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10月17日に配信開始 「Windows 10 Fall Creators Update」でPCはこう変わる

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/10/17
10月17日に配信開始 「Windows 10 Fall Creators Update」でPCはこう変わる: 「Windows 10 Insider Preview」として配信された「Build 16299.15」が、実質的なWindows 10「Fall Creators Update」となっている © ITmedia PC USER 提供 「Windows 10 Insider Preview」として配信された「Build 16299.15」が、実質的なWindows 10「Fall Creators Update」となっている

 Windows 10の大型アップデートである「Fall Creators Update」の一般向け配信が10月17日に全世界で始まる。

 従来の大型アップデートと同様、10月17日のタイミングで全ユーザーに一斉配信されるわけではなく、順次配信となる見込みだ。通常で数日程度、ソフトウェアやドライバの対応状況によっては数カ月程度のラグが発生する可能性がある点に注意したい。

 今回はFall Creators Updateの新機能や変更点を幾つかピックアップしてまとめた。

●細かな変更点や改良が目立つ「Fall Creators Update」

 名前の通り、Fall Creators Updateはユーザーの創造力を刺激することを目指して設計されたという。もっとも、新機能が続々と追加された初期のWindows 10大型アップデートに比べて、4回目の大型アップデートとなるFall Creators Updateでの変更点はやや小振りな印象だ。

 5月開催の開発者向けイベント「Build 2017」で公開され、本来はFall Creators Updateで追加されるはずだった2つの目玉機能が間に合わなかったことも大きい。目玉機能とは、過去の環境に戻って作業をやり直せる「タイムライン」と、デバイス間をまたいだコピー&ペーストが可能になる「クラウドクリップボード」だ。

 一方で、インタフェースやアプリの細かな変更および改良は多岐にわたっており、「Fluent Design」と呼ばれるWindowsデバイスを横断して刷新した新しいユーザーインタフェースを採用するなど、将来のよりよいWindows 10へと向けた内部的な変更が幾つか行われている。

●検索と動画編集が大幅に強化された「フォト」

 個人のクリエイティブユースで注目の新機能となるのが、刷新された「フォト」アプリと、これに連動する動画の自動編集機能「Story Remix」だ。

 「フォト」はいわゆる写真を整理・保管するためのアプリだが、新機能として「ビデオの編集」と「検索」の2つが追加された。

 「ビデオの編集」とは、簡単に言えばPCに取り込んだ写真や、OneDriveなどのクラウドストレージに保存してある写真を素材とし、音楽やトランジション(画面遷移)、3Dエフェクト、手書き入力などを施すことで、オリジナルの動画を簡単に作成できるというものだ。

 特に凝った効果を期待しなければ、適当に写真を選んでテーマを選択するだけで“それっぽい”動画が簡単に作成できる。

 この際、写真の選択や整理に役立つのが「自動タグ付け」機能だ。Windows 10が認識できる写真や画像(ローカルやOneDriveにあるもの)を自動でクローリングし、顔認証による個人の特定など、それぞれの要素に自動でタグを付与していく。クローリングが一定以上行われると、フォトアプリの検索窓にタグの候補が出現するので、これをキーワードに画像検索が簡単に行えるというわけだ。

 これまで、手動でタグ付けや分類を行ったり、タイムスタンプを頼りに画像を探したりしていたユーザーにとっては、その手間を大幅に減らせるだろう。「Googleフォト」などクラウド系フォトストレージサービスでは導入されている機能で、既に活用しているユーザーもいるかもしれないが、昨今のAI技術の進化は本当に驚くばかりだ。

●洗練された「Windows Ink」の手書き入力

 指やペンを使った手書き入力機能「Windows Ink」も進化。PDFのドキュメントに手書き入力が可能になった他、自動で正方形を正確に描画できるなど高機能な「Smart Ink」が利用できる。前回ペンを使った場所から手書き入力を再開できる「Windows Find my Pen」機能もある。

