方が正しい家計管理と言えるはずです。

ただし、最近始められたペン習字。字はきれいに越したことはありませんが、履歴書はそれよりも本人の情熱や思いが優先されます。下手でも気持ちは相手に伝わるもの。したがって、教室も無駄にはなりませんが、そのコストを貯蓄に回してもいいかもしれません。

アドバイス3 「東京で就職」以外の選択肢も模索する

もうひとつ、就職先を東京とされていますが、地域としてそれ以外の選択肢はないのでしょうか。希望されている分野は東京以外極端に少ない、あるいはご自身ですでに具体的な希望就職先があるのであれば話は別ですが、そこが漠然としたイメージでしかないのなら、同じ県内、あるいは近県の大きな市でも就職先を探してみる価値はあるはずです。

地元もしくはその周辺での就職は、割安な家賃というメリットを生みますが、それは収入の差で相殺されるかもしれません(総じて地方より東京が高いため)。それでも、就職活動のコストが下がるため早めに行動ができ、また生活のしやすさもあると思います。大きく環境が変わらないことや、気心の知れた知人、友人が近くにいることで励まされることもあるはずです。

もちろん、東京への就職を否定するわけではありません。その思いが強いなら、ぜひトライしてほしいと思います。ただし、先に述べましたが、焦らず、自分のペースで資金的余裕を作っておくことが必須条件。同時に、選択肢を増やしておくことも意識として持っておくといいと思います。

月と星さんは、いろいろ努力を重ね、自身の力で社会復帰ができたことは実に立派です。その上で、夢を持つことができたのですから、実に喜ばしいことです。希望をもって日々過ごしてほしいと思います。私はFPという仕事柄、人生をお金という物差しで考えなくてはいけません。だからこそわかるのですが、人生はお金だけでは決して満たされないのです。そして、その当たり前のことを、人はときに忘れがちです。

もちろん、必要最小限の資金や収入は確保していかなくてはなりません。しかし、そのために無理をしたくはありません。健康を維持管理することも、欠かせないポイントだからです。今すべきことは、しっかり情報を集めながら、地道に資金を貯めていくべきだと考えます。

相談者「月と星」さんから寄せられた感想

深野先生、ありがとうございました。無駄遣いだと、罪悪感を感じていたコンビニでの買い物を貯蓄を継続するための必要経費と考える、というアドバイスに目から鱗でした。もっと大きな目で、自分の生活やお金を見ていくことも大切なのだと学びました。長年東京へ通って生活に必要な情報を調べながら、プラン実行を進めてきましたが年齢的な焦りから過程を急いでしまっていました。先生に頂いたアドバイスをしっかり念頭に置いて、ゆとりと自信を持って実現できるように準備していきたいと思います。

教えてくれたのは……

深野 康彦さん

業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武

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