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株主優待でイオン、日清食品を抑え人気1位になった意外な企業

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 2018/11/30 06:00 週刊ダイヤモンド編集部,松本裕樹
株主優待でイオン、日清食品を抑え人気1位になった意外な企業: 体験型からビットコインまで、各社趣向をこらした株主優待で個人投資家の獲得を狙っている Photo:PIXTA © 画像提供元 体験型からビットコインまで、各社趣向をこらした株主優待で個人投資家の獲得を狙っている Photo:PIXTA

株主優待を実施する上場企業が急増中

 株主優待を実施する上場企業が増え続けている。

 大和インベスター・リレーションズによれば、全上場銘柄3771社の内、株主優待を実施している企業は38.5%に当たる1450社に上り、実施率、実施企業数ともに過去最高となった(2018年9月末時点。REITを含む)。

 株主優待と似たものに株主総会参加者へのお土産配布があるが、こちらは「株主への公平性」を理由に取りやめる企業が増えている。三菱UFJ信託銀行によれば、14年6月の株主総会でお土産を配布しなかった会社は64社、株主総会を開催した企業に占める割合は2.59%しかなかった。ところが、18年6月は373社、同15.51%(18年6月14日時点)と、この4年間で実に約6倍にも増えているという。

 どちらも株主への公平性に欠けているにもかかわらず、株主総会のお土産は減る一方で、株主優待は増え続けている。その理由は何か。

 背景にあるのは、株式の持ち合い解消の動きである。

 特に今年6月、東京証券取引所が企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)を改定し、企業による株式持ち合いの削減を促すことが決まったことで、新たな受け皿として、個人投資家を安定株主にしようとする動きが高まっている。

 それ故、従来の株主優待に加えて、保有期間に応じて内容がアップグレードする長期保有優遇型の株主優待を実施している企業が増えているのだ。実に、1450社のうち407社が長期保有優遇型の制度を導入している。

最近は株主優待に工場見学やビットコインも

 では、株主優待で果たしてどのようなものに人気が集まっているのか。

 野村ホールディングス子会社の野村インベスター・リレーションズが行っている株主優待ランキングの過去10年間の推移を見ると、かつては日本マクドナルドホールディングス(食事優待券一冊)が毎年1位だったが、15年、16年は日清食品ホールディングス(1500円相当の自社グループ製品詰め合わせなど)に変わっている。その後、17年にはイオン(買い物の3%キャッシュバックの株主優待カード)、18年はオリックス(自社グループ各種サービス割引、カタログギフト)と、首位の銘柄はめまぐるしく入れ替わっている状況だ。

 従来は自社の食品、日用品などの人気が高かったが、「最近はカタログギフトへの関心が最も高く、新しい流れとなりつつある」(千葉博文・野村インベスター・リレーションズ・ソリューション部シニアコンサルタント)という。

 実際、今年首位となったオリックスの株主優待の「ふるさと優待」は、3年未満保有で5000円相当、3年以上の継続保有で1万円相当の食品などをカタログから選べることが高評価につながっている。

 この他、近年は工場見学(新日鐵住金、本田技研工業)や、コンサートへの招待(ヤマハ、河合楽器製作所、MARUWA)、漢方記念館見学会(ツムラ)など体験型も増加傾向にある。

 また、オリジナル写真集作成(AOI TYO Holdings)、自分史編纂の10%割引(サン・ライフホールディング)、面白株主名刺100枚(カヤック)や、ビットコイン1000円相当額(スリープログループ)など、各社趣向を凝らして個人投資家集めに注力している。

 株主優待による個人投資家の獲得争いは今後もヒートアップしそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)

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