●「Windows Mixed Reality」が本格始動

 これまで「Microsoft HoloLens」で限定的に提供されてきた「Windows Mixed Reality(MR)」の世界が、ついに一般ユーザーのもとにやって来る。

 今回提供されるWindows MR(複合現実)は、HoloLensのようなAR(拡張現実)寄りの技術ではなく、一般的に言うところのVR(仮想現実)となる。これまで高価でハイスペックのマシンが必要だったPC向けVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)をOSレベルでサポートし、PC本体の要求スペックとHMDの価格を下げることで、より幅広いユーザーが導入しやすくなることが大きなポイントだ。

 Fall Creators Updateの提供開始に伴い、同アップデートを導入したWindows 10搭載PCと、OEM各社から比較的低価格(299ドルから)で販売されるWindows MR対応VR HMDの組み合わせによって、多くのユーザーがWindows MRの世界を体験できるようになる。

 Microsoftでは既に提供済みのものも含めて、Fall Creators UpdateのタイミングでWindows MRを楽しむための3種類のサービス(アプリ)を用意している。まずMRへの入口となる「Mixed Realityポータル」、(HMDなしでも)MRコンテンツを楽しむための「Mixed Realityビューアー」、そして3Dコンテンツを作るための「ペイント3D」だ。

 PC側がスペック要件を満たしており、実際にWindows MRの世界を体験できるかどうかは「Mixed Realityポータル」を起動したタイミングで判定プログラムが走り、ユーザーに通知してくれる。

 比較的ハイエンドなPC、あるいは2017年後半に登場するミドルレンジ以上のPCが最低要件となるが、試験をパスしたユーザーは是非Windows MRの世界をいち早く楽しんでいただきたい。

 対応するHMDがなくても、Mixed Realityビューアーを使えば、Windows MRコンテンツを利用できる。Remix3D.comサイトで公開されている3Dオブジェクト、またはユーザーがペイント3Dで作成した3Dオブジェクトが、PCのカメラを通じて実際の環境に合成表示される仕組みだ。

 なお、2017年内にはPC向けのメジャーなVRプラットフォーム「SteamVR」のアプリをWindows MRに対応させる予定があり、Windows MR向けHMDで利用可能なコンテンツが大幅に増えていくことが期待できる。

●OneDriveでは「Files On-Demand」が復活

 OneDriveを中心に、ストレージ関連機能の強化もポイントだ。OneDriveでのバージョン履歴機能や「Files on Demand」機能、Storage Senseによる自動ファイル整理機能といった具合に、なるべく容量を節約しつつ、必要なファイルのバックアップはいつでも取得でき、最新状態を保つ仕組みが採用されている。

 ちなみにFiles On-Demandとは、OneDriveのクラウドに保存したファイルを必要に応じてダウンロードして利用できる機能だ。ローカルにファイル本体を保存しないでクラウドに置いておき、必要なときだけダウンロードする仕組みなので、ローカルストレージの容量を抑えられる利点がある。

 実はWindows 8.1で同様の機能(Placeholders)を備えていたが、Windows 10では同期フォルダの選択が可能になった一方で、この機能が省かれており、ローカルストレージを圧迫する要因と指摘されていた。復活を望むユーザーの声に応えた

●「あなたのPeople」で友人とつながりやすく

 ユニークな新機能の1つが「あなたのPeople(People Hub)」だ。インストール済みのアプリや接続済みのサービスを通じて友人情報を参照し、よくアクセスする相手をタスクバー上に「ピン留め」しておくことで、必要に応じてすぐに連絡できる仕組みが用意される。

 もともと前回(4月11日配信開始)の大型アップデート「Creators Update」のタイミングで導入予定だった機能が、Fall Creators Update以降に正式導入された形だ。

●「Cortana」の検索機能が進化

 ユーザーインタフェース関連の細かな改良は多岐にわたる。

 1つがAIアシスタント「Cortana」のインライン検索だ。従来はWeb検索した際には別途ウィンドウが開いてWebブラウザに遷移していたが、Bingの検索時にスタートメニューのCortanaウィンドウを拡大する形ですぐ結果が表示されるようになった。限定的な機能ではあるが、Cortanaを辞書代わりに利用する際に重宝するだろう。

