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【野党ウオッチ】立民、山尾志桜里氏が「むき出しの好奇心」に屈せず完全復活

産経新聞 のロゴ 産経新聞 2018/12/04 01:05 株式会社 産経デジタル
【野党ウオッチ】立民、山尾志桜里氏が「むき出しの好奇心」に屈せず完全復活: 衆院法務委員会理事懇談会を終え、記者団の質問に答える立憲民主党の山尾志桜里衆院議員=11月16日、国会内(春名中撮影) © 産経新聞 提供 衆院法務委員会理事懇談会を終え、記者団の質問に答える立憲民主党の山尾志桜里衆院議員=11月16日、国会内(春名中撮影)

 立憲民主党の山尾志桜里衆院議員(44)が不死鳥のごとくよみがえった。今国会最大の対決法案である出入国管理法改正案の審議では衆院法務委員会の野党筆頭理事として政府追及の先頭に立ち、同じ検察官出身の山下貴司法相(53)らを追い詰めた。平成29年9月に妻子ある弁護士との不倫疑惑報道が直撃し、一時は政界の表舞台から消えた山尾氏。昨年の衆院選で当選後「むき出しの好奇心になど屈しない」と宣言して政治活動を続けるが、与党には「空々しい」という冷めた見方もある。

【野党ウオッチ】立民、山尾志桜里氏が「むき出しの好奇心」に屈せず完全復活: 衆院法務委員会理事懇談会に臨む自民党・平沢勝栄理事(左手前から2人目)、立憲民主党・山尾志桜里理事(右手前から3人目)ら。中央は葉梨康弘委員長=11月8日、国会内(春名中撮影) © 産経新聞 提供 衆院法務委員会理事懇談会に臨む自民党・平沢勝栄理事(左手前から2人目)、立憲民主党・山尾志桜里理事(右手前から3人目)ら。中央は葉梨康弘委員長=11月8日、国会内(春名中撮影)

 「外国人受け入れという国家の覚悟を問う法案に立法府としての熟議が全く果たせていないまま、行政府の下請けになって賛成することは間違いだ」

【野党ウオッチ】立民、山尾志桜里氏が「むき出しの好奇心」に屈せず完全復活: 衆院本会議で出入国管理法改正案について質問する立憲民主党の山尾志桜里衆院議員。後方は安倍晋三首相(手前)と山下貴司法相=11月13日(春名中撮影) © 産経新聞 提供 衆院本会議で出入国管理法改正案について質問する立憲民主党の山尾志桜里衆院議員。後方は安倍晋三首相(手前)と山下貴司法相=11月13日(春名中撮影)

 山尾氏は11月27日夜、改正案を採決する衆院本会議で討論に立ち、成立を急ぐ与党の姿勢を批判した。

 与党の国会運営についても「政権に唯々諾々と従うような運営を続けていたら立法府は壊れる、もう壊れている」と指摘。顔を紅潮させながら「権限ある人間がいざというときに勇気と正義感を持って使わないのであれば、その人は傍観者ではなく、共犯者だ」と断じた。

 結局、改正案は同日夜に衆院を通過。山尾氏の切なる声は届かなかったが、衆院法務委では何度も質疑に立ったほか、野党筆頭理事として与党側と審議日程を交渉する様子が連日メディアに登場するなど、野党議員のなかでは最も目立つ活躍をみせた。

 審議の過程では、技能実習生の失踪をめぐり、法務省が説明したデータの誤りも掘り起こし、安倍晋三首相が「大変遺憾だ。これまで以上に気を引き締め、丁寧に説明する」と釈明する事態に発展した。

 衆院予算委員会の質疑では、首相に答弁を求めながら、いざ首相が語り出すと答弁をやめるよう求めるなど、耳目を引くパフォーマンスも注目を集めた。ただし、法務委では全面的な審議拒否はせず、議論によって問題点を明らかにする姿勢を打ち出した。

 こうした姿勢は一部の与党議員も評価し、立憲民主党の辻元清美国対委員長(58)も「現場は山尾さんに全部任せている」と全幅の信頼を寄せている。

 山尾氏は、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の永田町で再び活躍の基盤を作ったが、不倫疑惑報道の呪縛から完全に逃れられていない場面も目立つ。

 山尾氏は11月13日の衆院本会議で、改正案では外国人労働者の受け入れ体制が不備だと指摘し「労働者は生身の人間だ。家に帰れば家族だんらんという心のよりどころを必要とする」と語りかけた。

 すると、与党席から失笑がわき起こり、議場には微妙な空気が流れた。

 9月19日付のサンケイスポーツは、山尾氏は2月、夫のIT企業経営者と協議離婚していたと報じた。

 離婚に至るまでには夫婦にしか分からない事情があり、他人が原因を詮索するのは山尾氏が忌避する「むき出しの好奇心」といえるだろう。失笑した議員の脳裏にはこれら一連の報道が浮かんだのかもしれない。

 不倫などのスキャンダルで失脚した政治家は、首相経験者も含めて多い。にも関わらず、山尾氏は昨年の衆院選で、不倫疑惑の直撃を受ける中で無所属として選挙区当選を果たした。今国会での今国会での八面六臂(ろっぴ)の働きを見て、胸をなで下ろした有権者も多かっただろう。

 山尾氏はかつて、国会で「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログを取り上げ、子育て環境の整備を訴えた。その山尾氏に妻子ある男性弁護士との不倫疑惑が持ち上がった際、山尾氏は「男女の関係はない」などと釈明。しかし、昨年の衆院選後には神奈川新聞のインタビューに「そうしたことを答える必要さえなかったと今は思う」と述べるなど、現在は疑惑に弁明することはほとんどない。

 不倫疑惑の当時、山尾氏が問われたのは、子育て政策を訴える政治家としての「資質」だったはずだ。今回、衆院本会議場で広がった失笑には、疑惑に明確な説明責任を果たさないまま、法務委の野党の責任者として堂々と振る舞う山尾氏に懐疑的な意味がこもっていたのかもしれない。

(政治部 千田恒弥)

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