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黒島結菜が「ちむどんどん」で“嫌われまくる”もNHKが重宝する実力派女優の実像

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2022/08/06 11:30
黒島結菜 © AERA dot. 提供 黒島結菜

 現在放送中のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」。黒島結菜(25)演じる、故郷の沖縄料理に夢をかける主人公・比嘉暢子を中心とした4兄妹の物語なのだが、ツイッター上では「#ちむどんどん反省会」というネガティブなハッシュタグが盛り上がり、辛口コメントも少なくない。

 特に、目立つのは登場人物に対する拒否反応だろう。物語の前半は、母に借金させて用意したお金をもうけ話にダマされて持ち逃げされるなど、暢子の兄である“ニーニー”こと賢秀のクズっぷりや、そんな兄をただ甘やかす母・優子にモヤモヤする視聴者が多かったようだ。

 また、ヒロイン・暢子の言動にも辛口な声が見られる。例えば、5月24日の放送では、不満を募らせた暢子が、勤務先のレストランのオーナーに「自分で料理を作ったこともないくせに偉そうです」と、新人なのに盾突いて料理勝負を持ちかけた。7月27日の放送回では、結婚に反対する婚約者の母親に対し、いつも決まった店で朝食を食べているというのにもかかわらず、毎朝、頼まれてもないお弁当を作って届けるなど、自己中心的な暢子の振る舞いに嫌悪感を示す視聴者は少なくないようだ。

 黒島自身に対しても「毎日ちょっとずつ黒島結菜が嫌いになる」「黒島結菜はもともと好きだっただけに残念」など厳しい声が散見。もはや、本人の好感度にも影響が出そうで心配になってくる。

「SNS上では『こんなにヒロインに共感できない朝ドラ初めてかも』との意見もあり、普通は視聴者から応援されるべき朝ドラのヒロインが、共感されないキャラクターになっているところが大きなモヤモヤポイントなのだと思います。一方で彼女の場合、演技が批判されているわけではありません。役柄の人間性が嫌われるのは、ある意味で演技がうまい証拠とも言えるでしょう。実際、黒島は2019年公開の映画『カツベン!』で、第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、演技の評価は高い。また、2017年放送のラブコメドラマ『アシガール』では、戦国時代にタイムスリップした女子高生役で、ピュアでけなげな主人公を好演しています」(テレビ情報誌の編集者)

 民放ドラマ制作スタッフも、黒島のキャリアについてこう評する。

「今回の朝ドラと同じく羽原大介氏が脚本を手掛けた『マッサン』や戸田恵梨香さん主演の『スカーレット』といった朝ドラに加え、『花燃ゆ』、『いだてん~東京オリムピック噺~』といった大河ドラマなど、NHKでの確固たる実績があります。朝ドラや大河に関しては老若男女を問わず幅広い視聴者層が楽しむ番組なので、年配層からもウケが良い女優が重宝されているんです。そういう意味では本来、朝ドラヒロインとの相性は非常に良い。今作に関しては役柄に対して視聴者からさまざまな意見が出ているようですが、彼女は健康的で透明感がある一方で、りりしさやひたむきさも感じさせます。今後も業界では重宝されるでしょう」

■川栄李奈も憧れる存在

 そもそも演じるキャラクターと本人の人格は別。朝ドラを見て黒島を嫌いになるのは、お門違いとも言える。

 実際、“素”の黒島の性格には、思いやりのある優しい人柄がうかがえる。「SPUR」(集英社、5月16日配信)では、保護施設から引き取った元保護犬2匹を飼っていることを告白。家族のような存在で、朝と夜の散歩は欠かさず、生活も規則正しく変化。「私がいなくなったら生きていけないこの子たちのために自分も健康でいなきゃ」と思うようになったという。また、大学で写真学科に通っていた黒島だが、自身のインスタは風景の写真がほとんどで、女性タレントにありがちな自撮りや持ち物をひけらかすような投稿がないところも好感が持てる。

「同業者からも慕われているようです。例えば、高校の同級生でもある中条あやみとは一緒に沖縄に行ったこともある間柄。その時、外でキャンプのように野宿する予定のはずが、テントが小さすぎて寝られないため、突然、黒島の実家に泊まることになったとか。中条は『(黒島の家族が)温かくて本当に優しかった』とトーク番組で振り返っていました。また、4月に杏のYouTubeチャンネルに出演し、仲良く沖縄料理を作っていたのも印象的です。2~3カ月に一度は会う仲で、撮影が終わったら一緒に旅行やキャンプなどに行きたいと話していました。10歳以上年上の大先輩ともそうした関係を築けるのは、やはり人間的に魅力のある人なのでしょう。さらに川栄李奈も共演した黒島に関して、『こんなに熱量を持って、一つの作品に集中して取り組んでいるのを見て、自分もそういう風になりたいなと思いました』と情報番組で明かしていました」(同)

 過去には、黒島と同じように、嫌われる役柄を演じながら人気女優となった例も少なくない。芸能評論家の三杉武氏はこう述べる。

「昔はドラマや映画で演じた役のイメージが強烈すぎるあまり、それがそのまま女優本人のイメージに反映されることが多々ありました。『ポケベルが鳴らなくて』で親友の父親と不倫関係になる役を演じた裕木奈江さんや、『東京ラブストーリー』で最終的に鈴木保奈美さん演じるリカから織田裕二さん扮する完治を略奪するさとみ役を演じた有森也実さんなどが代表的です。放送当時は、その役のイメージによってかなりのバッシングを受けました。もっともそれだけ真に迫った演技をし、作品に貢献したわけですから女優としては誇るべきことです。近年では菜々緒さんや小沢真珠さんのように悪女役がきちんと評価される傾向もあります。黒島さんも同じように、演技力が評価される人気女優になっていくでしょう」

 放送終了まであと2カ月。ラストに向けて黒島は暢子をどう演じるのか、目が離せない。(丸山ひろし)

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