 なお、Windows 10搭載PCからCortanaを通じてAmazon.comのAIアシスタント「Alexa」にアクセスできる機能も、2017年後半に対応する見込みだ。

●整理された「設定」アプリ(HDR対応も)

 「設定」アプリの「システム」項目では、ハードウェア情報、バージョン情報、Windows Defenderのステータスが一括表示されるようになるなど、分散していた項目が幾分か整理された。

 設定アプリでは、Cortanaの専用メニューが追加されていたり、後述のようにWindows Defenderセキュリティセンターという専用アプリが用意されていたりと、整理されると同時により細かい設定やステータス確認が行えるようにもなっている。幾つかメニュー項目が入れ替わっているため、Fall Creators Updateを使い始める際に確認しておきたい。

 ビデオの再生については「HDR(High Dynamic Range)」に対応した。対応ハードウェア環境を構築してあるユーザーは、Netflixなどの配信サービスを使って、HDRの高品質動画を味わえる。

●「Edge」ブラウザはデバイス連携が進歩

 Webブラウザの「Edge」では、EPUB対応やPDF対応の強化、Windows Inkとの親和性強化など、やはり細かいアップデートがあるが、UI面での大きな変化の1つは新しい「共有」ウィンドウだろう。共有可能なアプリやユーザー名がPeople Hubから引用される形で一覧表示されるようになった。

 これはEdgeだけでなく複数のアプリにおいて共通の仕様でもあり、「Project Rome」という異なるプラットフォームをまたいで情報共有を行う窓口としても機能する。これにより、Windows PCと他OSのスマートフォンを連携させることが容易になっていく。

 具体的には、プレビュー版が公開されたばかりの「Edge for iOS/Android」などと組み合わせることで、「Continue on PC」機能を用いて、PC版Edgeで見ていたページをスマートフォンのEdgeで開いたり、その逆ができたりするようになる。

 ただし、iPhone版およびAndroid版のEdgeはまだテストフェーズであり、全ユーザーに開放されているわけではない。

●セキュリティが強化された「Windows Defender」

 セキュリティ面では「Windows Defenderセキュリティセンター」に注目したい。

 前提として、Fall Creators Updateでは既存アプリの幾つかが無効化または削除されており、ソフトウェアの脆弱(ぜいじゃく)性が悪用されるのを防ぐのに役立つツール「Enhanced Mitigation Experience Toolkit(EMET)」はその1つとなる。

 基本的にはアンチウイルス・ファイアウォール機能を包含しているWindows Defenderだが、今回はEMETの機能の一部も取り込んでおり、「Windows Defenderセキュリティセンター」でこの設定が確認できる。

 この他、企業向けではクラウドを組み合わせた、より高度なセキュリティ管理サービスも用意されている。

●「Windows Subsystem for Linux」が正式版に

 細かいところでは、2016年8月配信開始の大型アップデート「Anniversary Update」で提供された「Windows Subsystem for Linux」が、ついにFall Creators Updateでβ版表記が外れ、正式版になった。

 従来のようにコンソール経由でLinux本体をダウンロードする形式ではなく、Windowsストア経由でOSイメージが配布され、さらにUbuntu以外のLinuxディストリビューションも利用可能だ。

●そして「Redstone 4」へ

 なお、早くも2018年春に配信予定の次期大型アップデート「Redstone 4(RS4)」に相当する開発プレビュー版として、10月13日にWindows 10 Insider Previewの「Build 17017」がWindows 10 Insider ProgramのFast Ring参加者向けに配信されている。まだ開発初期段階のプレビュー版だが、しばらく停滞していた新機能の追加が再び活発化しているようだ。

 今回のFall Creators Updateでは残念ながら見送られた機能も、このRS4の開発サイクルでは直近のタイミングでの追加が見込まれる。興味のある方はこれを機会にWindows Insider Programに参加してみてもいいだろう。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

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